attila

チャプター8〜15 / 13
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英国版   10 11 12 13

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[Chap. 8 / 8]   <戦場>
兵士
エイティアス
兵士
フランク族が夜のうちに西ゴート族に加わったに違いありません。やつら の旗を見ました。
どれだけだ?
倍になりました。



  <西ゴート族>
テオドリック
息子
テオドリック
息子
テオドリック
用意は全て整ったか?
はい、父上。
結構。
やつらは高台を取りました。
そうだな。だが、やつらは何に立向かっているのかまだわかっていないのではないかな。



     <ローマ軍>
エイティアス

兵士
エイティアス
兵士
最初のラッパで中央部隊は下がって、後退する振りをする。2つめのラッ パで取って返して戦う。3つめでフン族が敵の側面を突く。
承知しました、将軍。
アッチラに伝言だ。3つめのラッパで攻撃だ。
承知しました、将軍。



  <西ゴート族>
テオドリック 突撃の用意だ。



  <ローマ軍>
エイティアス
最初のラッパを鳴らせ。



  <フン族>

アッチラ
退却しています。ローマ人の腰抜けめ。
いや、策略だ。



  <ローマ軍>
エイティアス
兵士
エイティアス
兵士
第2のラッパを鳴らせ。
密使が殺されました。死体がここから1ファーロング* の所で見つかりました。 *[約201.17メートル]
もう1人送れ。
しました。ですが、間に合いません。



  <フン族>
アッチラ

アッチラ
我らが側面を突くのをあてにしているだろう。
命令を送ってきていません。
おれの合図で攻撃しろ。
進め! 進め!



  <ローマ軍>
エイティアス
あいつのようなのがもう少しいたら、ローマはもう一度世界を征服するだ ろう。



  <戦いの後>
エイティアス
テオドリック
エイティアス
テオドリック
エイティアス
テオドリック
エイティアス
テオドリック
エイティアス
テオドリック

エイティアス

アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス


アッチラ
エイティアス
テオドリック。
久しぶりだな、フラビウス・エイティアス。
だが、同じ結果だ、ローマの勝利だ。
条件は。
そちらの軍勢の3分の1を奴隷として売り、2,000ポンドの金と秋の収穫を半分。
我々を飢え死にさせるつもりか?
我が軍団に収穫を全部燃やされたいのか?
フン族が背後に控えていなければ、そんな脅迫は到底しないだろうに。
条件をのむのか、それとも交戦を続けるのか?
条件をのもう。
エイティアス、あの娘は元気か?
前にも言ったはずだ。リディアはおまえには関わりない、これからもだ。

前からの知り合いなのか?
テオドリックか? ああ、我々の人生は交錯したんだ。
互いに憎み合っているんだな。
おかしなことだが、我々はかつて同じ女と結婚していた。彼女は何年も前に亡くなり、やつはわたしを責めている。
では、この戦いはローマのためだな・・・そして、おまえたちの恨みを晴らすためでもあるんだな。
わたしは効率良くしようとするんでな。
[笑い] ・・・あんたたちローマ人は、子供がおもちゃで遊ぶように王や民族を玩ぶんだな。
わたしはじきにローマに戻る。一緒に来い。世界がどのように支配されているかを学べ。ローマ人が本当におもちゃで遊ぶように民族を玩ぶか見てみろ。おまえ の様な者はローマにはいないし、わたしのような者もここにはいない。今日はほんの手始めだ。我々は共に偉大なことができる、おまえとわたしで。
まず、互いに殺し合いをしなければな。
[笑い] ・・・何を言っているんだ、アッチラ? 来ないか?


