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2008 年5月8日

ジェラード・バトラーQ&A

少なくとも映画の中では、冒険とはジェラード・バトラーの血の中に存在するもののようだ。『トゥームレイダー2』『タイムライン』『サラマンダー』 『300<スリーハンドレッド>』とお手のもの。だが、スコットランド人の俳優は金曜に公開される『幸せの1ページ』(ニムの島)では1つの役どころか2 役をこなして、古き良きファミリー・エンターティンメントに手を染めた。これは、その俳優との1問1答である。

Q:あなたが映画で演じた2役、ジャックとアレックス・ローヴァーについて話してく ださい。

GB:ジャックは ニムのお父さんだ。彼は、変人で、この世で最も小さな物に情熱を燃やしている科学者だ。ジャックは隠棲して、誰にもどこにあるのか知られたくないこの島に 引きこもって、平和な生活を送れるようにした。ニムとジャックは素晴らしい関係にある。2人は親友なんだ。ジャックは一つ余計な冒険に乗り出してちょっと した困難に陥った。アレックス・ローヴァー自身は冒険家で、ジョディ・フォスターのアレクサンドラ・ローヴァーにとって分身として生きている。彼は、勇気 と動機とインスピレーションと良きユーモアの典型だ。

Q:どうしてあなたに両方の役を当てようということになったのですか?

GB:ぼくはどち らにもぴったり当てはまらなかったんだけど、一方の役にオファーがあった。すると、ぼくのエージェントが、「彼はそれはやらないかもしれないが、両方の役 はどうかって持ちかけてみたら、もっとその気にさせる提案だよ」と言ったんだ。そこで彼らは、「OK、そうしてみよう」と言った。それから、ぼくが脚本を 読んで、1人の人が両方の役をやることはこれをやる完璧なやり方で、ストーリーのファンタスティックな要素にもっと関わると思えたので、ぼくらはみんなそ れしかないって同意した。だから、その時にぼくは参加するって決めたんだ。

Q:両方の役をやるのはどのように苦労しましたか。同じ日に2役を入れ替わったりし ましたか?

GB:めったにな かったけど、どうしてもやらなくてはならない時もあった。約束してくれたんだ。いいかい、できる限り同じ日に両方の役をやることは避けるけど、ちょいと こっちに付け髭をつけたり、あっちの髪を抜いたりすることになる時も来るだろう! 日焼けを拭ったり、それからもっと日焼けしたり、あるいはカツラを着け たり外したりする時もあるだろう、ってね。実際に、両方の役をすり替わらなくてはならなかった時が一度あった。カツラを着けてジャックに変わり、カツラを 外してアレックス・ローヴァーに戻り、カツラを着け、まったく酷い目にあったよ!

Q:アレックス・ローヴァーみたいな冒険野郎を演じるのに、どのように取り組みまし たか。真面目に、それとも冗談半分にですか?

GB:まあ、両方 だね。不真面目な時も真剣な時もあった。たとえば、ニムを相手にする時とか、終わりの方でアレクサンドラを相手にする時に、あんまり親しく意味ありげに なった時があった。真面目なメッセージなんだけど、とても愉快なやり方で伝えられた。ジョディとぼくが一緒になってこうした役を始めた瞬間、ぼくたちは、 こういう風にやるべきなんだって気がついた。たいていは同じようにやるようにしているけど、そこにはユーモアがあって、あんまり重くしてはいけないという ことはわかるよね。その必要はないんだ。そのメッセージは軽くして伝えた方がいいんだ。

Q:それぞれの役で、特に気をつけたことをお話しください。

GB:一番気をつ けたのは、きちんと判断することだ。特に、2人の間で、あんまりコメディ的になって、これらの役を風刺的にしすぎないこと、それと同時に、あんまり重くし ないことだ。ジャックでは、海を相手にするだけだったと思う。オーストラリアでは冬だったんで、あそこでは冷たい風が吹いていて、1日中ずぶ濡れで立って いた時もあった――濡れてるなんてのじゃない――ずぶ濡れなんだ、ぼくがやっていた場面は海中にいる場面だったんだから。だから、文字通りぼくは水を滴ら せていた。水がぼくから落ちているのか、ぼくがボートの底の冷たい水の中に横になっているかだ。だって、[嵐に]壊されたばかりってことになっていたからね。凍える水の 中で横たわったり、海に飛び込んだりして長いこと過ごしたけど、凍えたよ。もちろん、ウェット・スーツとかを着けることはできなかったから、参ったね。一 部はスタジオでだけど、たとえスタジオでも、ただぼけっと坐っている時には、[華氏]100度[37.7℃] でもないかぎり濡れた服を着 ているほど酷いことはないね。たとえその温度でも、堪らないよ。海では、時々冷蔵庫にいるみたいな気がした。

Q:ジャックはなかなか修理が上手く、とても独立独歩です。あなたはその面ではいか がですか?

GB:どうしよう もないね。ぼくは決して海で遭難しない方が良いと思った。もし何かぼくに海で起きるとしたら、とても途方に暮れるだろう。死ぬことを恐れるのか、自分がど んなにどうしようもないかにただ当惑するのか、わからない。物を修理するのは得意じゃない。おかしなことだけど、子供の頃はそういうことがとても上手かっ たんだが、ある時点で止めてしまったに違いないね。

Q:ウォーター・セーリングにはかなり時間を費やしたことがありますか?

GB:実際はあん まりセーリングはしたことがない。ちょっとはやったことがあるし、オーストラリアにいた時、シドニー湾をみんなで回ったんだ。実に素敵な経験だったけど、 いや、海でやっていたことを知っているかというと、全然だね。

Q:あなたのキャラクターは極端から極端ですね。どうしてそうなのですか?

