メモランダム♯08

デジタル・サウンド


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 意外と知られていないことだが、映画にドルビー・ステレオが採用された(実は「スター・ウォーズ第1作」が最初のドルビー・ステレオ映画)1977年までは、ほとんどがモノラルだったので、劇場はどの席に座っても音の条件はあまり変わらなかった。それが、ドルビー・ステレオが採用されたことによって音質が格段に良くなり、立体音場で映画を体験するような効果が得られるようになった反面、いわゆる指定席に相当する劇場中央でないと、音響設計時に意図した効果を得られなくなってしまった。

 それでも、この前方(スクリーン裏)左・中央・右の3チャンネルに後方のサラウンド・チャンネルを加えた4チャンネルは、客席側がモノラルだったからまだ良かった。映画にデジタル・サウンドが採用されるようになると、この後方チャンネルまでもがステレオ化し、方向性のない重低音用のスーパー・ウーファーが1トラック(方向に関わらないので1チャンネルと数えず0.1で表現している)加わって5.1になってしまった。こうなるとさらに映画を見る場所が重要になってくる。できるだけ中央でなければならない。でも、指定席は東京だと2,500円?、それとも3,000円だっけ?(買ったことがないので、わからない)。

 これらの5.1デジタル・サウンドには、フィルムのパーフォレーション(フィルムを送るときの歯車がかみ合う穴)のさらに両外側を使うソニーのSDDS、左パーフォレーションの右側にあるアナログ・トラックのさらに内側にコードだけを記録して同調させたCDから音響を再生するdts、左パーフォレーションの穴と穴の間を使うドルビー・デジタルの3方式がある。

 それぞれ方式は、それぞれの専用デコーダーが必要になるが、劇場のスピーカー構成には互換性があった。しかし、この「エピソード1」から採用されるドルビーEX6.1は、後方が3チャンネルになるので、劇場はスピーカーの配線をやり直さなければならないのだ。もちろん専用デコーダーも必要になるわけで、投資が多いということから2,000円になったらしい(でも、ヒットしたら投資分を回収してお釣りがくるはずだが、まあ興行というヤツは一種のギャンブルだからなあ)。

 ただ、ドルビーEX6.1はドルビー・デジタル5.1と互換性があるということだ。


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