[Chap. 9 / 9]
 <ローマ:宮殿>
皇帝
エイティアス

皇帝

オノリア
婦人
オノリア
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス、おまえの偉大なる勝利を寿(ことほ)ご う。
栄光は陛下のものでございます、皇帝陛下(シーザー)。アッチラをご紹介いたします。その勇気と技は我らの征服に大いに貢 献いたしました。
アッチラ、同盟者としてまた友としてそなたを歓迎する。さあ、主な政治家たちを紹介しよう。諸君、こちらはアッチラだ。
とても印象的だわね、野蛮な感じで。
あの服は獣の皮ですわ。
じきに脱ぐわよ。
ここに連れてきたのは賢明なことかしら。
いつの日か彼はフン族の一番強大な部族の王となりますよ。
ならば殺すべきです。
そうすればフン族と戦になります、それを避けようとしているのではありませんか。
どうして彼が王になるというのです。兄がいるではありませんか。
それでもアッチラが王になります。だから、我らの力でたぶらかし、友として遇するのです。
そしてあなたの計略の終わりに、もしも彼がわたくしたちに刃向かってきたら・・・。
しませんよ。
あなたの身に降りかかってくるのよ、エイティアス。



 <ローマ:宴会>
エイティアス
グラキア
エイティアス
グラキア
アッチラ
エイティアス   

オノリア
アッチラ
オノリア
アッチラ
オノリア
グラキア、この間の勝利はおめでとう。
閣下が御注目くださいますか。で、こちらがアッチラですな。
グラキアは大競技場の現在のチャンピオンだ。帝国全土で最もすばらしい戦車の馭者だ。
試合を見にきて下さい。最上の席をご用意しておきます。
戦車の馭者が宮殿の宴席に?
この都市が競技者にへつらっているのはとんでもないことだ。中にはわたしよりも金を持っている奴もいる。

よくお似合いね。
着るのは今晩だけだ。
あなたに別の贈り物があるの。
いらぬ。
どうしても。



    <ローマ:浴場>
アッチラ
オノリア

アッチラ
オノリア
アッチラ
オノリア
ここは?
浴場よ。さあ、入ってご覧なさいな。見たことはない? エイティアスは砦や水道橋しか見せていないのね。わたしにすれば、浴場はローマが成し遂げた最高の ものよ。
熱い。
ええ。そこが肝心なの。
どうやっているんだ?
かまどと導管よ。それはどうでもいいの。熱さに慣れたら、とても気持ちがいいわよ。
気に入るんじゃないかと思った。
わたしはみんなが思っているような愚か者じゃないわ。あなたも多分そう思っているでしょうけど。ローマでは女の頭が良いのはあまりいいことじゃないの。マ マは例外よ。本物の権力を持っているわ。でも、わたしが持つことはないように気をつけているの。弟がお気に入りで、生まれた時から気に入っているわ。どう しょうもないバカだけど、男だものね。そういうことなの。
もし女が男を通じてしか力を持てないのだとしたら、見つけられる一番力のある男によってそうするわ。


[Chap. 10 / 10]
   <フン族の集落>
ブレダ

ブレダ
ルーアは年をとってきた。
どうせよと?
伯父は午前中にエールを良く飲む。これを寝台の横の鉢に入れるんだ。苦しまずに死ぬし、おまえはいい暮らしができるぞ。



  <森>
ンカーラ
ゲイリン

ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン

ンカーラ
ゲイリン
ンカーラ
ゲイリン
来ないのかと心配したわ。
あんた以外に世話しなきゃならないことがあるんだよ。今年は茸が少ない。薬にするのに茸がいるんだ。それにブレダはもうあんたにはろくに触れないだろ。
ゲイリン、待って。彼はルーアを殺させる腹よ。
黙るんだ! あんたはそれを言ったことで、あたしは聞いたことで殺されかねないよ。
ブレダは毒殺するよう見張りを抱き込んだの。話しているのを聞いたわ。ゲイリン、何とかしてよ。
何ができるってんだい?
ルーアに警告するの。
聞きゃあしないよ。
なら、あなたの力と術を使うのよ。
たぶん、あたしらにはルーアが死ぬのが一番良いんだよ。
で、ブレダが王になるの?
アッチラはどこだい?
ローマよ。
どの位になる?
何週間も。
どうしていつまでもいる?
知らないわ。
彼を帰って来させるものがあるとしたら、それはルーアが死んだという知らせだよ。アッチラは帰ってこなくてはならない。
愛しているのね。
そうじゃない女は目が見えてないのさ。だが、彼は絶対に毒茸は愛さない。
どうして助けてくれるの?
あんたはあたしの幻視に出てくるんだよ。あたしはそれに従わなくてはならない。それに、アッチラは危機に瀕していると幻視が告げている。戻ってこなくては ならない。だから、今日の王を死なせて、明日の王が生き延びるようにするんだよ。



