ECLIPSEはD.S.M.(三菱とクライスラーの各半額出資した自動車製造会社、ダイヤモンド・スター・モータース)で製造された三菱ブランド向けセクレタリー・カー。北米で社会的に自立した女性のための車、秘書カーです。WRC(世界ラリー選手権)で活躍したE30系ギャランをベースにした直線的なデザインのD20系でデビューし、ギャランがE50系にモデルチェンジしてD30系へ移行しました。。
日本が円高で大騒ぎの時にD32A(クーペ)が輸入されたので、当時はマニュアル車(230ps)が「世界最高出力FF車」という他に「1日100ドルレンタル(1ドルが85円とか80円とかの時代です)」というのを三菱レンタカーで実施したので、一部では話題になりました。またECLIPSE
SPYDERというオープンカーも登場、電動幌の開閉時間の短さ(12秒だったかな)や低速(30km/hまで)なら走行中でも開閉可能、本革シートの採用などお手軽な輸入オープンカーとして好評を博し、限定で何度か登場しましたが、その後カタログモデルになりました。
その後D.S.M.はクライスラーの経営不振により三菱100%出資の子会社化され、M.M.M.A.(米国三菱自動車製造)となりましたが、日本経済も円安に向かうとともに悪化し、三菱はこのモデルを限りに日本での輸入販売を辞めてしまいました。昔の三菱はストラーダ(タイの現地生産車)やカリスマ(ボルボと共同出資したオランダのNed
Carで製造された三菱ブランド向けヨーロッパ戦略車、一時はWRCで活躍するランエボをカリスマGTとして登録していました)、マグナ・ワゴン(日本名ディアマンテ・ワゴン、オーストラリア製)とか輸入車も多かったのに。しかし本国ではモデルチェンジ直前のECLIPSEですが、最近になって輸入再開の話題が出ています。残念ながらSPYDERだけで台数も限定になるようですが、三菱のニューモデル投入がしばらくないため、イメージリーダー的な役割を担うようです。
D20系のときは日本でもFF・NAと4WD・TURBOがあったけど、D32AはFF・TURBOのみです。本国アメリカではGR、GSというFF・NA、GS−Tという日本仕様のベース車(FF・TURBO)、GSXという4WD・TURBOがあるんだけど、日本仕様は販売台数が見込めないからかグレードは1つだけ(寒冷地仕様も標準で、選べるのはミッションだけ)で、ベース車からサンルーフレス、インフィニティ高級オーディオレス、タイヤ・ホイールサイズダウン、カラーラインアップ縮小などのコストダウンによってバーゲンしましたが、結果は...。皆さんがどのくらい見かけるか、それが答えでしょう。
D32A J-Spec ドアミラー付け根の下の逆三角形デカールがないけど(^_^;)
J-Specは道交法改正によりチューニングカー市場が拡大し、新車ディーラーでパーツ装着が出来る自動車メーカー直系のチューニングカー・メーカー(nismoやmazda speedなど)の台頭に三菱も乗った形で、全国100台限定で登場しました。変更点は20ミリダウンコイル(F5kg・R3kgで純正より20%堅いもの)+4段階減衰力調整式ガスダンパー、225/50 R16ミシュラン パイロットSX+RALLI ARTアルミ、RALLI ARTマフラー(105φ)、J-Specデカールというオリジナル品の他、純正オプションのフロントコーナー・スポイラー、カーボン調パネルを装備して新車価格に15万円プラスで販売されました。
J-Specは限定100台という稀少さの前に宣伝不足がたたって完売できず、売れ残ったパーツがセットまたは単独でとあるショップにより販売されたというマイナー車です。何せごく一部の雑誌に一度だけひっそりと1ページの広告が出ただけです。ぼくはその広告が気になり、すぐにいくつかのディーラーに問い合わせましたが、どこも知らなかった(^_^;)ディーラーにも三菱からFAXが1枚届いただけみたいなので、それも当然という気もしますが。そんな車なのに実はうちの、2台目なんです。