1990年代以来着実なキャリアを重ねては来たが、スコットランド人の俳優ジェラード・バトラーは、2007年の戦争叙事詩『300
<スリーハンドレッド>』において名声を射止めた。
しかしながら、映画のキャリアはバトラーがグラスゴー大学法学部に入った時には生じていなかった。自分が選んだ職業にみじめな気持ちで、いつも役者になり
たいと思い、舞台に転向し[シェイクスピアの]『コリ
オレイナス*
』とはやりの英国映画『トレインスポッティング』の舞台版に出演した。
*原文では 'Cotiolanus' と綴りが間違っています。正しくは 'Coriolanus' です。
1997年の『ヴィクトリア/至上の恋』で映画デビューを果たした。これは、ジュディ・ディンチとビリー・コノリーが主演し、夫のアルバートが亡くなった
後のヴィクトリア女王と従僕のジョン・ブラウンの関係を追っている。
最初の映画の大役は『ドラキュリア』で訪れた。パトリック・ルシエ監督、ウェス・クレイブン製作で、ドラキュラ/イスカリオテのユダの役だった。
マーカス(オマー・エップス)とソリーナ(ジェニファー・エスポジート)が率いるハイテクのギャング団が、お宝を見つけようとロンドンの中心に深く埋めら
れた地下金庫室に押し入る。
代わりに彼らは古き災いを蘇らせてしまった――伝説のドラキュラ伯爵(ジェラード・バトラー)その人であリ、彼はエイブラハム・ヴァン・ヘルシング博士に
よって食い止められるまで、1世紀前の英国を恐怖に陥れていた。
今やドラキュラは、現代のニュー・オーリンズに向かい、メアリー・ヘラー(ジャスティン・ワデル)を追跡する。彼女は、訳のわからない夢につきまとわれて
いる無垢な若い女性である。
現在ドラキュラを管理しているマシュー・ヴァン・ヘルシング(クリストファー・プラマー)は、アシスタントのサイモン(ジョニー・リー・ミラー)の助けを
借りて伯爵を追跡しなくてはならない。しかし同時に、吸血鬼の新たな犠牲者たちにも対処しなくてはならないのだ。彼らは、じきに血に飢えて死者から蘇る。
ドラキュラがメアリーを誘惑して新たな恐怖支配を始める前に食い止めることができるのか、それとも過去の秘密が彼を永遠に破滅させる鍵を握るのか。
彼[ジェリー]は、次の2年間テレビや映画で仕事
をし、『トゥームレイダー 2』でアンジェリーナ・ジョリーの相手役としてテリー・シェリダンの役を得た。
恐れを知らぬ英国人の考古学者ララ・クロフト(アンジェリーナ・ジョリー)は、おそらく歴史上最も重要な考古学上の発見をした。神話のパンドラの箱に結び
つく珠(オーブ)である。
あいにく、珠はジョナサン・ライス(キアラン・ハインズ)の手に落ちた。彼は殺人ウイルスを取引し、[パンドラの]箱の秘密を究極の武器として売ろうともくろむ邪
悪な科学者である。
英国諜報部に、珠をライスから取り戻すよう説き伏せられて、ララは、傭兵に転向した英国海兵であり、元恋人のテリー・シェリダン(ジェラード・バトラー)
の協力を求める。
2人は珠を取り戻そうと、何大陸にもわたる冒険に乗り出す。
この映画は世界中で1億5,600万ドルの総売上があったが、アメリカではたったの6,500万ドルにしかならなかった。1億ドルの予算で、批評家に不評
だったため、この映画は期待した成功を収めなかった。
『Dear
フランキー』はバトラーにとって、ロサンゼルスIFP/ウエスト映画祭で最優秀国際映画賞を含めて、相次いで受賞候補になったり受賞するという成功を収め
た。
『Dear フランキー』は9歳のフランキーと、彼が物心ついて以来引っ越してばかりいる母リジーの心温まる、またしばしばユーモラスな物語である。
息子に真実を隠すために、リジーはフランキーの好奇心を満たすお話を作り出す。彼女は、エキゾティックな国々を航海して働く架空の父からの手紙を定期的に
フランキーに書く。
だが、リジーはじきに「父」の船が数日後に到着することを知る。今やリジーはフランキーに真実を話すか、完璧な父親を演じてくれる赤の他人を見つけるとい
う向こう見ずな計画を実行するかを選ばなくてはならない。
しかし、この俳優[ジェリー]の飛躍のきっかけと
なる役は、2007年にザック・スナイダーがフランク・ミラーのグラフィック・ノベル『300』を採り上げたことで訪れた。
ジェラード・バトラーは古代スパルタ王レオニダスを演じる。スパルタはその戦士哲学で名高く、ペルシアのクセルクセス(『ロスト』のロドリゴ・サントロ)
の要求に屈する気はない。
代わりに、レオニダスはクセルクセスの数百万の軍に対して、300人の精鋭軍を率いる。一方、彼の妻(レナ・ヘディ*)はスパルタで裏切り者のセロン(ドミニク・ウエスト)と角突
き合わせながら、スパルタのために援軍を送るようにと運動する。
*原文では 'Headley'
と綴りが間違っています。正しくは 'Headey' です。
『300』は3月では最高の公開週末の売り上げ7,000万ドル以上を記録する大ヒットとなり、それまでの『アイスエイジ』の持っていた記録を破った。
この映画は、国際的な興行成績では、4億5,600万ドルを超える総売上となった。
レオニダス王としてのバトラーの転機以来、この俳優は引っ張りだこで、『P.S.
アイラブユー』や公開を待つガイ・リッチーの『ロックンローラ』で主演している。
最新のプロジェクト『幸せの1ページ [邦題]』
(ニムの島)で、バトラーはジャック・ルソーとアレックス・ローヴァーの2役を演じる。
幼い少女の想像力に支配される魔法の場所、ニムの島ではどんなことだって起きる。
彼女のお気に入りの文学上のキャラクターで、世界一の冒険家アレックス・ローヴァーがそれを映し出す存在である。
しかし、ローヴァーの本の作者アレクサンドラは、大都市で引きこもりの生活を送っている。
ニムの父が島から行方不明になると、運命のもつれが彼女をアレクサンドラと出会わせる。
今や2人は、架空の英雄アレックス・ローヴァーから勇気を引き出し、ニムの島を征服する力を互いの中に見出さなくてはならない。
『幸せの1ページ』は[英国では]5月2日に公開
される。