  <ローマ:宮殿>
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス

皇太后
エイティアス

皇太后
フェリックス

皇太后
フェリックス
皇太后
フェリックス
あなたがローマは彼をたぶらかすといった時、わたくしの娘のことを言っ ているとは思いませんでしたよ。
わたしは関わっていませんよ。
あの子は夢中になっています。続けさせる訳にはいきません。
我らが求めている国との同盟を結婚が正式なものとします。
わたくしの娘が野蛮人と結婚ですって? ローマ中の笑いものだわ。
あはは。どうですかな。だが、少なくとも笑うローマは存在するという訳だ。
口を慎みなさい。わたくしに帝国のために犠牲を求めるなどとは。
好むと好まざると、犠牲は払わなくてはなりません。
あの子はあなたが取引するためのものではありません!
フン族との同盟は北の国境を固め、ゲルマン人を制圧し、我らが再び偉大になる時を稼いでくれる。
もし彼が姫を手に入れるなら、2人は結婚する。
わたくしの死体の上でね。
ええ、あなたが言い張るならね。

あなたの助言は?
彼はアッチラに対する影響力に自信を持ち過ぎですな。フン族は野蛮人です。たとえこの結婚があったとしても、奴らは我らを襲うことは大した冗談だと思うこ とでしょう。
そんなことは起きません。
姫は心を奪われています。思い切った手段が必要でしょう。
では、彼を殺(や)りなさい。そして、エイティアスももう用は済みました。
承知いたしました。


[Chap.11]
    <ローマ:エイティアスの館の庭 園>
オノリア

アッチラ
オノリア


アッチラ
オノリア
アッチラ
オノリア
アッチラ
オノリア
エイティアス
オノリア
エイティアス
アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス

アッチラ
エイティアス

リディア   
エイティアス
アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス

アッチラ
エイティアス
アッチラ
エイティアス

アッチラ
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス

使用人
前は運命を信じていなかったけど、今は信じるわ。わたしたちを出会わせ たのは運命だったのよ。
あなたは運命を信じる、アッチラ?
たぶん。
結構。この頃では凄くたくさんの人がうんざりするほど道徳的で、「神の意志」がどうだとか、「神の意志」がああだとか。実際は、あと1人だけ本当に真剣に 運命を信じている人を知っているわ。フラヴィウス・エイティアスよ。おかしなことね。彼のことは軽蔑しているのに、あなたには憧れているわ。
彼の運命はどういうのだ?
ローマを救うことですって。それで、あなたのは?
村の予言者が、おれは剣を見つけると言った。
それで、見つけたら?
世界を支配する。
まあ、エイティアスには可哀想に。
エイティアスは自分の世話はやける。
失礼するわ。
彼女はどうだ?
楽しいな。
それだけか?
他に女について何か言うことがあるのか?
ははは! では、恋をしたことがないな。
一度ある。たぶん。
奴隷の娘、赤毛の娘だな。ははは。おまえの立場にいる男なら、好きなだけ愛する女を手に入れられる、役に立つ女をな。そして、おまえの運命が世界を征服す ることなら、ローマと手を結ぶのも悪くはない。
ローマが、おれが征服することになっている世界の一部だとしたら?
征服にはいろんなやり方がある。あんたは一撃も見舞わずにオノリアを手に入れた。そして、彼女は次の征服の鍵かもしれん。どんなやり方にしろ成し遂げた征 服に乾杯。
お父様、この手紙が屋敷に届きました。
ルーアが亡くなった。
すぐに帰らなくては。
旅には向かない季節だ。
ブレダはもうおれに対して企みをしているだろう。行かなくては。
では、朝元気よく出発するのだ。国境まで護衛をつけよう。帰国するという使者を送るのだ、だが別の道を通れば暗殺がもっと困難になる。そして、ただちに奴 に挑戦し、野心以外の理由を得るのだ。
口実か。
その通り。たとえば、ルーアを殺したということで奴を告発する、事実やっているだろう。
証拠がない。
それはどうでもいい。駆け引きだ。そうすれば奴は守勢に回る。アッチラ、もし事態が拙いことになったら、いつでもここに逃げ込んで来い。
おれはフン族の中で生き、死ぬ。
では、休め。長い旅が待っている。   [リディアに] 立ち聞きしていたのか? 
いいえ、学んでいたのです。いなくなると寂しいでしょ?
ああ、寂しくなる。ローマにはこの頃はああいう男がいない。
このブレダは、本当に彼を殺すかしら?
もちろんだ。
寝る前に彼のために祈るわ。
そうだな。ローマのためにも祈ってくれ。

