Scotsman
2006
年10月2日
バーンズのどんちゃん騒ぎに対抗して、イングランド人はシェークスピアの
日を設けようという詩人同士の戦い
エバン・ハーレル
・シェークスピアを称える特別な日が4月23日に導入される見込みである
・この日はまた偶然にも聖ジョージの日でもある
基調:「シェークスピアはイングランドにそびえ立つ文学上の人物であ
り、彼の生涯と作品を祝うことは何であれ勧められるべきである」ーーテッサ・ジョェル、文化次官
詳細
「失われしものを称えることは、その思い出を大切なものとする」とウィリアム・シェークスピアは断言したーーだが、イングランドで1番知られている詩人が
その名誉を称えて名付けられた祝日を持つことになるのを手助けするのは、結局は1人のスコットランド人かもしれないのだ。
首相の座を狙っていると下馬評に上がっているジョン・リードはイングランドでのシェークスピアの祝日の提案を支持している。それは、故郷でのバーンズ・ナ
イトの人気に対抗することを期待しているのだ。
その日を祝うのにふさわしいのではないかと思われるものは、国中の開催地で牛のローストをすることだーーハギスを基本としたバーンズ・サパーにヒントを得
ている。
記念日は4月23日になるだろう。それは、1564年のシェークスピアの誕生日であり、また1616年に亡くなったとされている日である。この日はまた、
イングランドの守護聖人聖ジョージのお祝いの日でもある。
その日には、シェークスピアの戯曲や詩の朗読と併せて、芝居の特別上演も含まれよう。衆目の選ぶ所は、おそらく『リチャード2世』におけるこの詩人のイン
グランドらしさの絶賛である「このもう1つのエデン、小楽園・・・この祝福されし地、この大地、この国土、このイングランド」であろう。
リード氏は同僚に、特にシェークスピアのイングランドらしさが彼の作品の中心をなしているというのに、イングランドにはどうしてバーンズ・ナイトにあた
るものがないのか彼には「理解できない」と述べた。
しかし、その提案はリード氏がイングランドの有権者の心を惹きつけようとのものだという皮肉な見方をする人もいる。
最近の世論調査によると、イングランドの多くの人はスコットランド人の国会議員というものに反対していて、トニー・ブレアに代わる人気のゴードン・ブラウ
ンは、彼のイングランド支持の立場を鮮明にする多くの動きを見せているーー彼のお気に入りのゴールはユーロ96のイングランド対スコットランドのポール・
ガスコインのものだという言明も含まれている。
文化次官のテッサ・ジョェルもこの考えを支持し、こう言った。
「シェークスピアはイングランドにそびえ立つ文学上の人物であり、彼の生涯と作品を祝うことは何でも勧められるべきである」
バーンズ同盟の前会長デイヴィッド・スミスは、「詩人[シェークスピア]
のサパー」はスコットランドに暮らすイングランド人の間での人気を証明するだろうと言った。
彼はこう述べた。「スコットランドには、思いきってそれをやるのが嬉しいイングランド人がたくさんいる。だが、生まれついてのスコットランド人がシェーク
スピアを好きになることはまあないだろうね」
先週、ホーリールード [エジンバラにあるスコットランドでの女王の居城] のスコットランド国会議員たちは、[11月30日の]
聖アンドリューの祝日をスコットランドにおける祝日にしようという動きを支持した。
スコットランド民族党のスコットランド国会議員マイケル・マテソンは、シェークスピアの祝日はイングランドに限られるべきであると述べた。
「これはすばらしいアイディアだと思う。だが、もし(国会議員が)シェークスピアの祝日を制定し、それをスコットランドに押し付けることが出来ると思って
いるなら、間違っている」と彼は述べた。
詩人[シェークスピア] 対バーンズ
生涯
シェークスピア:1564〜1616
バーンズ:1759〜1796 -- シェークスピアの200年後に生きた
文学的な時代
シェークスピア:ルネサンス
バーンズ:ロマン派
作品数
シェークスピア:戯曲37、ソネット154、長詩3編
バーンズ:559編の歌と詩
*訳注:英語では、大文字で 'the Bard' 「詩人」というと、シェークスピアのことを指します。'The Bard of
Avon'「エイヴォンの詩人」'the (sweet) Swan of Avon'「エイヴォンの(麗しき)白鳥」とも言います。