SINCE 2005-10-26
UPDATE 2005-11-06
#COBC

「ワンビちゃん」の使い方
Usage of "One bit channel port interface"


▲「BD アダプタ」を中継し,ねずみのおもちゃに接続した例。
パソコン制御で,ちょっと動かしたねずみだけブレてます。

もくじ→

● 概要

 「ワンビちゃん」とは,“One bit channel port interface”のこと。「1個の機器でいいから,簡単にコンピュータ制御する方法はないか」といった発想から考え出しました。
 電源が要らないので,コンピュータと制御対象機器を「ほぼ直結」するような感覚で使えます。また,使い方によっては「専用ソフト」も不要。Windows に付属しているソフトで代用可能。もちろん,専用の制御ソフトの制作も容易。簡単にカスタマイズできるよう,作者が制作した専用制御ソフトも公開します。

特徴
  • 「入手法」は,このページの下部→「ワンビちゃん」入手法
  • 電源不要で,コンピュータに使えるポートがある場合は,ほぼ直結して「スイッチ」として機能します
    ポートがない場合も,¥3,000〜¥5,000 程度で市販されている USB 用アダプタが使用可。
  • 「モーメンタリ」動作の場合は,Windows 付属のソフトで制御可能
    「モーメンタリ」とは,「キーを押している間だけオンとなる」動作。
  • 専用ソフトを使うことで,「オルタネイト」や「タイマー」動作なども可能
    「オルタネイト」とは,キーを押す度にオン/オフが切り替わる動作。専用ソフトも,このサイトで公開。
  • 制限事項→「注意」の項参照。


● 応用


● 注意


● 使い方

◆ 準備

  

 パソコンの使える「シリアルポート」に,「ワンビちゃん」を接続します。「シリアルポート」とは,右上図のような接続です。たいていは,パソコンの「背面」に設置されています。接続できるポートがない場合は,市販の「USB→シリアルポート・アダプタ」などを接続して確保したうえで,そこに接続します。

参照 →ポート使用可否確認の方法〈USB でのポート増設の方法〉

 「ワンビちゃん」と制御したい対象機器を接続し,機器側は直ぐに動作できるような状態にしておきます。もしこの時点で対象機器が動き始めてしまうような場合は,「ワンビちゃん」と対象機器の接続の極性を逆にします。
 なお,この時点で動いていなくても極性が逆になっている可能性があります。接続する機器によって異なるので,うまく動作しない時は,その可能性も考えてください。
 右下図のタイプの「ワンビちゃん」では,2つに分岐しているプラグの「極性」が異なっています。片方を制御対象機器に接続してうまく動作しなかった場合は,もう片方に接続しなおして使います。


◆ Windows 付属ソフトでの使用(確認)法

 「ワンビちゃん」は,専用のソフトでなくても,Windows に標準で付属している「ハイパーターミナル」というソフトで使うこともできます。この場合は「モーメンタリ(キーを押して文字入力されている時だけオンになる)」動作になります。また接続した「シリアルポート」の確認をすることができるので,後述の「専用ソフト」を使う時のカスタマイズ前に試しておくといいでしょう。前項「準備」が終わっている状態で,以下の手順で操作してください。

  1. 「ハイパーターミナル」を起動する
  2. 接続方法で「Com? にダイレクト」を選択
  3. キーを押して反応をみます
    うまく動作しない場合は 2. に戻って別のポートを指定します
  4. 終了時


1. 「ハイパーターミナル」を起動する

 「スタート・メニュー > プログラム > アクセサリ > 通信 > ハイパーターミナル > HYPERTERM」の順にメニューをたどります。ただし「通信」や「ハイパーターミナル」の項目がない場合は,「コントロール・パネル > アプリケーションの追加と削除 > Windows ファイル」の順にたどり,「ファイルの種類」ボックス内の「□ 通信」をクリックして[詳細]ボタンを押し,その中の「□ ハイパーターミナル」にチェックを入れ,[OK]を押していきます(「□ 通信」をチェックしても可)。これによって「ハイパーターミナル」メニュー項目がインストールされるので,改めて「スタート・メニュー」からたどります。なお,インストールには Windows CD-ROM が必要になる場合があります。