あ、申し訳ありません、ご主人様。お出かけかと思いまして・・・うぐっ!・・・うぐぁ・・・うあぁ〜!


[Chap.11]
 <フン族の集落>
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ

僧侶
アッチラ
僧侶
アッチラ
僧侶
アッチラ
ブレダ

アッチラ
ブレダ
アッチラ
ブレダ
アッチラ
捕えろ! 捕えるんだ! おまえたちの王が命ずる!
おまえはまだ王ではない。
王冠を持ってこい! とっととしろ!
見たか、ルーアの命を盗み取ったように、どんなに王冠を欲しているか?
嘘つきめ。
ルーアはこれまで生きてきたように死ぬはずだった。戦士としてだ! 眠っている間にではない。
己の死に方を選べる者などいない。
そうだ、殺されたのでないならな。
ルーアは子なくして死んだ、そして俺はその弟の長男だ。よって、俺が正当な王だ。
何が目的だ? ローマや他の国に仕えて戦い報酬を受けるためか?
我らは、これまでフン族が生きてきたように生きる。他にどうしろと言うんだ?
世界を支配するべきだ!
ローマを攻撃させるのか?
ちがう。
やつは買収された。しかも、姫と称する売女をローマに囲っている。
もしローマを攻撃したら、我々は側面ががら空きになる。戻ってきてみたら、村は焼け、女たちはいなくなっているだろう。
そなたは我らがしてはならぬことを言ったが、すべきことは言っていない。
北を攻撃するのだ・・・パノニア、さらに先まで。
おなじ民族を攻撃するだと?!
我々の部族ではない。
それでも、フン族だ。それに我らは長年平和にやってきた。
戦はまた起きる、常にそうだったように。
皆も知っていよう、古の予言を。征服者が我らのうちから出ると。戦神の剣を見つけた者だ。
おまえはこの剣を見つけたのか?
いや。
では、おまえの言は空疎だ。
おれは別の徴を出そう。おれは、おまえがルーアを殺し、しかも彼の後を襲うにはふさわしくないと言った。
おれは、おまえが嘘をついていると言おう。
では、明日日の出に戦おう。一番強い者が支配するのだ。それが徴だ。


