コー ヴァリス・ガゼット・タイムズ
2006年9月8日

叙事詩の草の根の勝利

オルバニーの女性たちが米国でのより広範囲にわたる公開の先頭に立つ

アレックス・ポール
ザ・エンターテイナー

オルバニー発ーー興行界のことになると、オルバニーは普通はニュー・ヨーク、ロサンジェルス、シカゴ、ボストン、サン・フランシスコといった大都市と並ん で触れられることはない。

ところが、9月9日にピックス劇場は『ベーオウルフとグレンデル』の映画の米国における8都市の1つとしてデビューする。上映は午後2時である。入場料4 ドルに加えて、リン・ベントン・フード・シェアに寄付される缶詰1缶がつく。

多くの人が、「草の根」の努力といったことを口にするが、コーヴァリスのテレサ・スタウトと2人の友人はその言葉を独立映画の製作者たちのために生あるも のとした。

この映画は、アイスランドの厳しい天候の下で撮影されたのだが、スコットランド生まれの俳優ジェラード・バトラーがスカンジナヴィアの戦士ベーオウルフと して出演している。彼はデンマークのフロスガール王の民をグレンデルという名のトロールから救う。これは、7世紀から10世紀の間に書かれた英詩を基にし ている。

献身的なバトラー・ファンのスタウトとその友人がいなければ、この映画はカナダで短期間だけ利益を上げて、あとはヴィデオ店の棚に消えてしまったことだろ う。だが、女性たちが様々なウェブ・サイトでこの映画を売り込んだ努力により、米国の配給会社にもこれを採り上げさせた。

「これまで映画に対してこのような草の根のレベルの支援を経験したことはない」と監督のストゥーラ・ガナーソンはカナダのトロントからの電話インタヴュー で述べた。「彼女たちは大変な違いをもたらしてくれた。たゆみない努力をしてくれた。彼女たちのインターネットでの努力は興行成績に影響したことは疑いな い」

スタウトと友人たちはこの映画に大変「熱狂」し、これを見るために米国からのファンがカナダの劇場に押し寄せた。

「10回、15回、20回も観た人がいる」とガナーソンは言う。「実に信じられないことだ。学生たちがこれを観られるように、何百マイルも車を飛ばしてく る教師たちがいた。文字通り、人々はこれを観るためにバスをチャーターしたんだ」

これはカナダで4週間近く売り上げのトップだった。

デモクラット・ヘラルドで働くスタウトは、最近この映画のオープニングのためにロサンジェルスにいた。彼女はファンが鎖帷子を着て、戦士の格好をしてやっ て来たと言う。

「映画の一言一句を知っている人たちがいるんだ」とガナーソンは言う。この映画はことの始まりから完成まで7年かかり、わずかな予算で撮影された。これ は、カナダ・アイスランド・英国の会社と俳優とクルーが協力した賜物である。

スタウトは映画版の『オペラ座の怪人』を見て以来のジェラード・バトラーのファンである。「わたしは舞台を10回見ています」と彼女は言う。「彼があの役 をやったのを見て気に入りました。ファン・サイトをじっくり見て、もっと彼のことを知りました。彼には国際的なファンがいますが、ここ[米国] ではあまり受け入れられていません。だから、助けになりたいのです」

スタウトはウェブ・サイトを組織したことはなかったが、彼女と夫のケネスは飛び込んだ。仲間のベーオウルフ・ファンであるニュー・ヨーク州ロング・アイラ ンドのドナ・サンタニエッロと、オハイオ州クリーヴランドのサンドラ・サックと共に、彼女たちはオンラインで映画の売り込みを始めた。スタウトとサンタニ エッロは直に会ったことはない。

ウェブ・サイトは2005年6月に開設した。それ以来、この映画はトロント、サラソタ、シアトルの映画祭で売り切れている。

女性たちは国中の大学教授たちに1,600通もの e メールを送り、キャンパスでこの映画を上映したり、学生を連れて行くよう促している。スタウトのウェブ・サイトはwww.kenesa. にある。

com/beowulf-grendel.

この映画は、酷い言葉遣いとセックス、生々しい戦闘場面のためにR指定になっているので、親たちは気をつけるように。

ピックス劇場での映画の上映に引き続いて、ワイアッツ・イータリー&ブルーハウスで司会なしのディナーがある。

この映画はDVDで手に入り、www.amazon.com で予約を受け付けている。

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