 初期画面ののち,「名前を入力し,アイコンを選んでください。」などと出ます。適当なアイコンを選択し,「ワンビチャン」などと名前をつけておきます。「ワンビちゃん」を複数使用する場合は,操作対象機器……たとえば「エアコンのリモコン電源」とか,「呼び出しベル」などの名前にするといいでしょう。
 適当な名前を入力すると,「電話番号の情報を入力してください」といった画面が出ますが,もちろん電話をかける必要はありません。ここではまず「接続方法」の項目を「Com? にダイレクト」に指定すると,「電話番号」などの項目は指定する必要はなくなります。「Com?」を何にするかは,次項を参照してください。
 もし「名前を入力し,アイコンを選んでください。」の画面で [ESC] または [キャンセル] を押した場合は,「ファイルメニュー > プロパティ」を選択し,「接続方法」の設定項目画面を出してから,次項に進んでください。


2. 接続方法で「Com? にダイレクト」を選択

 「接続方法」の項目指定で「Com? へダイレクト」(? は数字)のどれかを選びます。この「Com?」が,「シリアルポート」の名前です。順次変更しながら「ワンビちゃん」が動作するポートを見つけます。適当に決めて [OK] を押してください。
 もしここで「Com? のプロパティ」などといった画面が表示されたら,[OK] を押してください。

 また,「Com? を開けません」といったメッセージが出た場合は,別のポートを指定するか,あるいは使えるはずのポートでそうなった場合は,何か別のソフト……留守番電話やデジカメ,スキャナ読取装置や,もう1つの「ワンビちゃん」などが動作していないか確認し,不要であれば終了させて,該当ポートを指定しなおします。


3. キーを押して反応をみます

 
▲ 「モデム」が接続されているポートの例

 “ATI4”と入力してみます。ここでカーソル位置に「ATI4」という文字が現れない場合は,「ワンビちゃん」が接続されていないポートである可能性があります。また,直後に [ENTER] キーを押して「××MODEM……」などといった意味ありげな文が現れた場合,そのポートは「モデム」に使われています(図参照)。この表示が出たら,入力した「ATI4」という文字が表示されていてもいなくても,別のポートを選ぶ必要があります。「ファイルメニュー > プロパティ」を選択して「接続方法」の項目設定画面を出し,手順 2. に戻ります。
 なお,使われていないポートは何の反応もないので,この方法で「何も接続されていないポート」の確認ができます。後述のソフトの操作性だけを試したい時,そのポート名を指定することでチェックできます。

 「ワンビちゃん」が正しく接続されているポートであれば,入力した文字だけがそのまま表示されます。つまり,“ATI4”と入力すると,「ATI4」と表示され,[Enter] を押すと,カーソルが行頭に移動し,入力していない文字は一切表示されません。そして,キー入力をする度に,「ワンビちゃん」に接続した機器が動作するはずです。
 押しっぱなしにして連続入力すると,接続した機器も連続して動作します。なお,この「連続」具合いは,「コントロール・パネル > キーボード」の「表示までの待ち時間」や「表示の間隔」の設定,あるいは「コントロール・パネル > ユーザー補助 > キーボード」の設定などが影響します。たとえば,「キーを押しっぱなしでゆっくり反復入力が起こる」ような設定では,断続的な動作になります。適宜調整してお使いください。
 その辺りの設定を調整しても希望する動作が得られない場合は,後述の→「専用ソフト」をお使いください。

 もし「ワンビちゃん」に故障がなく,正しく接続できているのにどのポートも動作しない場合は「ポートが正しく機能していない」可能性があります。→「ポート使用可否確認の方法」を参照してください。


4. 終了時

 終了しようとすると,「切断しますか」などと聞いてきます。ここは[はい]で構いません。そのあと「セッション ×× を保存しますか」と聞いてくることがあります。ここで[はい]を選択すると,最初につけた名前……たとえば「ワンビちゃん」という名前で「ハイパーターミナル」の接続として保存されます。保存先は,Windows 98 では,以下のフォルダです。(まず「マイ・コンピュータ > ××(C:)」からたどります)

C:\Program Files\Accessories\HyperTerminal

ここに,たとえば「ワンビちゃん.ht」といったファイルができます。
 次回からその「保存したファイル」を開くようにすると,最後に設定したポート「Com?」が採用されます。同じ箇所への接続での使用であれば,前述までの調査は不要になります。


◆ 専用ソフトを使用する場合

 「専用ソフト」では GUI を提供します。たとえば,ご用意したソフトでは,以下のようなスイッチの画像をマウスでクリックすることで機能します。なお,使用者の好みの画像で使うこともできます。

オルタネイト・スイッチ
   
モーメンタリ・スイッチ
 また,Windows 付属のソフト「ハイパーターミナル」使用時は,「オン」の状態は「キー入力タイミングの設定」に左右されますが,このソフトでは無関係です。