[Chap12]
 <ゲイリンの小屋>
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ

ゲイリン

アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
あいつは矢じりに毒を塗るよ。
おれが毒で死んだら、部族がやつを殺す。やつもそれはわかっている。
この毒は形跡が残らない。
どうやってブレダがそんな毒を手に入れるんだ?・・・おまえか?
ゲイリン・・・やつのためにどんな邪なことをしたんだ? やつはルーアを毒殺したのか?
ブレダは、手助けしなければあたしを殺すと誓ったんだ。それにそうすればあんたがローマから戻ってくるとわかっていた。
どっちにしても、おれは戻っただろう!
幻視はそうじゃないと告げた。
おまえの幻視なんか!
あたしは正しいことをした。あんたはここにいる。そして明日のこの時間には、あんたは王だよ。
おまえの毒を分けてくれ!
分けてやれるものはないよ。茸はもうないんだ。何週間も捜しているんだけど。
では、おまえはルーアを殺しただけではなく、おれも殺した。
いいや。もしも毒が入ったなら、あたしが抜きだそう。
どうやって? おれの隣に馬を並べるのか?
アッチラ、剣を見つけるんだ。剣を見つけたなら、おまえに手を出せるものは何もない。
100年間、誰一人見つけた者はいないんだぞ。日の出までにどうしたら見つかるというんだ?
もうおまえとは縁切りだ。2度とおれに口をきくな。



 <決闘>
ブレダ  

ゲイリン

男たち
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ゲイリン
アッチラ
ブレダ
男たち
やー! やー! 来い!

(呪文) 天と地の力よ、あたしに見せた幻視に忠実でありたまえ。ゲイリンの力をアッチラに、アッチラの痛みをゲイリンに。(うめき声)
うおぉー!
うあぁ!
はっ! はっ!
うああ!
うぐぅ!
あああ!(呪文)アッチラ。ゲイリンの力をアッチラに、アッチラの痛みをゲイリンに。
ヘイ、ヘイ!
はぁ!・・・うぐぁ!
アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ! アッチラ!・・・


[Chap.13/12]
 <襲撃>

   <ローマ:宮殿>
皇帝
エイティアス
皇帝

エイティアス
皇太后

エイティアス
フェリックス
エイティアス
フェリックス
エイティアス


皇太后
エイティアス
皇太后
エイティアス
エイティアス、フン族は何をやっているんだ?
アッチラはパノニアの北方を襲っております、陛下。
おまえは言っていなかったか・・・北方にはもっとフン族がいると? では、やつは自分の民族と戦っている訳か。よくやった、エイティアス。
全ては陛下のさらなる栄光のためです、陛下。
経験のない若者はごまかせるでしょうが、アッチラはただフン族を襲撃しているのではないとわかっていますね。彼の支配下に統一しようとしているのです。
少なくとも、我らに対して戦っているのではありません。
だが、そうなったら、危険は倍になる。
彼はローマは襲いません。ゲルマン人、東ローマ帝国は襲うでしょうが、ローマそのものは襲わないでしょう。
どうしてそんなに確信があるのだ?
ローマで、彼は夢想もしなかったものを目にしました。彼の眼に疑いが生じるのを見ました。我らを打ち負かせると思って来たのですが、確信がなくなって帰り ました。
それに、もうひとつの要因があります。
何なの?
ローマを攻撃することはわたしを攻撃することです。それは決してしませんよ。
で、もしもあなたに何かあったら?
そんなことにならないようにすべきです。ワインは、いかがかな?



 <ゲイリンの墓>
ンカーラ

アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
ンカーラ
アッチラ
あなたがいなくて寂しいわ、ゲイリン。
まだ幻視をしているのかしら。
この場所を幻視していた。
わたしの昔の村の近くね。
おれにあそこを貰えと言ったんだ。だから、ここに埋めてやった。
また出かけるの?
斥候が東ローマ帝国について何と知らせてくるかによる。
コンスタンチノープルを襲う計画なの?
都市そのものではない。どちらにしろ、始めはな。だが、属州は豊かだ。
延期できないの?
ンカーラ、おれは自分の帝国を築き始めたばかりなんだ。将来のことを考えなくてはならない。
わたしは将来のことを考えているわ。王は王子に統治の仕方を教えなくてはならないわ。
王子?
産婆が、今朝そうだって言ったわ。
うわぁはは! ははは! 
男の子だと良いんだけど。
ああ、そうさ! そうだとも!



    <誕生と死>
アッチラ
産婆
アッチラ


産婆
アッチラ

アッチラ
ンカーラ
アッチラ
どうして産まれないんだ? [産婆に] 息子が生まれなければ、おまえが 死ぬぞ。
赤子は急げません、たとえ王のためであっても。生まれる時が来たら生まれます。
無事に生まれるように気をつけろ!
おお、神々よ! 男の子であってくれ! 男の子であってくれ! 丈夫な子であってくれ!
   
