メモランダム♯01



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ストックホルム症候群


 1973年に、スウェーデンのストックホルムで発生した銀行立てこもり事件で、犯人は人質と共に6日間包囲された。このとき、人質の女性が犯人に対して親密な感情を抱くようになり、のちに2人は結婚まですることになった。このことから、犯人と長時間にわたって一緒の時間を過ごすうち、人質が犯人に同情したり親愛の情を持つようになることを「ストックホルム症候群」と呼ぶようになったとされる。全く逆に、犯人が人質に対して同情するようになる「リマ症候群」も知られている。

 日本で有名になったのは、映画「ダイ・ハード(Die Hard・1988・米)」から。この作品の中で、テロリストに乗っ取られたビルにいた人質たちについて、テレビ番組の中で心理学者が「ストックホルム症候群」が起きると解説していたわけです。

 しかし、劇中での説明では「人質たちの間に連帯感が生まれる」という説明であり、ちょっと違います。おそらく脚本家が正しく理解していなかったのではないでしょうか。

 ただし、こういうことはよくあって、2000年2月のスキーでボクらのグループは強風のため頂上付近のレストランに3時間以上も閉じこめられました。風が止む気配がなかったために、グループごとに命がけ(?)で脱出したんですが、残っている人たちがみんな応援してくれるんですね。そしてある種の連帯感で結ばれていました。これって、間違っていた方の「ストックホルム症候群」ですね。

 さて、一方、本当の「ストックホルム症候群」ですが、これは人質事件での逮捕の際に非常に危険なので、アメリカのSWATなどでは、犯人逮捕時には人質も一緒に拘束することになっているそうです。犯人に同情した人質が逮捕の邪魔をすることがあって、捜査員の身に危険が及ぶ可能性があるからです。これは人質になっている時間が長ければ長いほどかかりやすいと言われています。

 アメリカなど先進諸外国で、人質事件の早期解決を急ぐのは、そういう意味からでもあるようです。


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