| 新少林寺 SHAOLIN |
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1912年辛亥革命の翌年。革命によって清王朝が倒れたものの西洋列強による侵略や国内の内乱で軍人たちによる私利私欲の争いが繰り広げられていた。その中の一人の独裁者・侯杰が腹心の部下・曹蛮の裏切りに合い妻・顔夕や愛娘・勝男そして地位も名誉もなにもかもを失う。そこで流れ着いたのがかつて独裁政権時代に愚弄した少林寺。寺の厨房係・悟道の導きによって元独裁者である侯杰は受け入れられる。やがて戦火は激しくなり少林寺へ多くの人々が避難して来たが少林寺に侯杰がかくまわれていることを知った曹蛮は民衆・僧侶・寺院への容赦のない攻撃をはじめる・・ アンディ・ラウ、ニコラス・ツェー、ジャッキー・チェン、 ファン・ビンビン、ウー・ジン、ユエ・ハイ、ユイ・シャオチュン、 シー・イェンレン、ション・シンシン 他 出演 ベニー・チャン 監督作 ■ガオのお値段 『少林寺』ファンにとっては方丈役の ユエ・ハイ師父の登場に胸が熱くなったと思うし クンフー俳優としてはもちろんリンチェイさんや ユンファ兄ぃのスタントとして、または指導者として 素晴らしい活躍をしている敵の暗殺者役の ション・シンシン兄貴の登場には痺れたと思うのだけれど 何よりアタシは、ウー・ジンさんの動きに惚れた。 彼が演じた浄能という少林寺の一番弟子という役柄が ほんとに彼にピッタリでクライマックスでは 弟子たちを逃がすため自分が門の前で矢面になるという、 その行動はベタかもしれないけれど彼らしくて 涙あふれちゃいました。動きもキビキビしていて カッコイイんです。型がいちいち決まるんです。 『SPL 狼よ静かに死ね』の時もド兄さんとすざましい 戦いを観せてくれましたが本来彼の顔つきや佇まいは 悪人よりも良心的な人物に似合うんですよね。 なので、この映画のウー・ジンさんは素敵です。 それから、浄空役のシー・イェンレンさんの動きも素晴らしかった。 個人的にはこの4人を拝めただけでも1800円です(笑) そこへ、この映画の本質であるドラマ。実はクンフー場面は そんなに多くないんですが、この映画に流れる本当のテーマは 人は無になれるのかということのような気がしてます。 人間は煩悩だらけの弱い精神をもつ生きものです。 アンディ兄さん演じる侯杰という男は本当に酷いヤツで 命乞いしている人を安心させて後ろから撃ったり 自分の妻や子供だけが大切でそのまわりの人達には めっぽう冷酷なのだけれど、小心者だからなんだろうね 義理のお兄さんの良心も信じられず裏切るんです。 で、そんなことしているから、一番信頼していた部下の 曹蛮に裏切られるんですけど、この曹蛮を演じている ニコラス・ツェーさんがまるで悪魔にとりつかれたごとく 『レオン』のゲイリーしゃんのように濃ゆくクスリを カリンと歯で噛んでほしいくらい(笑)の 狂人的な色気を放っていました。闇に堕ちていけばいくほど 美しくなるという存在感です。そんな彼が最後に目にするのは 同じように悪魔だったはずのアンディ兄さん(as 侯杰)が お釈迦様の手のひらの上で安らかに眠る姿です。 侯杰は出家して浄覚という名をもらい少しずつ改心します。 猜疑心にまみれ、権力を保持し、力で人の心や命をねじ伏せてきた日々。 そんな彼がすべてを失ってからやっと気がついたもの。 それは自分自身を自由にすること。猜疑心、権力 強欲、すべてのことを手放す。そうすると本当のことが見えてくる。 そして大切なことが簡単にわかる。本当の意味で強くなる。 方丈がジャッキー演じる悟道に聞きます「お金と泥、どちらが大切だ?」 悟道は「お金だよ」と。方丈は言います。 「でも種を蒔く時には泥が必要だ。そういうことだよ。 役に立たない人はこの世の中に1人もいないってことだよ」と。 