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どんちゃん騒ぎの時代はお終い、とジェラード・バトラーが明かす

2008 年4月1日
リック・フルトン

ハリウッドは、『300』で演技の才能――と驚くべき腹筋――を示したジェラード・バトラーを得ようとやっきになっている。しかし、彼は生国のスコットラ ンドでは人に気がつかれずに通りを歩くことができる。

それは間違いなく、このハンサムな俳優が彼のこれまでのところ最大の2つの映画で面をまとっているからだ。

38歳の彼は2004年の『オペラ座の怪人』の映画版で仮面の主人公として批評家をわかせた。

その後、彼の顔は2006年の『300』でレオニダス王を演じるために被った戦士の兜に隠された。

しかし、それでジェラードは止まらなかった。グラスゴーで生まれペイズリーで育ち、様々な役を積み重ね、ロスで最もホットなスコットランド人としてジェイ ムズ・マカヴォイに次ぐまでになった。

最近のロマンチック・コメディ『P.S. アイ・ラヴ・ユー』の後、彼はジョディ・フォスターと『ミス・サンシャイン』のアビゲイル・ブレスリンと共に、ファミリー映画『ニムの島』では、アクショ ン・ヒーローをひっくり返した、辺鄙な所に住む父親として大画面でヒットを飛ばそうとしている。

彼は、ガイ・リッチーの新しいロンドンのギャング映画 RocknRolla にも出ていて、また27歳のドレス美人キャサリン・ハイグルと The Ugly Truth で共演するし、ブライアン・デ・パルマの The Untachables: Capone Rising にも出る。

すると、この引っ張りだこのスターが故郷では群衆の中の1人にすぎないというのは何ともおかしなことだ。

彼はにやっとした。「おかしなことに、スコットランドでは、みんなはぼくが誰だか知っていると思うのに、みんなハリウッドで頑張っているスコットランドの 奴としか見ないんだよ」

「クリスマスにグラスゴーに戻って通りを歩いていたけど、一度も気がつかれなかった」

彼の大役を冗談にしながらこう付け加えた。「仮面をつけてみたのに、まだ誰も気がつかないんだよ。がっかりしたね」

少なくとも、気がついてもらえないからといって、彼の故郷に対する思いは損なわれたりはしていない。

現在、故郷を出てロサンジェルスとニュー・ヨークで暮らしている彼はとうとうと話した。「スコットランドというのは魔法の経験だよ。

「あそこに行って信じられないような体験をした世界中のとてもたくさんの人を知っているよ。

「それは、とても長いこと残るんだ。だって、魔法の歴史的な地だからね。

「行く所がとてもたくさんある。ハイランド中、そして西海岸の沖には、ごつごつした海岸線と岩だらけの所と諸島が混じり合っている――それから、メキシコ 湾流のお陰でヤシの木もある。とっても美しい国だ」

「その新鮮さとまだ人の手が入っていない感じが懐かしい、それと、それがどれほど脳裏を離れないか、どれほど魂の中にこびりついているか、もね」

このスコットランド人のタフ・ガイは、その口調からすると、少し参っているようだ。

だが、初恋と法律でつまづいた後演技に転向した男の人生で、それが唯一の変化ではない。

ジェラードはグラスゴー大学を卒業し、法律事務所で修習生の地位に就いた――それから、彼が夜遅くまでどんちゃん騒ぎをし、二日酔いになるのにうんざりし た 上司が彼をクビにした。

人生を変えるよう拍車をかけられ、彼はロンドンへ向かった。

彼は禁酒しただけではなく、1996年に『トレイン・スポッティング』の翻案の舞台で主役のレントンを手に入れた。それが今度は、『クイーン・ヴィクトリ ア/至上の恋』でビリー・コノリーの相手役という映画への突破口となった。

ジェラードは語る。「ぼくは人生でたくさんどんちゃん騒ぎをしてきた。今はもう酒は飲んでいない。何年も前にやめた。もう止める時だったんだけど、あの頃 はほんとうにたくさん楽しいことがあった。

