バー
ンズの愛の遍歴映画、俳優のスパルタ人としての成功で息を吹き返す
Scotland on Sunday
2007
年3月25日
ブライアン・ペンドリー
スコットランドの国民的詩人は、かつて作られた中でも最も血みどろの映画に死後の借りを作った。
2,500年前の少数のスパルタ派遣軍と膨大なペルシャ軍との戦いを脚色した映画『300』のとてつもない成功は、何年もの間ロバート・バーンズの映画で
企業投資家に敗け戦をしてきた詩人と製作者にとっては福音である。
関係者は、礼儀正しいスコットランド社会を憤慨させた詩人の性の遍歴に焦点を当てた脚本を褒めちぎり、ジョニー・デップが主役に関心を示したと伝えられ
た。
製作者たちは結局ジェラード・バトラーを選び出し、彼は去る2001年にその役を演じるよう公式な働き掛けを受け、3年前にカンヌ映画祭で公式に決まっ
た。
しかし、彼らは18世紀のスコットランドの詩人の映画に必要な500万ポンドを、いつも期待はずれの映画のスターでは集めることが出来なかったーー『オペ
ラ座の怪人』の大型予算の大画面版を含めて。
'Burns'という営業用のタイトルを付けたこの映画は、昨年公式に「棚上げ」とされた。ところが、バトラーがスパルタ人の英雄レオニダスを主演してい
る『300』の成功を受けて再び浮上し、動き出した。『300』は世界中で大ヒット作の1位にランクインし、10日間で1億ポンドを売り上げ、この週末に
英国でも公開された。
グラスゴー生まれの37歳のバトラーには今高額のハリウッドの申し込みが殺到しており、「バーンズ」の企画からはとっとと去ってしまえたことだろう。しか
し先週、彼はまだこの映画に充分傾倒しているということをはっきりさせた。
「ジェリーがまだ出たいと思っている企画だ」と彼の広報担当のルパート・ファウラーは述べた。
彼が改めて確約したことは映画製作者には驚くべきことではなかった。「彼にとっては情熱を傾ける企画なんだ」と製作者のアンドリュー・ボズウェルは述べ
た。「彼はその役を演じるために生まれついたと考えている。我々も同様に思っている」
製作者たちは脚本を引っ張り出してきて、来年映画を撮影し、2009年のバーンズの生誕250年記念に合わせて公開しようと、財政的支援を捜している。
映画はバーンズの私生活、彼の突然の成功、エジンバラで受けた名士としての扱いに焦点を当てる。
映画『ロブ・ロイ』のスコットランド人の脚本家アラン・シャープは言う。「天才的詩人を特に採り上げたものじゃない。詩を脚色するのは難しい。大都会に出
てきて奔放に振る舞う田舎の若者についてのものだ・・・彼は色気違いみたいなものだった」
映画は彼の一連の女性関係を描く。ジーン・アーマーはエア州の娘で彼の妻になった、悲劇的なハイランドのメアリーとは一緒にジャマイカで新生活を送ろうと
計画し、エジンバラ社交界の女主人アグネス・マクルホーズは詩人へのラブ・レターではクラリンダという名を用い、彼女の召使いジェニー・クロウはバーンズ
との間に息子をもうけた。
ボズウェルは『300』が「バーンズ」の制作に役立つのではないかと期待していると述べた。製作者はこう付け加えた。「だれにとってもすばらしいニュース
で、特にジェラード・バトラーにとってはそうだ。この企画にとってためになるし、何ら不都合なことはないだろう」
修正された予算は、少なくとも500万ポンドとなろう。
過去に資金調達に大変な苦労を重ねてきたので、今回は誰一人軽々しいことは言っていない。
ボズウェルは言う。「映画の資金調達市場次第だし、この映画が実現するかどうかは他の者たちの決定にかかっている。我々にできることは、最も魅力的な体裁
を整え、可能な限り最善の方法で宣伝することだ」
ジュリア・スタイルズがジェーン・アーマーを演じることになっていて、キャスリーン・マクダーモットはジェニー・クロウとして名が挙がっており、他のス
コットランド人の俳優たちも役に名乗りを上げている。『ザ・バトル・オブ・ブリテン』[未公開]
から『ブレイブハート』や『トレインスポッテイング』まで幅広い評判をとっているヴェテランの性格俳優ジェイムズ・コズモが製作者としても俳優としても中
心人物となっており、ブライアン・コックスとジョン・ハナもこの映画への出演を決めている。
ロバート・バーンズ世界連盟の名誉会長でスポークスマンでもあるマード・モリソンは、この映画が再び軌道に乗るというニュースを歓迎し、バーンズの愛の遍
歴に焦点を当てることについては何の不安も抱いてはいない。
「それはまっとうなことだし、完全に容認できる。バーンズ連盟としてただ1つお願いしたいことは、映画が史実に沿ったものであるようにということだ。そう
いった性格のものでは、「ブレイブハート」化して、時と事件と歴史が何もかもごっちゃになりやすいからだ」とモリソンは述べた。