かつては姿を消した地方小鉄道も少なくはなかったが、現在は鉄道重視の、国の施策として政府や地方行政の保護のもと、各私鉄は運用を続けている。しかし行政機関としてもその負担は大きいため、合理化策としての企業再編をかなり急速に進めてきてはいるが、それでも廃止された路線がないのは刮目すべきだろう。近年のそれを示せば下表のようであり、地域ごとの小路線で構成される場合が多い。

 しかしこの中でもレッチュベルク鉄道グループ(BLS)は大幹線であり、かつベルンを中心に幾つかの支線を持っている。一方のミッテルラント地方交通(RM)はベルンから東部のミッテルラント地域をカバーする多くの路線、元EBTSMBVHBを抱える鉄道網である。

 両者の経営権をもつベルン州は両鉄道の合体を強く押し、2006年に実現した。ベルンを中心にしてほぼ一元的に広範囲な路線を持ち、ベルンSバーン網をも担当する準国鉄的な位置づけになったと考えられる。

 また、元BTSOBによる南東鉄道(SOB)は、SBB幹線の南側地域で、サンクトガレン地域からルツェルンまでを、SBB路線を挟みながら東西に結ぶ標準軌の重要路線だし、FOBVZが合体したマッターホルン・ゴッタルド鉄道(MGB)や、LSEを吸収した元SBB路線の中央鉄道(ZB)も、準幹線鉄道である。

 THURBOは破綻したMThBを代替するのを主目的に、SBBを中心に構成され運営している。

略号 鉄道企業名 旧鉄道略号 変更時期
AAR Aargauer Agglomerations- und Regionalverkehr WSB, BBA 2002
AB Appenzeller Bahnen AB, TB, RHB, RhW 2006
ASm Aare Seeland Mobil BTI, RVO, SNB 2001
BDWM Bremgarten-Dietikon Wohlen-Meisterschwanden BD, WM 2001
BLS Lotschbergbahn BLS, RM 2006
MGB Matterhorn Gotthard Bahn BVZ, FO 2003
MVR Transport Montrux Vevey Riviera CEV, MTGN 2001
SOB Sud Ost Bahn BT, SOB 2002
THURBO Thurbo AG MThB 2002
TL Transports Lausannois LG, LO, TSOL 2000
TMR Transports de Martigny et Regions MC, MO 2000
TPC Transports Publics du Chablais AL, AOMC, ASD, BVB 1999
TPF Transports Publics Fribourgeois GFM 2000
TRAVYS Transports Vallee du Joux-Yverdon-les-Bains-Sante Croix PBr, YSteC 2001
TRN Transports Regioaux Neuchatelois CMN, RVT 1999
ZB Zentral Bahn SBB Brunigbahn, LSE 2005
 

         スイス私鉄の統廃合

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