Première 2008年2月号(フランス)
(こ
の和訳は元の仏文から訳したもので、英訳から二重に和訳したものではありません。英文は解説的な部分が付け加わっているので、フランス語の原文と付き合わ
せて参考にしました。)[参考英訳:チャンタル・ランバート at GBnet. ]
ジェラード・バトラー電話インタ
ヴュー
『300』でペルシャの大軍を輪切
りにした後、フランス人御ひいきのスパルタ人はロマンティック・コメディをやって、ヒラリー・スワンクの亡くなった夫を演じている。
もしもし?
Première
:もし間違っていたら
止めていただきたいのですが、
『P.S.アイ・ラヴ・ユー』では、映画を通じてあなたはずっとヒラリー・スワンクの頭の中に現れ、彼女は夫の死を受け入れられず、あなたをいつも自分の
マンションの中に見てしまいますね。
ジェ
ラード・バトラー:ぼ
くは最初のシーンではまだ生きている機
会があるんだよ・・・。
P:そこで口には出せないようなことを何か見ました
か?
GB:彼女の頭の中に? ものすごい才能を見たよ!
P:セットに彼女が得たオスカーを2つとも抱えてき
ましたか?
GB:ああ。すごくいらつくよ(笑)。いいや、まじめ
な話、彼女はけっしてそんなことはしな
いよ。とても気品があるからね。代わりに、彼女はいつも犬と、時には鳥のミッチを連れてきた。ヒラリーはあなたやぼくみたいな人間だけれども、並外れた女
優だということがわかるよ。
P:ジェリーという名の亡くなった人を演じるのは
ちょっと変な気がしませんか? あなたの
呼び名と同じですから・・・。
GB:実を言うと、撮影中他の俳優が名前を間違えない
んで助かったよ! この人物とはかなり
の共通点があって、アイルランド出身のとても飾り気のない奴だ。映画の中で身につけている服やアクセサリーはほとんどぼくのものだよ。
P:彼のように、あなたはロック・スターだったので
すよね・・・。
GB:プロとして音楽をやったことはないけど、うん、
何年も前にバンドで演奏していたことは
ある。弁護士になる勉強をしていた時だ。
P:昼間は弁護士、夜はロック・スター・・・ほとん
ど映画そのままじゃないですか。
GB:信じてくれよ、ぼくの人生から何本もの映画がで
きるよ! だけど、まさにそんな風だっ
たんだ。法律事務所で見習いとして働いていて、そこの弁護士の一人がギタリストで、ぼくが歌う曲を書いた。やはり弁護士のもう一人の仲間が加わった。気が
ついてみたら、
ロック・スターになろうとしている弁
護士ばかりで構成されたバンドができて
いた。
P:バンドの名前はなんといったのですか?
GB:スピードだ(笑)。
P:採算が取れるよう、『300』のために何ヶ月も
の訓練と筋力トレーニングに耐えたわけ
ですが、契約にあなたが今後出演する映画ごとに上半身を見せるということを明記した条項を入れさせますか?
GB:いいや、それにぼく自身はその反対のことを要求
しようと思うね! それでぼくは随分と
制約を免れるんだ。ぼくはジムに生まれついた訳じゃない、ぼくの言いたいことがわかればだけど・・・。でも、『300』のような映画のために訓練しなくて
はならないなら、骨が痛むまでやるさ。撮影に先立って、一種の超人的な力を身につけ、その出所はまったくもってわからないんだけど、まるで取り憑かれたみ
たいにダンベルを押し上げていた。吐き気を催すまで剣術の振り付けを繰り返し、撮影の合間には続けて50回も腕立て伏せをしていた・・・どうかしてるね。
P:・・・撮影の合間に?
GB:そう、本当にスパルタ人らしく見えるようにした
かったんだ、スパルタ人を演じている役
者ではなくね。でももう今は、スポーツ・ジムを見ただけで吐き気がする。
P:アメリカの劇場で『300』の第1週の週末の大
勝利のとき、どのくらいの電話を受けま
したか?
GB:およそ400のメールと150の電話を受けた。
映画の成功をじっくりと味わう代わり
に、その週末はどこにも電話できなかったんでストレスが溜まったよ! ぼくの人生で出会った人がその日はそれぞれに受話器を取ったんじゃないかと思うね。
そんな経験はこれまでしたことがないし、これからもないだろうね。
P:あれ以来、ハリウッドでのあなたの評価は急上昇
していますね。『ニュー・ヨーク
1997』のリメイクのような企画が、あなたの名前と関わって上がっています。そんな状況の中で冷静でいることは困難ですか?
GB:目の前のことから目を離さず、身の回りで起きて
いることに耳を傾けてはいけない。いず
れにしても、自分の名に乗っかっている映画は演じるための新しい映画でしかないんだ。もっと状況を制御しなくてはならない、自分のキャリアは自分の望むよ
うに作ることができる。だから、『ニュー・ヨーク1997』のリメイクのセットから去ったんだ。あの映画はぼくが望んでいたような展開にはならなかったか
ら、やめることを選んだ。ぼくには100%信じられない企画は断ることができる機会がある。それは大変な贅沢だよ。
P:今晩はどちらで夕食をとりますか?
GB:『P.S.
アイ・ラヴ・ユー』プレミアの前祝いだ。そして、多分その後は地獄でね(笑)。