Beowulf & Grendel
と
Monty Python And The Holy Grail
DVDのコメンタリで監督も触れていますが、この映画には所々『モンティパイソン・アン ド・ホーリー・グレイル』(以下MPHG)を意識したと思しい場面があります。ネタバレになるようなものでもないので、較べてみたいと思います。
1.勢ぞろいした戦士 / 騎士たち
館の前に出てきたベーオウルフたちが兜を被ってずらりと並んでいる場面です。
MPHG の方は、うまい写真が無いので、取り敢えずこれで代用です。
2. 岩壁の上下で喚き合う
岩壁をはさんで、まともに言葉の通じない敵と遣り取りするこの場面は、MPHGでフランス人の城にたどり着いたアーサー王の一行が城壁の上の見張りの騎士 と遣り取りしてバカにされる場面をもじっています。
こちら
に、 オリジナルの映画のその場面をアニメにしたものがあります。台詞はそのままです。
敵が ベーオウルフをバカにする場面も、ここから採られています。
更に、敵から物が投げられてくるところも、この場面のもじりでしょう。ちなみにこのお城はスコットランドのドゥーン城
Doune Castle (スターリング)で
14
世紀末に建てられ、
1580
年以来現在に 至るまで
Moray
伯爵の居城となっています。
MPHGは主にスコットランドで撮影され、様々な地が出てきます。この他に、
タイ湖 Loch Tay、
ストーカー 城 Castle Stalker
(湖の中の島にあるお城:
1540
年頃
Duncan Stewart
に よって建築され、ジェームズ4世の狩猟用に献上された
)、グレンコー
Glencoe、
スカイ島
Isle of Skye 、
キリン Killin, (
スターリング近郊)
、Sherriffmuir (
スターリング近郊)
、
アー ンホール城 Arnhall Castle
、
ブラックリムの瀧
Bracklim Falls
、
ラノッ クの曠野 Rannoch Moor
などがあります。
3. 岩陰から敵の様子を窺う
MPHGの最後の方で、アーサー王の一行が狂暴な殺人兎の洞穴の様子を岩の陰から窺っている所とそっくりです。
こ ちら
にその場面のヴィデオがあります。
4. 行進
ベーオウルフたちの騎馬行進のこの場面は、MPHGのもじりとまで言っていいのか確信がありませんが、こちらの場面を想起させます。アーサー王たちは馬に 乗っている
つもり
で す。手を見て下さい。手綱を持っている様子を表わ しているのです。
5.水の中を渡る
これももじりとは言えないでしょうが、ちょっと思いだしました。左はベーオウルフの登場場面です。右はアーサー王とベドゥヴィアが湖中の城を脱出してきた 所で、ほとんど終わり近くの場面です。始まりと終わりとで対照になっている感じです。