高周波回路設計参考資料                          マスキシステム(有)

パターン浮遊容量/パターンL成分     戻る


高周波回路の基板に於いて 通常 部品面直下の層(L2)はGNDのベタ層にしますが

部品面部品パッドとGND層の間で微小なコンデンサが発生します

1GHz以上の回路に於いては この微小な容量も回路動作に影響することが多々有ります

机上設計に近い動作を望むには この影響を出来るだけ小さくする対策や この容量も

含んだ回路設計(定数決定)が必要になります


部品パッドの浮遊容量                         条件 FR4(ガラエポ)

GND層までの距離
0.2o
0.4o
部品パッド 0603
約0.05PF
約0.02PF
部品パッド 1005
約0.12PF
約0.06PF
部品パッド 1608
約0.3PF
約0.15PF
部品パッド 2012
約0.6PF
約0.3PF
1.0mm角パッド
約0.5PF
約0.25PF
1.5mm角パッド
約1.4PF
約0.7PF
2.0mm角パッド
約2.0PF
約1.0PF


浮遊容量は 面積に正比例し GNDまでの距離に反比例します

(パッド幅とGNDまでの距離が一致した所から離れる場合は 距離の二乗に反比例)

* アリブやPPC基板など 層間厚が 80uや120u等 さらに薄いものが在ります

 これらは対策をしっかりやらないと1GHzを超える回路では特性が出ない場合が有ります


プリント基板 配線ラインのL成分   条件 FR4(ガラエポ) GND層までの距離0.4o

ライン パターン幅
インダクタンス/mm
線路インピーダンス
0.1mm
2.2nH
123Ω
0.2mm
1.0nH
100Ω
0.3mm
0.7nH
87Ω
0.4mm
0.5nH
77Ω


パターン幅 0.5o以上のライン

パターン幅がGNDまでの距離を越えると パターンをLとして考えるより

伝送路と計算した方が 現実的です

ちなみに パターン幅が GNDまでの距離の2倍で FR4では 約50Ωラインに成ります


基板上パターンでコイルを形成する場合には 基板のエッチング精度も含めて考えると

 0.2o幅で 設計するのが 精度の上では お勧めです



  高周波回路のパターン設計は他の設計条件も踏まえ これらの基板上で発生する

  容量/インダクタンスを極力発生させないようなレイアウト及び配線が必要です



本データは 当社で独自に調査したものであり 値を保証するものでは有りません

基板設計時の目安として お考え下さい


戻る