メモランダム♯04



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日本初のデジタル上映


 「A・LI・CE」の上映に使われた映写機(プロジェクター)は、NEC製の『XT5000』というDLP。映画専用でなく汎用の業務型のプロジェクター。その能力は最大で500インチ(対角線長がおよそ12.7m)のスクリーンにまで投影可能で、解像度はいわゆるパソコンで言うところのXGA(1024×768ドット)が可能(ただし本家アメリカの米テキサス・インスツルメンツ社のDLPの解像度はRGBそれぞれにSXGAの1280×1024ドット)。

 これに、ハード・ディスク・ドライブ(HDD)が接続されて上映されたわけだが、その容量は36GBが20台。RAID3によってデータの読み出しは高速化されるとともに、これを2系統組むことによって、万が一のトラブルに備えたということだ。

 このHDDに収められていたのは映像データだけで、音声データはHi8テープを使うDA88フォーマットのデジタルレコーダーに収められており、タイムコードによって同期を取られていたそうだ。ただし、近いうちに音声はHDDに移されるとか。

 36GBのHDDが20台も必要だったのは、テレビ放送のデジタル規格の1つである“D1”が使われたため。プロ用のデジタル・フォーマットには、D1、D2、D3、D5、DVCProなどがあり、D1はデータ量の多いコンポーネント・デジタル信号を扱う。

 通常、フィルムの解像度はスタンダード比率(4:3)で1920×1440ドット程度といわれており、2000年現在、この数値を超えるDLPは登場していない。ただし、これはフィルムなので1秒間24コマだが、ビデオの方は1秒間30コマで、多少データ量には差がある。

 「A・LI・CE」ではビスタ・サイズ・フォーマットを採用していたので、スタンダード比率の720×480ドットを上下にトリミングしたためさらに画素数は少なくなっているという。ドットが目立つわけだ。


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