ジェリーに学ぶ 英語の言い回し
Let's learn English phrases from Gerry's statements and films!
ジェリーの発言を聞いたり読んだりしていると、なかなか学校ではあまり習わないような言い回しがたくさん出てくる。
だけど、じつはこうした簡単な単語だけから成る言い回しこそが日常必要なんだよ。
簡単な短い単語とは、日本語でいえば大和言葉に当たる英語本来のアングロ・サクソン(ゲルマン系)の言葉なんだ。
そこで、ここではジェリーの発言や映画の中の台詞から、そうした言い回しを少しずつ取り上げていこう。
新聞・雑誌・インタヴューより 
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『オペラ座の怪人』より
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『ロックンローラ』 より
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新聞・雑誌・インタヴューより
*
It was a pretty close call.
(2012年1月6日、BBC の
The Graham Norton Show
で Of Men and Mavericks の
撮影中に大波にさらわれたことについて語った)
close
call「危機一髪,
九死に一生を得ること」
(本当に死にかけたんだよ、かなりヤバかったんだよ)
*This movie is about
the
lengths that
we go to
protect the ones we love and the dramatic and bittersweet
consquences. (
Dear Frankie
について、2005年1月6日。日本版DVDに付属のジェリーのコメント)
go to (any / great /
all) lengths to do「〜するためにはどんなことでもする」= do what one can do.
(この映画は、どれほどのことを愛する者を守るためにするかということと、劇的でほろ苦い結末の物語です)
*They were couldn't believe it and were
over the moon. (Daily
Record、
2010
年4月5日)
over the
moon「大喜びして、有頂天になって」
(二人は信じられなくて、大喜びしてくれたんだ)
*If I was
going
out with Jennifer, I'd be
more than happy to say that I'm
going
out
with Jennifer.(Just Jared、
2010
年4月2日)
go out 「(異性と)付き合う、出歩く」
(もしぼくがジェニファーと付き合っているなら、ジェニファーと付き合っていると言うこと程嬉しいことはないよ)
'If I was' は現在の事実に反することを仮定している言い方だね。つまり、実際には付き合ってはいないということだ。
*But I don't want to
blow my
own trumpet. (The Vancouver Sun
イ
ンタヴュー、
2010
年3月22日)
blow one's own
trumpet「自慢する、自画自賛する」[主
に英国で]
(でも、ぼくは自慢するつもりはないよ)
文字通りには「ラッパを吹く」ってことだね。
*I've done four movies
in a row now.(BBC News インタヴュー、
2010
年3月19日)
in a row「立て続けに、連続して」
(今立て続けに4本の映画をやったんだ)
*I've been kidnapped by Johnny Knoxville and Seann William Scott
so they can get their
pot of gold. (MTV、
2010
年3月17日)
the pot of gold at the
end of the rainbow「手の届かない大金、報酬」
虹の端まで行けば金の壷が手に入るという古い話からきている。
(大金が手に入るようにと、ぼくはJKと SWS に誘拐されたんだ)
*They
land
themselves
in a bit of trouble. (MTV、
2010
年3月17日)
land in 「(〜の状態に)陥る」
(やつらはちょっと面倒なことになった)
*'I’
m
too
wrapped
up
in myself...' (Men's Journal、
2010
年4月号)
be wrapped (up) in
〜「〜に夢中になっている、〜に専念している、〜に没頭している」
(ぼくは自分のことにかまけすぎるんだよ)
*'So one night our family had to flee
head-over-heels to Canada.'
(showbiz spy、
2009
年12月16日)
head-over-heels
「急いで、あわてふ ためいて、せわしなく」
(そこで、ぼくの家族はある晩あたふたとカナダに夜逃げしたんだ)
『オペラ座の怪人』 より
*
Drink
it
in,
drink it
up. [マスカレード]
drink
in「(美しさなどに)うっとりする、見とれる、(言葉などに)熱心に聞き入る、(印象などを)深く感受する」
drink
up「(普通は命令文で)飲み干す」
ここでは、仮面舞踏会の絢爛たる様を「うっとりと味わい、堪能しなさい」ということだね。
*
Did you think that I had left you for good?
[赤い死]
for good = forever「永遠に」
(わたしが永遠にいなくなったと思ったのかね?)
『ロックンローラ』 より
*
Hold on. [あちこちの電話場面で]
Hold
on「(電話を)切らずにそのままで待つ」
*You should have drown
the cat
instead of
letting it
out. [ワン・ツーがハンサム・ボブに告られて、車の外
でわめいている場 面]
これはこのまま文字通りに訳すと「猫を出す代わりに溺れさせるべきだった」ということで、ワンツーが何を言っているのか訳がわからない
ね。でも、字幕に はたしか「秘密にしておけ」とかなっていたよね。どうしてそうなるんだろう。
じつは、これは
'let the
cat out of the bag' 「〜の秘密をうっかりもらす」という言い回しを踏まえているんだ。これは、袋に入れた猫を豚と称し
て売ったことから来 ているそうだ。豚と
言っているそばから、猫が袋から出てきてバレちゃったんだろうね。だから、上のワンツーの台詞は、猫が出てきて秘密がバレないように溺れ
させてしまえ、っ てことから字幕のような訳になるわけだ。
同様な表現に '
spill the beans'(文字通りには、「豆をこぼす」)という言い方もあるよ。
それから、'should have 〜' というのは、過去にそうすべきだったのにしなかった、ということを表している。
*I
went
over the top a bit. [上記の場面の後、車に戻ったワンツーがボブに謝っている場面]
go over the
top「度を超えた振る舞いをする」
ボブに 'I want you'(これはもちろん、肉体関係が欲しいということだ)
と告られてうろたえ、わめきまくったことについて「ちょっと言いすぎたよ」と謝っているんだね。
ついでに over つながりで、'
over the moon' は
「大喜び
して、有頂天になって」と
いう意味だ。(おっと、さっそくジェリーが2010年4 月5日付けの
Daily Record で使ったぞ!)
*
Abandon
ship! [ロシアの不死身の二人に追われて車を乗り捨てる場面]
abandon ship「一目散に逃げる」(
Jump
ship とも言う)
予告編ではちゃんと「逃げろ!」となっていたのに、なぜか劇場字幕では文字通りに「船を捨てろ」となっていた。車なのになんで船なん
だ??とみんな思っ たよね。
ほかにやや古い言い方だが、'
take to one's heels'
「急いで逃げる」という言い方もあるよ。
*It
cost a very wealthy
Russian
an arm and a leg.
[最後でアーチーが絵についてジョニーに言った場面]
cost an arm and a
leg「法外な金がかかる、大変な出費となる」
(すごい金持ちのロシア人にとって、とてつもなく高くついた)
ロシア人のユーリの「幸運の絵」は、彼にとってはとんでもない不幸を最後にもたらしてくれた。字幕では「腕1本と足1本」となっていた
が、実際文字通
りそのように腕と足をへし折られるとかしたのかもしれない。しかし、あの話の流れからするとユーリは殺されたのではないかと思える。だか
ら、彼にとっては 命で支払うことになって、実にとんでもなく高くつく絵となってしまった訳だ。
31 March 2010