メモランダム♯12

ブレア・ウィッチ・プロジェクト
Blair Witch Project



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 日本ではお正月映画の「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」。アメリカではもうビデオが発売になっている。「カース・オブ・ブレア・ウィッチ(魔女ブレアの呪い)」という周辺情報ビデオ(といってもほとんどインターネットのサイトにある情報だが)と一緒に、アメリカ土産でいただいて、見てしまった。

 う〜ん、まさに見てしまったってカンジ。字幕なしであまり理解できなかったけど、どうなんだろう、これで1,800円の入場料金を取っていいのだろうか。

 ビデオをくれた知人によると、どうもインターネットでの配信を念頭に置いて作られたのが「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」らしい。日本語公式サイトがhttp://www.bwp-jp.com/にある。ぜひこの映画をご覧になる前に、すべてのページに目を通しておくことをお勧めしたい。その方が絶対に面白いと思う。特にそう意図されて作られたものであるならば、そうしないとまったく理解しづらいものになってしまうのではないか。

 映画は1994年に行方不明になった3人の映画学科の学生の話だけしか描いていないけれど、バック・ストーリーは1785年に始まる。これらの歴史と、数々の証言記録、証拠物件、ニュース映像……などなど。あたかも実際にあった事件のように構成されていて、ここまでやるかとうならされる。りっぱ。時代を感じさせる日に焼けた書類など、実に良くできている。

 アメリカでは、インターネットから火がついて、劇場公開へと至ったらしい(英語版の公式サイトはhttp://www.blairwitch.com/)。一説には3万ドル(300万円ちょっと)の超低予算で作られたそうで、実際に見てみるとそれも充分うなづける作り。魔女や魔物は出てこないし、超常現象、猟奇殺人も目に見える形では起こらないのだから。アイディアなんだなあとつくづく感心。で、その評判を聞きつけた大手の映画会社がそれを買い取り、これまたウワサでは10万ドルほど掛けてサウンド・トラックをデジタルで全面的に作り直し、全米公開したという。それが大ヒットして全米のベスト10入りを果たして(興行収入が数億ドルを突破!!)しまった。現在イギリスでも大ヒットしているらしい。

 それで、見てどうだったかといえば、確かに3人の演技は素晴らしく、怖い感じが良く出ている。それは、ストーリーはあるのだが脚本はなく、方向性だけを示してアドリブを撮っていくというドキュメンタリー・タッチの演出のおかげだろう。しかし、あの結末でいいのか。インターネットを見ず、映画だけを見た人は納得できるんだろうか。ボクはインターネットを隅々まで見ていたにもかかわらず、肩すかしを食らったような気がした。

 う〜ん、でもやっぱり劇場でちゃんと字幕付きのデジタル・サラウンド版を見ようっと。


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