みんなが何かしらの役割を与えられて生まれてきたのならば そう信じることが出来るのならば悪魔のような曹蛮も いつしか改心する時がくるのでしょうか。 絶望しても、いつかきっと。清らかなものを願って。 映画というものが生まれてから、今まで何度も何度も 語られてきたような物語。それでも今もなお この映画に涙が流れてくるのはなぜなんだろう。 たぶん、どこかで信じたいのかもしれない。 こんなにも煩悩のかたまりの世の中で、今もあちこちで 無惨なことが平気で起こっている中で この映画が語りたかったことを、どこかで本気で思いたい。 すべてから解放され、無になろう。自分の役割を知ろう。 目の前にいる命を大切に。自分の命も、相手の命も、 道端に咲く小さな花も、石ころも生まれてきた意味がある。 役に立たない命なんか何一つないんだよ、と。 互いを損得なしに 普通に助け合えたら楽なのにね。。 そういえば顔見せ程度とはいえ、愛すべきキャラで 登場してくれたジャッキー(as 悟道)には癒されます。 『1911』の時よりもジャッキーらしいキャラで安心しちゃう。 アタシも野菜炒めや粉をこねながらクンフーマスターしよう(笑) この映画のお値段 ¥2400 |
| サラの鍵 |
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夫と娘とパリで暮らすアメリカ人女性記者ジュリアは45歳で待望の妊娠をはたすが報告した夫から返って来たのは思いもよらぬ反対だった。そんな人生の岐路に立った彼女はある取材で衝撃的な事実に出会う。夫の祖父母から譲り受けて住んでいるアパートは、かつて1942年のパリのユダヤ人迫害事件でアウシュビッツに送られたユダヤ人家族が住んでいたというのだ。さらにその一家の長女で10歳の少女サラが収容所から逃亡したことを知る。一斉検挙の朝サラは弟を納戸に隠して鍵をかけた。すぐに戻れると信じて。事件を紐解きサラの足跡を辿る中、次々と明かされてゆく秘密。そして・・。 クリスティン・スコット・トーマス、メリュジーヌ・マヤンス、 ニエル・アレストラップ、エイダン・クイン、フレデリック・ピエロ 他 出演 ジル・パケ=ブランネール 監督作 ■ガオのお値段 冒頭楽しげにサラと弟がベットのシーツの中で遊んでいる。 思えばアタシも大人になった今でも顔ごとすっぽりと 布団にもぐったりするとなぜか気持ちが楽になり、落ち着く。 押し入れに入りこんで本を読んだりするのも好きだ。 あの感覚はなんだろう。潜る、狭い所に隠れる。これが楽しい。 でも、それがまさか命を奪うことになろうとは。 1942年のパリ。ユダヤ人一斉検挙の朝。 むしろ幼い弟が可哀想だと思い彼をたった今、 一緒に遊んでいた部屋の納戸に隠し鍵をかけたサラ。 まさかすぐに戻れないとは夢にも思っていなかったと思う。 だってそれは彼女の咄嗟の機転だったんだもの。 忘れられない場面がいくつかある。 大家さんのいざという時の冷淡な態度。 弟のことでサラを責めてしまった母親が サラに明確に言葉でちゃんと愛していると伝えたこと。 「ジャックね、私はサラ・スタルジンスキ」と、 若き兵士に握手をもとめた瞬間と、 その兵士が逃がしてくれた時の彼の手の傷。 水に浮かんで夜空を眺め星を見つめていた時。 吠えなかった犬。助けてくれた夫婦。 サラが眠りこんでいた間、鍵をなくさず 隠し持っていてくれて歌を歌ってくれて 一緒に逃げてくれた子の死。 そして現代。ジャーナリストの女性ジュリアは サラの弟が隠された納戸のある部屋にいる。 そこは夫の祖父母から譲り受けた部屋。 リフォームして新しい生活を楽しもうとしていた時 ジュリアがたまたま取材中のパリのユダヤ人迫害事件と その部屋とが繋がっていきサラの存在を知ることになる。 ってか彼女の夫って何?って思うんですけど(苦笑) 正直なのはすごくいい。でも、結局、産むにしても、 おろすにしても女が体を傷つけなきゃいけんのよ。 だったら、その原因になる行為の時に、 もっと話あって避妊道具つけるなりしなよって思う。 