GB:映画を撮っ ている時いつも、ゆったりと坐って、なんてことに足を突っ込んだんだろう、って考えることに気がついた。突然自分のことを理解し、一体ここで何をやってい るんだろう、って思う時がある。正直に言うと、ぼくの人生でのぼくみたいなんだ。いつも、一体なんでこんなハメになったんだ、どうしてこんなことになった んだ、って思っている。いつも1日のうちのヘンテコなこと、一方から他方へとどれほど揺れ動いたかを見極めている。それが、この映画で起きていることなん だ。OK、今日は海で凍えるんだ。OK、今日はスタジオでジョディと一緒で、彼女を扉から引っ張り出そうとしている。OK、今日は蜘蛛に襲われる。OK、 今日は原住民の群れに連れて行かれる。OK、何でも良いから一番良いのを一杯くれ!ってね。

Q:この映画は、あなたの他の映画と較べて、あなたには全く異なるエネルギーでした か?

GB:そう。 『Dear フランキー』とか『P.S. アイ・ラヴ・ユー』みたいな映画をやったけど、ある点でぼくがより際立っているのは、もっと大きな、もっとマッチョな役だ。たくさんの違う役をやっている けど、300-グラディエーター式の映画が善かれ悪しかれ、みんなの記憶にこびりつくんだ。

Q:役者人生*においてお父さんではありませんが、アビゲイルとの良好な関係 はどのように発展させたのですか? それは大事でしたか?
 [* 原文では 'in role life' となっていますが、ここは 'real life' 「実際の人生」の方が意味が通るように思います]

GB:大事だった よ。でも、時には一番大事なことは、時には何かに取り組む必要がないと気がつくことだ。ぼくたちが付き合い始めた瞬間から、みごとに意気投合したんだ。文 字通り、この子に恋したよ。ぼくに娘が欲しいなと思わせるような子だよ。この子と1日中付き合っていられるよ。とても楽しく過ごした。ぼくの娘になれる。 友だちにもなれる。本当にクールだよ。初めて読み合わせをした時、監督のマーク・レヴィンが文字通り涙をぼろぼろこぼしていた。彼は、ぼくたちがこれを一 緒に読み合わせしているのを見て、とても嬉しかったんだ。ぼくたちが共にとてもすばらしかったからだって。

Q:アビゲイルと仕事をするのはどんなでした?

GB:彼女は、ぼ くが仕事を一緒にやって来た大人の半分よりも大人だね。しかも、同じ位に面白いんだ。ぼくの最終日に、アビゲイルはぼくのためにキャンバスに何かを描いて いた。とても綺麗で、すごく感動したよ。でも、それをぼくにくれた時、一部はまだ乾いていなくて、坐っていた時にぼくにこすれて、ズボンにそこら中絵の具 がついてしまった。でも、ぼくのためにこの絵を描いてくれたことは素晴らしいから、ぼくがだめにしてしまって、申し訳なかった!

Q:あなたは、アビゲイルのように、ペリカンやアザラシやアシカと仕事したのです か?

GB:やったよ。 でも彼女ほどじゃない。面白かったな。アシカは巨大で、アビゲイルの4倍はあった。近づいてみるまで、どれほど大きいかわかっていなかったんだ。すると、 もし連中がその気になれば、どれだけの危害を加えられるかわかる。ぼくは、ある場面で巨大なバッグを持ってやつらの方に走っていた。すると、こんな具合 だ。「OK、止まって、バッグを頭の上で振り回して、下ろして、アシカの隣に置いてくれる?」すると、ぼくは、もしそうしたら、こいつはぼくの頭を噛みち ぎるだろうな、と思っていたんだ! やつはこんなに大きくて、厄介で、ぬるぬるしていて、やつが自分の妹だと思うだろうようなこんな平らな物を持ってあい つに向かって来ている。そして、やつを追い回したら、多分ぼくの頭を喰いちぎりたいだろう。ペリカンには、自分の生き方がある。あれがどうするつもりかな んて、てんでわからない。ある場面をやったら、あれがぼくの脇じゃなくて後ろに飛んだ。文字通りぼくの後ろにいて、ぼくの耳をかじったかもしれなかった。 実際にはやつの体はぼくの体の後ろなんで見えないんだ。だから、彼が翼を持ち上げたら、文字通り、ぼくに翼が生えたみたいに見えた。人を噛み切るいまいま しいペリカンが後ろにいて、ある場面を演じるのは大変だよ!

Q:ジョディ・フォスターとはどのように仲良くやりましたか?

GB:実のとこ ろ、仲良くやるのは簡単だった。彼女の驚くべき才能を考えたら、あの女性はとてものんきだ。この映画で最も清々しいことの一つは、彼女がどれほどクール か、ちっとも支配的でないし、コントロールしようとせず、ただ流れるがままにまかせるということに気がついたことだ。それはぼくにとっては仕事をするのに 最高の空間だよ。だから、ぼくたちはたちまち馬があって、一緒に素晴らしい仕事をしたし、彼女と仕事をしてとてもくつろいだ気分だ。そして、これはぼくた ちが色々な場面をやり始めて、「すごい!」って感じだったことの一つだよ。

Q:で、あなたは弁護士としての訓練を受けていましたが、結局は俳優に落ち着きまし た。どうしてそういうことになったのですか?

GB:多分間違っ た経歴に進んで、酒の問題を起こして、20語以内で全部説明するとしたら、夢を追って、それでも大変なものだよ! ぼくはいつだって演劇をしたいんだって わかっていたんだけど、司法修習が先になって、それからぼくの人生で物事が狂い始め、ぼくについての決定が下され、ロンドンに引っ越して、運良く2つの機 会を得た。映画に踏み込み、ロスでマネジャーを得て、2年後にはデビューし、そこからはただうまくいったんだ。

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