現金(げんなま)に体を張れ



現金に体を張れ

原題 The Killing

制作 1956年(アメリカ)

監督 スタンリー・キューブリック

出演


スターリング・ヘイドン
コリーン・グレイ
ビンス・エドワーズ

DVD

GXBD-17216
(20世紀フォックス)


キューブリックの映画というと「難解」というイメージが強いのですが, 「現金に体を張れ」は,刑務所を出たばかりの男が仲間を集めて競馬場の売上金強奪をたくらむが, 仲間の裏切りによって計画が次々に破綻し...という,ストーリーとしては単純なものです.

しかし中身はさすがキューブリック,一筋縄ではいきません.
ナレーションを使ったドキュメンタリーのような手法,スピーディな話の展開, 時間経過を前後させる複雑な構成,シニカルなラストなど, 40年以上も前の映画とは思えない斬新さが今でも感じられます.
ちょっとしたシーンやエピソードにもひねりの利いた映画ですが, 私が一番印象に残っているのは,幸運の象徴である「蹄鉄」が, 不幸な結末への引き金になるところ.思わずうーんとうなってしまいました.

また,実際のレースシーンが随所に出てきて, 1950年代のアメリカ競馬の雰囲気が味わえます.
スターティングゲートを馬がひっぱるシーンが出てきますが(現在は自動車で引いています), 昔は馬が引いてたのか...と変なところに感心したり,競馬ファンにも見所満載です.

でも競馬場を混乱させるために本命馬を銃撃するのはちょっと...
馬を撃つのはかんべんしてください.

(2003年9月)



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