男の子でございます、陛下。
よし。王の息子だ。で、ンカーラは?

ンカーラ?
王子ができたわ。よく教えてやって。[息を引き取る]
だめだ! だめだ!


[Chap.14]
    <剣の発見>
アッチラ
[ゲイリンの墓に向かって] これはおまえの幻視の一部だったのか?!  これはおまえの幻視の一部だったのに言わなかったのか?! 呪ってやる、ゲイリン!
呪ってやる、神々よ!


[Chap.13]
  <征服>
オレスティス


アッチラの妻
アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ

アッチラ
跪け! おまえたちの新しい王の前に跪け! 王に降伏しろ!

    <アッチラの集落>
使者が、遠征は成功だと申しておりました。
ああ、街はすぐに陥落した。新しい攻撃兵器が予想以上に効果があった。
嬉しいです。
息災か?
はい。
余の留守中、皆おまえに従ったか?
はい。
他の妻たちは?
皆、元気です、陛下。
結構。息子はどこだ?
息子はたくさんおります、陛下。どの子のことをおっしゃっているのですか?
長男だ。
12人の妻がいて、その倍の子供がいるのに、その全部を集めても彼ほどお気には召さないのですね。
あの子は、最初の子だ。
そして、赤毛の女の子供です。
午後謁見式を行なう。その間、休みたい。
アッチラ・・・寂しゅうございました。
帰ってきて良かった。



    <謁見式>
僧侶

クヌート
アッチラ
クヌート
アッチラ
メロク
アッチラ
メロク
アッチラ
メロク
アッチラ
メロク
アッチラ・・・フン族の王、凍る海から黒海まで、ライン川から東方の山 脈までの全土の王。
偉大なる王はかたじけなくも、立ってもよろしいとのことだ。
わたしは、フィン族の王クヌートです。
友として、また忠実なる臣下として迎えよう。
貢ぎ物を持参いたしました。毛皮に、金銀、香辛料に、香料です。
我が民の名において、貢ぎ物を受け取ろう。
わたしは、パルティア人の王メロクです。わたしとスキタイ人の王オマールとの紛争の決着を求めて参りました。
何についてだ?
我らが国境についてです。
オマール王はどこだ?
明日参ります。
正義により、両者の言い分を一度に聞く。
はい、ですが、もし・・・はい、偉大なる王。明日にします。


[Chap.15]
    <ローマ:宮殿>
皇帝
フェリックス
エイティアス
皇帝




エイティアス
皇帝


皇太后


皇帝
エイティアス
皇帝
エイティアス
皇帝
フェリックス
皇帝
フェリックス
皇帝
フェリックス
皇帝
フェリックス
皇帝
アッチラ、アッチラ、アッチラ。奴のことしか耳に入ってこない。何年も 前に奴の片はつけたと思ったのだが。
いいえ、そのような幸運はありません、陛下。奴はまだここにいて、以前よりも強大になっています。
我らを煩わさないのであれば、何の違いがあります?
だが、奴は残りの世界を煩わし、そして、奴らは我らを煩わせている。助けを求める声ばかりだ。スキタイ、アレリクム、モエシア、そしてテオドシアス自身か ら。
「東ローマ帝国皇帝テオドシウスより、愛する甥西ローマ帝国皇帝ヴァレンティニアンへ。すぐに救援を送って欲しい、我々はフン族に蹂躙(じゅ うりん)され ている」
蹂躙だぞ。
誇張ですよ。コンスタンチノープルの城壁は20フィートの厚さがあります。
だが何十もの小さな都市が陥落している。属州は丸裸だ。アッチラは、奴の部隊を撤退するのに、3,000ポンドの金を要求している。
ローマ皇帝が、平民の商店主のようにゆすりにあっている。
そしてもしコンスタンチノープルが陥落したら、あとはわたくしたち以外にアッチラには征服するものがありません。エイティアス、彼が西ローマを脅かしたら それはあなたの頭上に降りかかってくると言いましたね。その重みを感じ始めているのではないの?    
ふぅ〜。さて、エイティアス?
かつてアッチラが脅威を与えた時、わたしは旅をして彼に会いに行きました。また出かけましょう。
東ローマ帝国へか?
そうです。状況をはかり、わたし自ら対処しましょう。
そうだ。いい考えだ。すぐに行くんだ・・・ふぅ〜。
お話しがあります、陛下、姉君のことで。
何だ?
大逆を図っているという噂があります。
何だって? 誰と?
ユージェニウスとです、陛下。
ユージェニウス? 侍従として仕えているユージェニウスではあるまいな?
その者です、陛下。
オノリアが余に対し大逆を図っていると・・・家令と?



