警察庁生活安全局生活環境課 御中 |
エアソフトガン規制に関する要望書 |
日ごろ、市民生活の安全のためにご尽力いただき、ありがとうございます。 さて、近年、改造エアガンによる悪質な事件が発生し、大きな社会問題となっています。こうした事態をうけて、ニュース番組などをみますと、現在、警察庁においてもエアソフトガンに対する法的なパワー規制を検討中との報道がなされています。 私たちはおもちゃ文化、なかでもトイガン(エアソフトガンやモデルガン)を趣味にする愛好者ですが、エアソフトガンのパワー規制そのものには反対しません。 昨年の一連の事件、その後も一部の心ない者によって危険なエアガンが製造販売されている現状を考えれば、従来、エアソフトガン業界各組合の自主規制でおこなわれてきたパワー制限を強制力をもった法律で定めることもやむをえないと考えています。 しかしながら、仮に、今後、法律によって新設されるパワー規制が、現在市場に出まわっている業界各組合の正規製品より低い値に定められた場合、私たち一般ユーザーが所持しているエアソフトガンの大部分はすべて法律違反となってしまいます。また、エアソフトガンを使用したサバイバルゲームやスポーツ射撃などもこれまでのような形では成り立たなくなる可能性がでてきます。 現在、エアソフトガンのパワーは業界各組合の自主規制によって0・8ジュールとされ、それをうけて多くのサバイバルゲームでは弾速器をつかった「1ジュール規制」が定着し、スポーツ射撃もほぼ同様の基準値になっているといわれています。 1 業界組合の自主規制は安全性に関する長年のつみかさねによって数値化されたもので、経験則上の合理性があります。 2 サバイバルゲームは男性ばかりでなく女性も参加しており、また若者だけではなく中高年齢者の参加も多数あります。性差や年齢差からくる体力や運動能力のちがいに関係なく、すべての参加者が平等に楽しくゲームをおこなうためにはエアソフトガンにある程度のパワーは必要であり、実際にも現状の「1ジュール」基準で大きな事故や不都合はおこっていません。 3 スポーツ射撃など精密射撃においても距離のはなれた標的にむかって直線的に弾を飛ばすには一定のパワーが必要といえます。 4 パワーソースとして低圧ガスを使用したガスガンは夏と冬の気温差によって不可避的にパワーに差が生じますから、パワー規制をおこなうにはその点を考慮してゆとりをもたせる必要があります。 現在、エアソフトガンは年間約150万丁が販売され、概算ですでに数千万丁以上が一般ユーザーの手もとにあると思われます。トイガンはおもちゃ文化のカテゴリーとして広く社会に根づいています。 仮に、過度なパワー規制によって一般ユーザーが所持するエアソフトガンの多くが違法なものとなってしまうと大きな混乱が生じます。 私たちは、エアソフトガンのパワーに関して、こうした現状を十分にふまえた上で、過度の法的規制にならないように要望いたします。具体的には、刑罰をもって規制するパワー値としては「1ジュール」から多少の余裕をもった数値を定めるのが相当と考えます。 御庁のご理解と適切なご判断をお願いいたします。 |
平成18年1月20日 |
「トイガン文化を守る会」 |
発起人代表 中 嶋 博 行(作家・弁護士) |
この要望書はトイガン文化を愛する作家、イラストレーター、漫画家、ライターなど多くの方の賛同をえて、お出ししています。 |