 専用ソフトで使う場合も,最初は事前に→「Windows 付属ソフトでの使用(確認)法」で,使うポート(名)を確認しておきます。

「ワンビちゃん」専用ソフト………… COBC02C.ZIP (24KB, Ver.2: 2005-11-06)

 上記ファイルをダウンロードし,適当なフォルダに解凍します。
 最初に設定されているポートは“COM2”です。これ以外のポートで使う場合は,「定義ファイル(…….props)」を変更してご使用ください(→「設定変更の方法」)。
 下記4つのファイルが,実行ファイルです。使う目的に合った動作をするものを実行してください。(“.com”部分は表示されない場合があります)

実行ファイル動作定義ファイル

OBCAlt.com
オルタネイト動作
押す(クリックする)度に,オン/オフが切り替わります。
OBCAlt.props

OBCMom.com
モーメンタリ動作
押し(クリックし)ている間だけ,オンになります。
OBCMom.props

OBCTim.com
タイマー動作
押す(クリックする)と,一定時間だけオンになります。
初期値は 10 秒。変更可能。
OBCTim.props

BitChan.com
定義ファイルをドロップ,またはパラメータとして起動することで,その定義ファイルの設定の動作になります。単独で起動すると「モーメンタリ動作」と同じ。
なし(任意)

 もし右のような表示が出たら,ポートの指定が違っているか,あるいはポートが別のソフトで使われている可能性があります。実行中のソフトを確認したり,また前項→「Windows 付属ソフトでの使用(確認)法」などで,接続ポート名を確認してください。

 なお,このソフトを使っても思いどおりの動作をしない場合,特に「止まり方」が不自然な時は,プラグの極性が反対である可能性がありますので,極性を逆にしてお試しください。


◎ 設定変更の方法

 「ワードパッド」などのテキストを編集するソフトで,上記「定義ファイル」にある …….props のファイルを編集,あるいは新たに作成することで,独自の動作や表示をさせることができます。ここでは,タイマーを例に示します。

  1.  「ワードパッド」を起動し,「ファイルメニュー > 開く…」を選択し,該当のファイル(タイマーの場合 OBCTim.props)を指定します。 「ワードパッド」は,「スタートメニュー > プログラム > アクセサリ」の中です。また「メモ帳(NotePad)」で編集できなくもないですが,正しく「改行」されず,以下の各項目がつながって表示される可能性があります。
  2.  以下のような画面が出ます。赤い文字部分が変更可能です。なお,順序と値は必ずしもこのとおりではありません。=(イコール)記号の左右の対応に注目してご覧ください。
  3. #BitControllFrame
    #Sun Oct 23 23:22:19 GMT+09:00 2005
    name=Timer Switch(10)
    operation=BitChannelTimer
    positionY=54
    indicator=SandTimerIndicator
    positionX=128
    sizeY=335
    sizeX=108
    seconds=10
    

  4.  諸設定の項目名と意味の対応は,以下の通り。
    項目名意味
    name タイトル・バーに表示される名前。現在のことろ,漢字不可。
    operation 「ワンビちゃん」の動きを決定する JAVA クラスの名前。
    indicator表示に使用する JAVA クラスの名前。
    port 機能させたい「ワンビちゃん」が接続されているポート名。
    省略すると“COM2”が採用されます。
    positionX表示する画面上の横位置。
    positionY表示する画面上の縦位置。
    sizeX表示する横の大きさ。
    sizeY表示する縦の大きさ。
    seconds「タイマー」動作で,オンにする時間(秒)。
    imageOff「オフ」の時に表示する画像のファイル名。
    imageOn「オン」の時に表示する画像のファイル名。

     たとえば“COM1”ポートに接続,30 秒間オンのタイマー動作をさせたい場合は,以下のようなファイルにします。赤い部分が元の OBCTim.props からの変更箇所です。そして保存する時,必ず「ファイルの種類」を「テキスト・ドキュメント」にします。「書式情報が失われる……」云々のメッセージは,[はい]を押します。
    #BitControllFrame
    #Sun Oct 23 23:22:19 GMT+09:00 2005
    name=Timer Switch(30)
    operation=BitChannelTimer
    positionY=54
    indicator=SandTimerIndicator
    positionX=128
    sizeY=335
    sizeX=108
    seconds=30
    port=COM1
    

