My Super Ex-Girlfriend


2007年2月11日(日)「Gガール 破壊的な彼女」

MY SUPER EX-GIRLFRIEND・2006・米・1時間38分(IMDbでは95分)

日本語字幕:手書き書体下、栗原とみ子/シネスコ・サイズ(マスク、with Panavision、Super 35)/ドルビーデジタル、dts、SDDS

(米PG-13指定)

http://movies.foxjapan.com/Ggirl/index.html
(音に注意。全国の劇場案内もあり)


ニューヨークの建築設計事務所で働く事業部長のマット・サンダース(ルーク・ウィルソン)は、部下のハンナ(アンナ・ファリス)に惹かれていたが、同僚のヴォーン(レイン・ウィルソン)にそそのかされ、大柄な美女ジェニー・ジョンソン(ユマ・サーマン)に声をかける。ひょんなことから付きあうようになった2人だったが、ジェニーには秘密があった。彼女は人々を犯罪や災害から救う“Gガール”と呼ばれるスーパー・ヒロインだったのだ。

73点

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 韓国映画「猟奇的な彼女」(My Sassy Girl・2001・韓)との共通点を多く感じる作品。英語タイトルからしてソックリ。それで、日本語のサブタイトルも似たようなものにしたと。ただし、このやり方はとても危険。タイトル受けを狙ったように思われると、客が引く。真似したタイトルのものは、大抵つまらない。そう思わせてしまう危険がある。たぶん予告を見なかったら、見ていなかった。

 一言でいえば、恋愛コメディ。それも構成は王道のパターン。男と女が出会って、親密になって、ケンカをして別れるが、また愛を取り戻す。ただ、違っているのは、ガールフレンドが、桁はずれた力を持ち空も飛べるスーパー・ヒロインだということ。

 かなり笑えるが、セリフが面白いというところもあって、日本人に伝わりにくいギャグもあるし、日本語にしてしまうとギャグが薄れるということもある。もちろん、そうであっても、超意訳で勝手に字幕翻訳者がシラケるようなダジャレを付けるよりは何倍もそのまま訳してくれたほうがいい。文化が違うんだから、同じところで笑えなくて当然ではないだろうか。

 ただ、監督自身がセクシー・エンターテインメントと呼んでいるように、下ネタ満載。アメリカではPG-13指定らしいが、子供に見せるのはどうかと言うほどスゴイ。ちょっと度が過ぎている感じもする。

 良いのは、本線とはあまり関係のないスーパー・ヒロインとしての活躍の部分。ちゃんと手を抜かずに、高価なレベルの高い3D-CGを投入して本気で作っていること。これがいい加減でチープだと、作品全体もチープになってしまう。まあ、さすが予算が使えるハリウッド作品ということもあるのだろうけれど。冒頭の強盗シーンもなかなかの力の入れよう。ギャングたちはサイレンサー付きのマイクロ・ウージーかミニ・ウージーらしいサブマシンガンで武装している。

 監督はプロデューサーとしての活躍の方が多いアイヴァン・ライトマン。代表作はやっぱり「ゴーストバスターズ」(Ghostbusters・1984・米)だろうか。アーノルド・シュワルツェネッガーを使ったコメディはどれも酷かったし、ハリソン・フォードの「6デイズ/7ナイツ」(Six Days Seven Nights・1998・米)なんて、アン・ヘッシュを完全につぶしてしまったもんなあ……。日本で公開された最後の作品は「X-ファイル」のモルダー捜査官ことデヴィッド・ドゥカヴニーが主演した「エボリューション」(Evolution・2001・米)だろうか。これもデヴィッド・ドゥカヴニー映画進出をみごとに打ち砕いたし……。

 脚本はダン・ペインという人。人気アニメ「ザ・シンプソンズ」のライターで、本作が初の劇場長編映画ということになるらしい。下ネタ満載は納得というところだろうか。ただこれから公開になる「ファンタスティック・フォー:銀河の危機」の脚本も手がけているそうで、シリーズの続編は下ネタ入りコメディになってしまうんだろうか。ちょっと心配。

 ユマ・サーマンは大柄でいかにもGガールが似あっている。怒るシーンなどまさに大迫力。しかしやはり主役は「シャンハイ・ヌーン」(Shanghai Noon・2000・米)の金髪イケメン、オーウェン・ウィルソンの兄、黒髪のルーク・ウィルソンだろう。2人とも、ファンの方には申し訳ないが、イケメンなのにどこかおマヌケな感じがあって、そこが憎めないわけで、本作でもそんな感じ。「スクリーム2」(Scream 2・1997・米)で初めて見たような気がするが、普通の二枚目の印象で、「キューティ・ブロンド」(Legally Blonde・2001・)なんて完全な二枚目。ただしヒロインを際立たせるお飾り的ではあって、路線を変更してきたようだ。

 「最終絶叫計画」(Scary Movie・2000・)シリーズの金髪美女アンナ・ファリスは、ユマ・サーマンと対照的な小柄美人。額のしわが深いのが気になったが、ホントきれい。ただ、個人的には彼女よりもバーのカウンターでバーテンダーをやっていたマーガレット・アン・フローレンスが気になった。劇場長編映画初出演のようで、いま主演作を撮影中らしい。マットの同僚ヴォーンのさそいを日課のように瞬時に「ノー」とち断るところが、面白かった。

 公開2日目の初回、いつも早く開く銀座の劇場は45分くらい前に着いたら開いておらず、30分前まで待たされた。天気はいいが風が冷たかったので体が冷えた。

 初回のみ全席自由で、開場した時点で20人くらい。ほとんど中高年の男性で、女性は4〜5人。最終的には183席に3.5〜4割くらいの入り。まあ、こんなもんか。

 なぜかわからないが、予告無しの上映ということだったが、カーテンが開いて暗くなってシネスコ・サイズのスクリーンに左右マスクで「ナイト ミュージアム」のたぶん新しい予告があった。


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