メモランダム♯02



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DLPシネマ・プロジェクター


 米テキサス・インスツルメンツ社のDLP(Digital Light Processing)シネマ・プロジェクターによる上映については、1999年のメモでも触れた。

 現時点(2000年3月)で、DLPシネマ・プロジェクターは全世界に18台しかない。北米・カナダに12台、ヨーロッパに5台、そして18台目がアジアで初めて東京の日劇プラザに設置された。

 「A・LI・CE」では通常の業務用汎用DLPプロジェクター(3,000万円以上)が使われたが、劇場専用のDLPシネマ・プロジェクターは、性能ももっと桁違いだ。コントラスト比が約2倍の1000:1、階調が10ビットに対して14ビット(真っ白から真っ黒まで16,384階調あるということ。通常、人間の目は256階調[8ビット]以上あればほぼ見分けられないと言われている)、RGBそれぞれにSXGA(1280×1024ドット)のDMDチップを1枚ずつ合計3枚を使い、映画フィルムと同等の毎秒24コマを実現している。

 現在ライトハウス(光源)は米Christie社製のものだが、将来的には従来のフィルム映写機用のものが使えるように設計されており、レンズはドイツのISCO-OPtic社のアナモフィック・プロジェクション・レンズを使用するという。

 トイ・ストーリー2のビデオデータは圧縮した状態で32GB。HDDに納められており、パソコンで制御・管理する。「スター・ウォーズ エピソード1」はドイツ製の特注の1:1.9というアナモフィック・レンズにより、1:2.39の画面比率で収録されたらしい。ハードディスク容量は無圧縮で合計およそ360GBだったというから、スゴイ圧縮率。ケタが1つ少ない。

 デジタル上映が可能になると、フィルムと違って、傷や退色などの劣化や経年変化がなく、保守管理コストもかからない。フィルムをプリントする必要がなく、配送コストも不要になるなどのメリットがあると言われている。「トイ・ストーリー2」などのようにCGで作成された映画は、特にデジタルで作成したまま上映できるので、途中でフィルムに焼き付ける際の、AD/DA変換のロスがない分、当初の狙いどおり正確に表現することができるとも言われている。


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