     もしこの「ポート名」に,何も接続されていないポートを指定して使っても,とりあえず作者の環境 Windows 98 では無害であることを確認しています。またポート名として“port=NUL”と指定すると,使えるポートがなくてもソフトだけ動作します。これらの方法で,「ワンビちゃん」入手前に,ソフトの操作性だけ事前に確認することができます。
  5.  なお,この「タイマー」の例では「画像ファイル」の指定はできませんが,「オルタネイト」または「モーメンタリ」で使う場合は,imageOff および imageOn の項目に適当なファイル名を指定することで,好みの画像で機能させることができます。画像を指定した際は,画像の大きさに合わせて sizeX と sizeY も指定しておくといいでしょう。

  6.  変更後,該当する「実行ファイル」を起動します。OBCTim.porps ファイルに上書き保存した場合は,OBCTim.com を実行します。
     独自のファイル名で保存した場合は,そのファイルを「BitChan.com」という実行ファイルに「ドラッグ・ドロップ」することで,その設定で起動されます。
     なお,port と seconds の指定は,次回以降の起動にも引き継がれますので,接続や時間を変えて使うことがない限り,再編集する必要はありません。
     また,該当する実効ファイルの「ショートカット」を,「スタート・メニュー > プログラム > スタートアップ」に入れておくと,パソコン起動時から使うことができます。任意名の定義ファイルも,BitChan.com のショートカットのプロパティを編集して指定することができますが,ここでは詳細は省略します。
  7.  キーボードから実行する時は,まずそのファイルのあるフォルダがアクティブな(フォーカスのある)状態で「スタート・メニュー > ファイル名を指定して実行」を選択します。そして「名前」の項目に“COMMAND”と入力して [Enter] キーを押します。すると,通称「DOS 窓」といわれる黒い窓が表示されます。たとえば「sample.props」という名前でファイルを保存した場合は,以下のように打ち込んで [Enter] キーを押します。赤い文字部分が入力文字です。また“……”の部分は,ファイルのあるフォルダ名になります。
    C:\……\……\……>BitChan sample.porps              
    

     上記「入力文字列」を,フルパス名で C:\AUTOEXEC.BAT 内に記述しておくと,パソコン起動時から「ワンビちゃん」が使えるようになります。が,こちらも詳細は省略します。

● 事前の「使い勝手」検証

 ソフトの操作性だけ事前に確認したい場合は,以下のいずれかの方法をお試しください。ポート名の指定のし方は,→設定変更の方法 の項を参照。



● うまく動作しない場合


● ポート使用可否確認の方法

 使えるポートがあるかどうかは,「デバイス・マネージャ」の画面で確認できます。その画面は,「マイ・コンピュータ」で右クリックして「プロパティ」を表示させると,「デバイス・マネージャ」タブか,XP の場合は「ハードウエア」タブの中に[デバイス・マネージャ]ボタンがあります。なお「コントロール・パネル」の「システム」を開いても同じです。
 下の図の“通信ポート(COM?)”というところが,「ワンビちゃん」の接続に使う「シリアルポート」です。この表示がない場合,あるいは,あっても図のように×印がある場合には,コネクタがあっても使えません。その場合は,BIOS(バイオス)や,Windows の「ハードウエア」の設定で,その使用が「無効」になっている可能性があります。

 単純に Windows の設定で「使用不可」になっている時は,以下の図を参考にして「デバイス・マネージャ」を操作し,使えるようにしてください。

 接続コネクタはあるのに,このポートの表示がないような場合,あるいは,この操作をしても使えるようにならない場合は,BIOS によって使用不可になっている可能性があり,パソコンのハードウエアの設定をいじる必要があります。多くは Windows 起動前に,その機種特有の操作が必要になりますので,そのパソコンの説明書を参照しながら,設定してください。事情が分からない方は,分かる人にしてもらったほうがいいでしょう。



● 「ワンビちゃん」入手法

 2005-10-26 現在,以下の条件で,ご希望の方に製作してさしあげております。詳しいことは開発者:石川までお問い合わせください。


● 更新履歴

2005-10-26
◆ 初版。
2005-10-29
◆ ソフトが GUI である旨と,画像のサンプル追録。
2005-11-06
◆ ソフト更新(COBC02C.ZIP)。「環境のためのメモリが足りません」が繰り返される不具合回避……したつもり。
◆ XP での「デバイス・マネージャ」表示方法を少し詳しく。
◆ ポート名“NUL”によるソフトの事前検証方法。
◆ ショートカットによってパソコン起動時からソフトを機能させる方法。


● サイト主催者(お問い合わせ先)

石川 雅章   © ISHIKAWA Masaaki, 2005
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