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2008 年9月12日

ジェラード・バトラー インタヴュー、 RocknRolla、 トロント2008

ジェラード・バトラーは、ガイ・リッチーのRocknRolla [以下RnR]のイメージキャラクターとなって いるが、実は彼はパイの一切れにすぎない。しかもたまたま彼は、例のスパルタ人についての小映画で主演するというおまけ付きの成果までもっている一切れ だったのだ。だから今や、事実上彼は共演することになるあらゆる映画の「顔」だということになる。

彼は、RnR の映画で金回りの悪い犯罪者ワン・ツーとして実に堅実な演技を見せている。そして、中部アメリカで抑圧の限界から自由になろうともがくホモセクシュアルの 役を演じようと決心するのでない限りは*、これが 『300』でのレオニダス王とは正反対の極みであろう。以下の彼とのインタヴューを良く読んで、なぜただ単にオルガスムのふりをできないのかを知っていた だきたい。
*『ブロークバック・マウンテン』(2005) のことであろう。

Q:どうしてガ イ・リッチーの映画に出たいと思ったのですか?

ぼくはいつも、「ガイ・リッチー」というのはその名前にすばらしい精気があると思っていたんだ。リッチー、わからないな。ガイ。短くて、感じがいい。「そ んな名前と仕事したいな」って思った。それと、脚本を読んだんだ・・・ぼくはかなり生真面目なものを2つやっていた。こういうものに出くわしたら、「大い に笑かしてくれるじゃん」って思うんだ。クレージーで、熱狂的で、面白い。それから、明らかにすごいキャストだった。ぼくは、この映画に一番最後にキャス ティングされたうちの一人だったと思う。

実際に、ストーリー中のもっととっぴょうしもないいくつかの要素は本当の話だということがわかった。たとえば、ハンサム・ボブがぼくに恋していると認めた りとかね。「わあ、なんてすごいアイディアだろう」って思ったら、ガイが「いや、それは実際にターボに起きたことなんだ」と言うんだよ。ターボは彼の共同 脚本家の1人なんだ。ぼくにとっては、そしてそれは完璧な例なんだけど、それはガイ・リッチーが成長しているということなんだ。彼は人生についてもっと広 い視野を持っていて、自分の女性的な面に気がついて、労働者のパブや暗黒街と同じように、今では会議室や舞踏場にも入っていくことができるんだ。

Q:映画の中に5秒くらいのすごく短い「セックスのないセックス・シーン」がありま す。あなたが撮ったらもっとありますか、それともいつでもそんな風に計画されますか?

それは病気になるっていうんだ。ぼくは具合が悪かったんで、その場で間に合わせにやったことなんだよ。いいかい、ぼくは他の人のことは気にかけないし、そ れでもあれをやっただろうね。(笑い)実際、あれは心身症の神経過敏だったんだと思う。実際、セックス・シーンをやって、しかも陳腐にならないようにする にはどうするか、っていうようなものだ。後で考えると、わざと病気になったんじゃないかって思うよ。良い映画を作るためなら、なんだってするさ。

ガイがぼくたちにそれぞれ別々にベッドで悶えて、オルガスムに達っするようにと言ったとき、ぼくは文字通り部屋の中を走り回って、飛び跳ねて「できない!  できない!」と言っていた。すごく困ったんだよ。文字通り「カメラに顔を入れて来てくれ」ってな感じだった。「ぼくの人生で初めて、あまりにきまりが悪 すぎて何もできないって言わなくてはならないのかもしれない」って思っていたんだ。タンディはそのシーンについて何度もすごく話していた・・・あれを表す のに、すごく話していたっていうのは良い言葉じゃないかもしれないな。

Q:では、本番はできないけど、他の男とスロー・ダンスをするのは問題ない?

この映画では、いくつか簡単じゃないことをしなくてはならなかった。面白かったし、愉快だったけど、またとても困ったんだ。「オーケー、ここから出してく れ」って気分の時が何回かあった。タンディとのダンス・シーンとかね。ぼくたちはそれをやるのに、午後一杯かほぼ一日かかったんだ。

Q:ガイ・リッチーのセットでは、たくさん即興でやるんですか?

あるシーンで台詞を言い終わると、普通は「そうだろ?」とか何とか付け加えるよね。ガイ・リッチーの映画では、それはうまくいかないこと に気がつくんだ。話をするんだけど、どこかぶっきらぼうな所とか、あるリズムがある。文の終わりまで来ると、何か付け加えたくなるかもしれないけど、上手 く行かないって気がつくようになるんだ。

Q:あの喧嘩の場面を振り付けるのはどんなふうでした?

面白いよ。このことをこの間ガイと話していたんだ。多くの人が気に入る場面は、スクリーンに会話がない所で、大々的な長い追跡とか戦いのシーンなんだ。そ れは彼の書いたこととは何も関係ないし、ぼくの演技とも関係ないというのは面白いね。気の触れた連中みたいにただ走り回っている。ぼくは一日中、フェンス を飛び越えたり、あの線路を行ったり来たりして走っていた。いつもあちこちでぶつかりあっているけど、それは主要なことじゃなかった。

こいつらをぶん殴ったり、ナイフで刺したり、マシンガンで撃ったりできるけど、やつらは死なないという追跡シーンをやるっていう考えを彼は持っていた。彼 らはただ延々とやって来るんだ。その考えは実際恐ろしい考えだけど、また楽しい! 最初書かれた時は、ぼくの仲間が金を持ってそのシーンで消えてしまい、 男たちがぼくを追いかけ続け、ぼくには「何でおれなんだよ?」っていうような台詞があったんだ。でも切ってしまった。また、ぼくがジムで走っているシーン もあるよ。で、それでぼくはランナーということになるんだけど、それも切ってしまった。

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