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今年初めに公開されて話題になった,吉永小百合出演111本目の映画です.
舞台は明治初めの北海道・静内.
四国から移住してきた開拓団が酷寒の大地で苦難に立ち向かう...と,
無理やり一言で説明するとこうなるんですが,
開拓団が移住せざるを得なかった歴史的背景とか,
劇中のイナゴ大襲来の場面は,
明治13年に十勝地方でトノサマバッタが大発生し,
農作物に大損害を与えた史実を元にしているとか,
なかなか奥の深い映画です.
とりあえず馬がたくさん出てきて,劇中でも重要な役割を果たしています. 吉永小百合演ずる志乃は牧場で馬を生産しているんですが, 志乃に牧場経営を指導したのがエドウィン・ダンというアメリカ人で, 明治政府から依頼されて北海道で畜産の指導をした実在の人物です.
このエドウィン・ダン氏は,実は競馬の父でもあります.
競馬場施設の設計を行ったり,競走馬・種牡馬を輸入したり育成したりと,
私もこの映画を見るまではまったく知らなかったのですが,
現在の日本競馬の基礎を作ったと言ってもいいほどの功績を残しています.
いろいろ勉強させてもらったすばらしい映画なんですが,
ずーっと疑問に思っていることが一つ.
この映画のタイトルは「きたのぜろねん」と読むようですが,
『零』は“ゼロ”ではなくて“レイ”と読むんじゃないでしょうか.
だって“ゼロ”って英語じゃん.
ツッコミついでに,映画の英語のタイトルは“YEAR ONE IN THE NORTH”です.
直訳したら『北の1年』,零年じゃないだろ!!
(2005年7月)