「ロンドンに移ってからやめたんだ。スコットランドにいる間はやめるのは難しかった。あそこには、友だちのほとんどがいたからね。

「やつらに禁酒するって言ったら、笑い始めたよ。

「やつらはそれを面白がって、こう言ったんだ。『でもお前が酔っぱらっている時が大好きさ』ってね。

車をぶっつけ、建物から飛び降り、喧嘩をし――自分の体に火をつけようとまでしたんだ。そういうのが大好きなんだ」

対照的に、最近のジェラードは、暴れ回るよりも仕事漬けの日々だ。

彼は言う。「若い頃は、もっと出歩いた。今は、もっと仕事をしている――そして、それはハードだとわかった。

「よく1日16時間働くんだ。クレージーだよね。ノン・ストップで働いているよ。

「たいてい朝5時に始まって、夜9時頃まで家に帰らない。それからベッドに一直線だよ。

「もしそんな最中に夜出歩いたら、死人も同然さ。1週間酷い目に遭う」

この清潔な生き方は、ジェラードの最近の戦いにも火をつけた――数ヶ月前に禁煙し、それがなかなか大変だということを認めている。

月並みなセレブの道をたどって、スターたちの導師ディーパク・チョプラとのヨガを通じて救いを見つけた。

ジェラードは語る。「あれこれやったんだけど、最終的に効果があったのは催眠療法で、それからチョプラ・センターに行った――実際、ディーパク・チョプラ の所へ行ったんだ。

「彼と彼の書いたものが好きなんで、そこへ行って、2週間瞑想し、学問的に瞑想を学び、ヨガをして、パーフェクト・ヘルスというコースをやった。

「ぼくがタバコを吸った理由の多くは、とても緊張して、自分を忙しくしている必要があったからなんだ。

「ぼくはとてもペースの早い、すごくストレスの多い人生を送ってきて、いつも忙しい。

「リラックスしなくてはならない場所に行くと、『ただ何もしないでこの浜辺に坐っているじゃないか』って叫ぶ絶え間なくぶちぶち言う声がするっていうのが ぼくの経験だったんだ。

「それは辛いと思った。2日くらいならいいんだけど、それから『何かしなくちゃ』って感じだ。チョプラ・センターにいると、いろんな活動をするので、タバ コが必要なかった」

今彼はその悪魔を征服しようとしている。おそらく、ジェラードは気持ちをロマンスに向けるだろう。

しかし、そんなにもたくさんの仕事を抱えて、彼は『300』で勝ち得たファンの群れの誰かを口説く暇もないと強調する。

「ぼくがまだみごとな体型かどうか目にした子はいないよ。

「将来見ることがあるかもしれないけど、君が言うような方法で見せびらかしてはいない」

だが、恋愛関係にないということに時々苦しむと認める。

「いつだって、報いがあるものじゃないの?

「忙しくして、素晴らしい時を過ごしている。それから、立ち止まって考えるんだ。『ちょっと待てよ。こんなに働いていたら、本当にどんな恋愛のチャンスも ないじゃないか』ってね。

『トゥーム・レイダ−2』でアンジェリーナ・ジョリーに、『P.S. アイ・ラヴ・ユー』でヒラリー・スワンクにキスをした俳優は、彼の胸がときめくイメージに話が向くと、それを大変な冗談にとった。

鏡を見て、自分がセックス・シンボルであることを喜ぶかと訊かれると、彼は冗談を言った。「ぼくは2歳の時からそうしているよ」

「撮影中は、セックス・シンボルみたいには感じない。仕事をしていると感じる。

「すてきな讃辞だけど、そういうことにあんまりとらわれたくないね、だって、それを目標に演技を始めた訳じゃないんだから。

「男の中のセクシーってのがどういうものか本当にまるでわからないんだ。

「女性が何をセクシーと思うかにびっくりするよ。どうして男のストリップがセクシーなのか想像もつかない。

「男のするどういうことがセクシーなのかわからないね。

「自分のセクシーさについて考えるというのは、答えるのが難しい質問だよ」

もちろん、スターとして――また、社交のために出歩かないらしい人として――ジェラードにとっては結婚の意向をもった女性を見つけるのは難しいことなのだ ろう。

来月『ニムの島』が、10月にはRocknRolla が公開される予定の今、ジェラードは彼への注目度が高まったことで、長年の懸案だったロバート・バーンズの映画の製作にすぐにも入れたらと願っている。

おそらく、スコットランドでの仕事に戻ることで、彼はついに故郷で認められるかもしれない・・・そして、完璧な女性を見つけるかもしれない。

『ニムの島』は5月2日公開される。

「クリスマスに、グラスゴーに戻ったら、仮面をつけても気がつかれないんだよ。がっかりしたな」

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