|
|
皐月賞の出走権を賭けて3歳馬の精鋭が集まり,本番と同じ距離・コースで争われる弥生賞は,
3月に行われるJRAの重賞の中でも特に注目したいレースです.
しかしこの時期は天候にたたられることも多く,
1989(平成元)年の弥生賞も大変な事態になってしまいました.
このレースの1番人気がサクラホクトオーで,
1歳上の半兄はダービー馬のサクラチヨノオー(父:マルゼンスキー,
5代血統表は
こちら),
サクラホクトオー自身も前年の朝日杯3歳S(現在の朝日杯フューチュリティS)を勝っていたのですから,
単枠指定(人気が予想される馬に対し,その枠番にはその馬1頭しか入れないようにすること),
単勝オッズ1.4倍の支持も当然でした.
しかし,この日は朝からの大雨で不良馬場となり,
芝コースのはずなのに,まるで水の浮いたダートコースのようになってしまいました.
サクラホクトオーは大跳びでスピードのある走りが持ち味なのですが,
泥だらけの不良馬場ではそのスピードを生かすことはできません.
さらに不運なことに,
サクラホクトオーと同じトウショウボーイ産駒は重馬場を苦手とする馬が多かったのです.
向正面で追走に苦労しているサクラホクトオーの姿がターフビジョンに大映しになると,
スタンドからは悲鳴にも近い声が上がりました.
結局サクラホクトオーは16頭立ての12着と大敗し,
この敗戦でやる気をなくしたのか,皐月賞19着,ダービー9着とさんざんな成績で春のクラシックを終えました.
一方この年の弥生賞で優勝したのはレインボーアンバー(5代血統表は
こちら),
重馬場を得意とする産駒が多いアンバーシャダイを父に持つ馬でした.
また2着のワンダーナルビー(5代血統表は
こちら)はスタミナ豊富な血統で,
力のいる馬場にも対応できたといえます.
血統研究もたまには馬券に役に立つということですね.