 <寝室>
ユージェニウス
オノリア
ユージェニウス
オノリア
ユージェニウス
オノリア
ユージェニウス
オノリア
あなたは女神だ。
できれば、彼を殺さないようにしましょう。バカだけど、弟だもの。
こんな情熱はお目にかかったこともない。
襲うには秋の祭りが一番良いでしょうね。
いや、ラトリアスはそうは思っていない。それでは早すぎると言う。
わたしたちの計画をラトリアスに話したの?
こちら側に近衛の士官が必要だ。
綺麗で愚かなユージェニウス。わたしたちは用意が整うまで全てを秘密にしておかなくてはならない・・・



    <エイティアス邸>
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
エイティアス
リディア
すぐに出発しなくては、お父様。日没に引き潮になります。お知らせ?
ああ、オノリアが一緒に行く。東ローマに追放だ。
処刑されていたかもしれないのに。
そうして欲しかったかもしれんな。プルケリアに引き渡される。
なんだか可哀想になってしまうわ。
わたしもだよ、なんだかね。
アッチラにあったら、どうかよろしくね。
[皇太后の]プラシディアは正しかった。やつがローマにいるうちに殺しておくべきだった。
彼はうちのお客様だったのよ。
ああ、さて、やつがどれほど危険になったか見きわめなくてはならん。留守の間気をつけてな。
ええ。



 <アッチラの集落>
オレスティス
アッチラ
オレスティス



アッチラ
オレスティス
アッチラ

オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ
オレスティス
アッチラ

オレスティス
大使とはお会いになりましたか?
ちょっとな。会うのを先延ばしするほど、いそいそとより多くの金を支払う。
ですが、それが偉大なる王にふさわしい利得ですか? わたしは陛下により良くお仕えするのに聡い耳をしています。そして、将軍たちの間で噂を耳にしまし た。彼らの忠誠は揺るぎないものですが、いぶかしく思っています。我々は100の国を征服しました。東ローマ帝国をコンスタンチノープルの城壁まで追い詰 めました。ですが、西ローマには向かって行きません。
まだ時が至らない。
いつ時至るのですか、陛下?
余が時来たれりと言った時だ。
他にどんな理由があるんだ、オレスティス?
エイティアスを怖れているのだと言う者がおります。お許し下さい、陛下。下らぬ噂です。
誰がそんな噂を広めている?
あなたです、偉大なる王。
余が?
はい、西ローマへ向かうのを拒んでいらっしゃるので。
おまえは勇気があるな、オレスティス。
[ため息] あえて真実をお話しできないなら、お仕えいたしません。
余は支配者だ、フン族だけではなく、おまえの言った通り、100の国の。
その国の王たちはあなたの些細な命令にも従います。
余は彼らの服従よりも信頼が必要なのだ。
何に対してですか、陛下?
だから待っているのだ。彼らをただ仕えさせるのではなく、信頼させる物だ。
徴ですね、戦神の剣のような?
徴か、理由か。エイティアスがかつて口実と言ったものだ。そして、それが来たなら、余にはわかる。その時には西ローマ帝国に向かって動く。
かしこまりました、陛下。

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