「あなたは優しいけれど」とジュリアは夫に言うけれど こんな男、優しくねぇだろと心でつっこみがえししました。 ・・って、現代で思うのはそこなのかよって感じですが(苦笑) 『サラの鍵』はフィクションです。でも、フランス国家が ユダヤの人達を迫害していたのは事実です。 過去と現在はつながっている。同じ路で人が死んでいた。 同じ場所で差別されていた。同じ場所で迫害されていた。 同じ部屋で納戸で姉の帰りを待っていた。 そして、弟を迎えに行きたかった・・サラ。 納戸のドアを開けた瞬間「ごめんなさい」と崩れおちるサラ。 その時、彼女の人生も終わってしまったのかもしれません。 パリから遠くへ。どこへ行こうとも。新しい家族を築いても 彼女の背負わされてしまったものはあまりにも重く大きい。 そしてそれを背負わせたのが国家ぐるみの迫害という ありえないほど異常で愚かなことのせい。 それでも、そのことを受け止め、 現代に伝えようとする努力をするのも同じ人間。 だから静かに感動するし、人間の愚かさを胸に刻み 現代と過去はつながっていることを痛感するけれど でも、なぜかね、アタシね、どうしてだか ラストのラストで、ひいてしまったのです。 なんでだろう。なぜだか、わからないけれど、 あのラストで今まで築き上げてきた思いが すーっと冷めてしまったのです。ほんとはむしろ 一番感動する場面なのかもしれないけれど サラの息子さんの態度なんかもふくめて、あまりにも 予定調和すぎてフィクションである意味がない気がした。 本だったらそれで全然OKなんだけど 映画でそれをやると胡散臭い気がしてしまうのだ。 でも、そのくらい崇高な気がしたのよ、サラという名前が。 だって彼女が自分の名を言って 自己紹介する時の震える勇気を思うと尚更、、ね。 でも、命はつながっている。つながっているんですね。 この映画のお値段 ¥1700 |
| ゴーストライター |
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元英国首相アダム・ラングの自叙伝執筆を依頼されたゴーストライター。ラングが滞在する真冬のアメリカ東海岸にある孤島に赴き取材をしながら原稿を書き進めるうちにラング自身の過去に違和感を覚えるようになる。やがてそれは前任者の不可解な死に対する疑問となりその謎を追いかけることで国家を揺るがす恐ろしい秘密に触れて・・ ユアン・マクレガー、ピアーズ・ブロスナン、オリヴィア・ウィリアムズ、 キム・キャトラル、ティモシー・ハットン、トム・ウィルキソン、 ロバート・パフ、 ジェームス・ベルーシ、イーライ・ウォラック 他 出演 ロマン・ポランスキー監督作 ■ガオのお値段 名前がない。ゴースト。ダークな空と濡れた路。 いやあ、ザ・ロマン・ポランスキー!って感じだわ。 ま、なにはともあれ、冒頭が大切なのですね(謎笑) というかサスペンスもシンプルすぎるし、 オチもなんだよ政治の陰謀説まで広げておいて 結果的にそこかよみたいな突っ込みどこありだけど(笑) でも、好きです。そこはロマン・ポランスキーの魔法で 思わず観入ってしまいます。ハラハラ度はないけれど 地に足のついた128分の映画時間。 暗い不穏な空気感漂うポランスキー節に酔いしれました。 だってこの映画のダークな空色は哀しくて素敵だったもの。 その色は地下室で独りぼっちで過す子供の心の色のような 暗闇にゆるやかに放つ映画の色そのものだった。 濡れた路に詩的に舞う原稿用紙。皮肉なラストが好き。 この映画のお値段 ¥2080 |
| 1911 辛亥革命 |
