SCOTSMAN
2007年7月28日

自称「ターツ」(尻軽女)の一団に追われるスター
マーティン・マクラフリン

彼はハリウッドのスーパースターかもしれないが、多くのスコットランド人はジェラード・バトラーを見分けるのに苦労するだろう。

しかし、この俳優にはその献身が止まる所を知らない国際的な女性の大軍がある。

彼女たちは自分たちを「ターツ」と呼び、来週300人以上が実に奇妙な巡礼のためにスコットランドにやって来る。

グラスゴーのチップ店からインヴァークライドの海辺の一連の場面まで、彼女たちの旅にはいくつかの不可解な行脚が含まれる。

だがターツは気に懸けない。彼女たちはジェリーの名においてどこにでも行き、何でもする。

バトラーの国際的なファン・サイトの規模は奇妙に映るかもしれない。大ヒットした『300』に主演してはいても、彼はショーン・コネリー卿やユアン・マグ レガーのような注目を集めてはいない。しかし、その数が数千に上り、10代の少女から会社の管理職まで各世代各階級に渡っているターツにとっては、その魅 力は何ものにも換えがたいものなのだ。

スコットランドへの旅で、彼女たちはこの俳優が人格形成期を過ごした場所を訪れ、バトラーの映画ファンがとりわけ慈しんでいる『Dear フランキー』のロケ地へ行く。

バレモに本拠を置くブルー・バッジ・ツアー・ガイドのモラグ・ダンバーは、来週の活動に準備万端でいる。昨年彼女は最初の『Dear フランキー』ツアーを企画した。今年は、グラスゴーのトロンゲート地区にある元チップ店を含んだ、もっと多くの撮影地を訪れる。

ターツと関わった経験があっても、彼女の不信の念は消え去っていない。「なんて言ったら良いかしら? 彼女たちを笑いものにしているとは思われたくないん だけど、だって、みんなとてもとてもいい人たちで、慈善のために素晴らしいことをしているの。

「でも、絶対にわたしがツアー・ガイドとして主催した一番風変わりな催しよ。何回見たか思い出せないくらい『Dear フランキー』のDVDを見なくてはならなかったの」

そのツアーは火曜日に、バトラーが法学の学位を得たグラスゴー大学を皮切りに、彼が育ったペイズリーへと続く。

そこから、ターツは『Dear フランキー』の舞台の多くであるインヴァークライドへ向い、そこではオーヴァートン・ウォーター・トリートメント・ワークスやクライド湾を見下ろす高台、 グリノックのマーガレット通りのアパート、グラスゴー港のはずれの干潟、バッテリー公園のベンチなどが含まれる。

できてから6年間で、ファンの主たるウエブ・サイトであるwww.gerard-butler.netはバトラーの心に近しい大義名分のために10万ポン ド以上を集めた。

ターツは自分たちの旅が排出するもの [Co2] に気を配り、カレドニア [スコットランドのラテン語 名] の森に2千本以上の植林に向けて、自然保護チャリティのトゥリーズ・フォ−・ライフに1万ポンド以上を集めた。

昨年37歳のバトラーは彼のファンのためにヴィデオ・メッセージを録画し、電話を通じて彼女たちに話しかけた。彼の母マーガレット・バトラーと継父アレッ クス・コールを含む家族が来賓であった。

2007年の催しの立案者たちは、ターツにどのような思い掛けないことを用意しているか固く口を閉ざしている。

バークシャーのデビ・マクミランは日曜から始まり土曜まで続く旅程の計画を監督している。

彼女は、自宅近くにある彼が [『オペラ座の怪人』の] 撮影をしていたパインウッド・スタジオ にバースデーカードを送った。自宅の電話番号を入れておいたが、彼が連絡してくることはあり得ないだろうと思っていた。1ヶ月後、バトラーが彼女に感謝の 電話をしてきた。

バトラーは公にすることを望まないが、そういう電話はよくある。瀕死の母親を看取っていたある女性に、この俳優はクリスマスに電話して、ちょっと元気づけ る言葉を与えた。

マクミランさんは言う。「彼は驚くべき人です。そして、わたしたちはみな、彼からそのような力を得ているのです」

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