プリント基板設計参考資料                            マスキシステム(有)

     多層基板に関する知識      戻る


最近のプリント基板は 高密度化に伴い 色々な加工方法が出てきており

プリント基板設計も それらに合わせた設計が必要です


1.従来ポピュラーだった 張り合わせプレス 貫通VIAのみによる方法

  各層のエッチングと 1度のプレス 穴あけ工程 スルーホール形成で内層に関係

  する部分は完成します

  スルーホール形成以後 表層のエッチング レジスト印刷 シルク印刷を行います


2.ブラインドVIAを使用する多層板

  a. ドリル穴あけと 銅メッキスルーホールによる方法    (ガラエポ基材等)

    ブラインドで接続する層を 1 の方法で行います

    ブラインドの種類の数だけ この工程を繰り返す必要が有ります

    最小穴径は 0.3mm       (最近は 0.2mmも少数であれば可)

    絶縁材は 通常 0.2mm厚   (最小 0.1mm)

    各層ごとに 異なった絶縁材厚が指定できます


  b. レーザー光線による穴あけ 導電樹脂の充填による層間接続による 方法

    アリブ とか RCC樹脂とか 呼ばれる絶縁材に レーザー光線で穴あけします

    ただし 穴あけ可能なのは 絶縁材のみです 銅箔に穴を開けることは出来ません

    このため 穴あけデータは 絶縁材の数と 貫通穴の分が必要となります

    穴あけの後に 開けた穴に導電性の樹脂を充填し 層間の接続が得られます

    基板の層数の分だけ この工程が繰り返されます   (1層ずつ積み上げ)

    貫通穴は 通常の銅メッキスルーホール工程で行います


    絶縁材は   80u (8層)       120u  (6層)

           基板仕上がり厚は 共に約0.8mm

    穴あけ径は 0.1mm    (基板メーカーにより 0.15mm 可 )

    現在 6層 8層  固定で受注してる会社がほとんどです




ワンポイントアドバイス

   2.a は 張り合わせ 貫通穴あけ を繰り返す工法のため どこの層間をつなぐ

   VIAにするか 種類に制約が出てきます

   製造工程への負担を減らすには 極力VIAの種類を減らす事と 1つの層に集中

   する設定をしないことです

   IVHの種類が多い場合 アリブや RCC樹脂への レーザー光線での 超小径VIA

    で設計したほうが 工程が簡単になる可能性も有ります




  製作費用 作成日数が増す要因

   詳細なパターンや 孔径を含む場合 プレスごとに 収縮を計測し それに合わせた

   フィルムを作ります

   スルホール形成のための銅メッキを繰り返すと 銅箔の厚みが増すため 研磨が

   必要になります       (1つの層に2回以上のメッキを行った場合)

   部品のパッドの上に スルホールを置くと 導電樹脂による 穴埋めが必要となります

  費用は IVH1種類につき イニシャルで +10万   基板単体で 30%位?

  上乗せになります

 これらと プレス スルーホール形成 エッチング 穴埋め を繰り返すこととなり

  さらに 小径VIAや 狭サイズパターン 狭サイズクリアランスを含む 基板の場合

  基板単価は 4層基板単価 X IVH種類 がおおよそ必要に成ります

  ブラインドVIAを使用した基板の作成には 通常 3週間以上は必要のようです



戻る