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清朝末期の中国。ホノルル留学中に近代思想を学んだ孫文は、衰退する祖国の現状を憂い革命を志すが、武装蜂起に失敗して日本に亡命。そこで義に厚く実直な黄興や張振武と出会い、同志の絆を結ぶ。1908年に溥儀が宣統帝として即位すると、1911年に張振武らの指導によって武昌で武装蜂起が発生。やがて各地に飛び火し、全土規模の辛亥革命へと発展してゆく。黄興は米国から帰国した孫文に合流。援軍として奮闘、軍司令官として孫文を支える。しかし総督府の占拠に失敗すると、大勢の部下を失った上に黄興自身も負傷。悲しみに打ちのめされるが、献身的に彼を看病する女性、徐宗漢や同志たちの勇気ある行動に励まされ、再び立ち上がるのだっ。一方、滅び行く清朝内部でも虎視眈々と権力の座を狙う軍人の袁世凱や隆裕皇太后がそれぞれの思惑を持って動いていた。そして・・ ウィンストン・チャオ、ジャッキー・チェン、リー・ビンビン、 フー・ゴー、ジェイシー・チェン、ジョアン・チェン、 スン・チュン、ジャン・ウー、ニン・チン、ユィ・シャオチュン 他 出演 ジャッキー・チェン(総監督)、チャン・リー監督作 ■ガオのお値段 熱意は相当のものだと思う。 映像も戦闘場面はとてもダイナミックだし それ以外の部分の映像も細やかですごく美しい。 そして不安だったのは動かないジャッキーってどうよ?って 思っていたけれど、動かないジャッキーも なかなか素敵だったしファンサービスであろう 一か所だけの動きも個人的には無きゃ無くても 全然OKと思ったほど内面の演技が光っていたと思う。 隆裕皇太后役のジョアン姐さんも相変わらず巧いし 何よりも孫文役のウィンストン・チャオさんが 今回も孫文を素晴らしく演じている。 思えば彼の孫文役を『宋家の三姉妹』と 『孫文100年先を見た男』そうしてこの『1911』の 三本の映画で観たけれど、もう孫文専門役者として やっていってもいいよね。寅さんが故・渥美清さんなら 孫文はウィンストン・チャオさんでOKですね(笑) と、主要の演技陣や映像にはなんの文句もない。 だけど・・、なんだろう。何も感じないんだよ。 観客のアタシは最初から最後まで、 この映画に置いてけぼりくらってしまっていた。 海辺で遊ぶ若者たちの革命を信じる若き命たちや、 捕虜になる林覚民のとことかちゃんと描いてくれたら 結構心にくる部分だとは思うんだけど 観客にむけてというより自分のメモ用に 記録したような感じの薄味の演出なのでガツンとこない・・の。 それこそ、嘘っぱちでもいいしハッタリでもいいから 『孫文の義士団』くらいにガンガンとたたみかけてくれたら ごーーーって泣けたものを(苦笑)、何か何もかも ノートにメモしておきましたみたいな感じなので 100年という記念に歴史の勉強として 保存したくて作りましたっていう映画なんだな、と。 なので、詰め込みすぎて大雑把になっている。 だから、伝わらない。この映画に値段をつけて お客さんからお金をとって上映するのならば すべてを詰め込むんじゃなくて、たったひとつのことでもいいから そこを濃厚に描いてくれた方が伝わるんじゃないかな。 それこそ、孫文と黄興だけの話にしてもらった方が 革命というものに中国の未来をかけていた思いが もっと伝わったのではと。まあ、アタシがアホなんで そこんとこポカンとしちゃったってのもあるけど(苦笑) でもね、映画を観に行く時、勉強したくて行くんじゃない。 目に観えない何かを映画から受けとって、または自分でもぎりとって、 しっかり心につかんで帰りたいから映画に出逢いに行く。 少なくともアタシはそんな感じだから、ちょっと居心地悪かった。 勉強したいという人にとっては有意義な映画時間かもだけれど。 なんかね、ものすごく豪華なご馳走を用意してもらったけれど 食べてみたら味が全然なくてなんの料理なんか どんな味なのかさっぱりわからんって感覚と似ている。 でもでも、 林覚民を演じたフー・ゴーさんという青年が なかなかのハンサムさん。ちょっと好みだわー。 素敵よ、捕虜になってすぐに死んじゃうけど(汗) あと、ラストの方にとってつけたように 思い出のお姿が登場するけど・・(苦笑) この映画のお値段 ¥500 |