シネマのお値段 2010年 12月分


ノルウェイの森
高校時代に親友・キズキを自殺で喪ったワタナベは、誰も知っている人間がいないところで新しい生活を始めるために東京の大学に行きからっぽな日々を送るが、ある日偶然直子と再会する。直子はキズキの恋人だった。高校時代にはワタナベと直子も一緒によく遊んでいた。それからワタナベと直子はお互いに大切なものを喪った者同士付き合いを深めていき、ワタナベは透き通った目を持つ直子に魅かれていくが・・。世界中で翻訳され現代文学の最高峰と言われた村上春樹の原作を映画化
松山ケンイチ、菊地凛子、水原希子、玉山鉄二、
高良健吾、霧島れいか、初音映莉子、柄本時生、
糸井重里、細野晴臣、高橋幸宏 他 出演
トラン・アン・ユン 監督作

ガオのお値段

「ノルウェイの森」を映画化って難しいんじゃないかと思ったけれど
やっぱりトラン・アン・ユン監督は素晴らしい。
ちゃんと映画にしているの。文章ではない映像の魅力。
風の匂い、退廃的な空気感、斬新なぶつ切り、
『シクロ』や『青いパパイヤの香り』の雰囲気そのままに
トラン・アン・ユン監督節にしているところが嬉しかったし
リー・ビンビンさんのカメラワークは相変わらず素晴らしいし
ワタナベくん、緑、キズキ、永沢さん、ハツミさん、
寮の同室の突撃隊(ちょっと登場少なすぎて端折られすぎだけれど・笑)
などなどはそれぞれ原作の雰囲気を醸し出していたし、
レイコさんは個人的にはもっとサッパリした感じの
イメージだったのだけれど、でも、映画は映画で
良かった気がするので映画としてはなんの文句もない。
でも、肝心の直子が・・!ある意味主人公より重要な役というか
彼女を軸にして物語がすすむので、一番大切な役なのに
菊池さんが云々というより、もうすでに彼女のルックスというか
映像的に歳をとり過ぎているから、せっかく映画の中に
のめりこみそうになっても直子の部分だけ現実に引き戻されてしまう。
緑を演じた水原さんが瑞々しかっただけに尚更違和感がつのってしまった。
だって「18と19を行ったり来たりするべきなのよ」なんてセリフや
20歳の誕生日のシーンなんかコントにしか観えないもん(涙)
やはり直子は透明感があって、絶対的な美人で、壊れそうで、
20歳になりたくない幼く見える20歳じゃないと・・。
もっと拘ってキャスティングしてほしかったよ。他がいいのに、
なんでよりにもよって直子だけミスっているんだろう。
映画そのものに漂う退廃的な美、演出、脚本、映像、音楽、
すべてが素晴らしかったのに、なぜ、よりにもよって直子だけ・・
なぜ、うぉぉぉ!!って観終わった後、可笑しくなりそうでした(泣笑)

   この映画のお値段 ¥1300



べんのお値段

  そうですか・・・あの原作が発表されてからもう20数年ですか
実はこの小説、未読デス
正確には、大ブームが落ち着いてきた頃に本を取り、
上巻の途中で挫折した記憶があります(笑)
当時の自分にはナイーブ過ぎるとの印象しかなく、
当然 内容は全く覚えていません
・・・なので、この映画がどこまで原作の魅力を伝えているのかは、
まったくわからないところなのですが、独立した作品として観れば、
素晴らしい映像詩として仕上がっているのではないでしょうか
風景の一部のようになぞられていく数々のシーン
例えばそれは、池を泳ぐ鯉であり、窓越しの雨であり、
雪深い山道であり、風にうねる草原であり・・・
そのすべてが皆、登場人物の心理状況と相まって美しい
ただこの映画唯一の弱点は、ワタナベと直子との関係性が今一つ弱いという事だ
なぜ、ワタナベがそこまで直子に惹かれるのか、自分には伝わってこなかった
そこが、ドラマ全体の牽引力を失わせているような気がする
最も冴えわたるトラン・アン・ユンの絵作りの前に、
それほど気にはならなかったのも確かなんだけどね
皆が何かを失っていく物語
あるものは死を選び、あるものは生を選択する
死へのベクトルに向かうワタナベを、最後に踏みとどまらせる存在となる
緑の姿も、また唯々美しい
まさに、暗く出口の見えない深い森へと踏み込んで行く様な映画
当時はナイーブ過ぎると感じた原作ですが・・・
読み返してみますかねぇ〜

   この映画のお値段 ¥2730








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