日本語字幕:手書き書体下、菊地浩司/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision)/ドルビーデジタル・dts・SDDS
(米R指定)2003年、人類の危機を回避したジョン・コナー(ニック・スタール)は、人生の目標を失い、しかし悪夢に怯えながら放浪生活を送っていた。そんな時、新たなターミネーター“T-X”(クリスタナ・ローケン)が送り込まれてきた。機械軍団はジョン・コナーの部下になる連中を抹殺しようとしていたのだ。同時に、人類側の副司令官から、旧型ターミネーター(アーノルド・シュワルツェネッガー)もまた送り込まれていた。 |
想像を超えるアクションと、そのリアクションの連続が素晴らしい。投げ飛ばされたら仕切壁くらいは壊れるだろうと誰もが想像するが、本作では一度に3枚分くらいの仕切壁がぶっ壊れる。コンクリート壁に頭を打ち付けられたら、壁に少しヒビくらいは入るだろうとは予想するが、本作ではガボッと大穴が開く。このスケールはずれのヴァイオレンスが、超ロボットどおしの戦いのすごさを物語っている。 ストーリー的には完結した物語の続編なので無理がある。でも、そんなことを考える前にストーリーは疾走を始め、考えさせない内にグイグイと先へと引っ張っていく。もうアクションにつぐアクションの連続で、ジェット・コースターに乗ったようなもの。後で気になってくる部分はあるが、ジェット・コースターに乗っているときはどういう仕掛けになっているかとか、なぜ乗ると爽快なのかなどということは誰も考えていないだろう。そんなことを考えさせるようでは、ジェット・コースターの方がおかしいと言わざるを得ない。 とにかく女ターミネーター、クリスタナ・ローケンがいい。ほとんど一言もセリフはないのだが、存在感があるし、しっかりと印象に残る。きれいな女優さんだ。端正な美人。でもシュワルツェネッガーと並んでも見劣りしないタッパということは、かなり身長も高いということ。しかも役が決まってから筋肉を付け、無表情を作る訓練を受け、ロボットのようなパントマイムを習得し、マーシャルアーツと射撃の訓練を受けたという。 日本の女優さんだったら、たぶんこんなことはやらないだろう。それどころか、アクションを下に見ている人が多いから、こういう仕事は受けないかもしれない。お金に困っていなければ、たぶん受けないだろうなあ。でも、ハリウッドや香港は違う。韓国も違う。進んで参加し、自分から役作りのために肉体改造にまで挑む。中国人女優のチャン・ツィイーなんか、身につけていたダンスの技を使ってカンフーを演じているらしい。ワイヤー・ワークも厭わず、とことんやっているもんなあ。 そんなわけで、日本の女優さんも含めて、特にアクションに挑む女優さんには今後とも要注目である。 シュワルフェネッガーは相変わらずうまいんだかうまくないんだかわからないが、いかにもターミネーターで、はまり役。イメージ完璧。今回もタイムトラベルしてくるために全裸シーンがある(クリスタナ・ローケンもロケ先で全裸になっている)。それが、CGじゃないと思うが、56歳でピチピチ・ボディなのだ。すごい。驚いた。 気になったのは監督。ジョナサン・モストーと言えば、「ブレーキ・ダウン(Breahdown・1997・米)」はOK、おもしろかった。でも「U-571(U-571・2000・米)」はどうかなあ。トンプソンからM16のマズル・フラッシュが出ちゃうし、全体にパッとしなかったし。ターミネーターも「U-571」になってしまうんじゃないかと……。こころに残るものはなかったが、いままでのターミネーターのイメージを壊さない、おもしろい作品には仕上がったのではないだろうか。どちらかと言えば「ブレーキ・ダウン」の方が面白いとは思うが。 初日の初回、新宿の大劇場には50分前ですでに60〜70人の行列。高校くらいから20代前半の男性が多い。若い女性は1/5ほど。どの映画でも多い中高年は1/3くらい。当日券の列にも50人ほど並んでいた。 行列はどんどん延び、朝の8時半くらいで150〜200人ほどになった。みんなの期待度が高いらしい。前作がインパクトあったからなあ。 25分前にようやく開場し、12席×5列の指定席も初回は全席自由。下は中学生くらいから上は老人までなかなか幅広い。中心は最初通り高校生と大学生という感じ。 最終的には1,044席の9.5割が埋まってしまった。すごい。ほぼ満席。こんな朝早くから。期待度の高い映画はスゴイ。こんなに混んだのは久しぶりに見た。 |