Taken 2


2013年1月12日(土)「96時間 リベンジ」

TAKEN 2・2012・仏・1時間32分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(ARRI、in Panavision、一部レンズ、一部マスクSuper 35)/ドルビー・デジタル、DATASAT、SDDS(IMDbではドルビー・デジタル、DATASATのみ)

(仏U指定、米PG-13指定)

公式サイト
http://www.foxmovies.jp/96hours/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

元 CIAのブライアン・ミルズ(リーアム・ニーソン)は、トルコのイスタンブールでの要人警護の仕事が終わると、アメリカにいる元妻のレノーア(ファムケ・ヤンセン)と娘のキム(マギー・グレイス)を気晴らしに来ないかと誘う。しかし合流した3人をつけねらう一段の男たちがいた。彼らは2年前にパリでブライアンに殺されたアルバニア人たちの親族だった。そしてまずブライアンとレノーアが誘拐される。ブライアンは密かにキムに連絡を取り、部屋のトランクを持って逃げるように伝える。そのトランクの中には、銃や手榴弾など警護の仕事で使う装備が入っていた。

72点

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 やっぱり「2」だ。「1」は超えられない。アクション映画としては良くできていて、ハラハラドキドキ面白い。ただ、敵の復讐の動機がどうにも納得できず、主人公のリーアム・ニーソンが前作ほどプロっぽく見えない。カットが短くて速くて、スピード感はあるものの何をやっているかわからなくて、実はできていないのをごまかしているみたいに見える。実際、銃を構えるウィーバー・スタンスも、どうにもサマになっていない。特訓したんだとは思うけど……。銃のグリップがシロートのようだ。

 これは1つには脚本で、1つにはアクション・シーンの監督……アクション監督はいないようだから、殺陣師、スタント・コーディネーターか。本作のスタント・コーディネーターはアラン・フィグラルツ。襲撃一味の1人を演じてもいる。それとも編集か。まっ、結局は監督ということかもしれない。リュック・ベッソン印だし……。

 凶悪犯罪者が息子を殺されたといって復讐するというのでは説得力がない。1人にこれだけの人間を殺されているのだから、また返り討ちに遭うのがオチではないか。仮にうまくいったとしても、大きな被害が出ることは明らか。そんな代償を払う価値があるとは思えない。まっ、復讐をしないと組のメンツが保てないとか、他の組から馬鹿にされるとかなら、まだ納得できるが……。

 ちなみに今回時間制限は無く、「96時間」は関係なくなってしまっている。ただ日本で勝手に前作を「96時間」としたため今回も「96時間」とせざるを得なくなってしまったと。続編を作ると思わなかったんだろうけど……。

 父親のミルズは、敵から奪ったりして、M92FS、グロック、PT92など色んな銃を使うが、目立っていたのはシュタイアーのMかMA1。9mmならM9A1。「デンジャラス・ラン」(Safe House・2012・米/南ア)にもちょっと出ていた。敵が使っていたのはPx4、MP5、90Two、AKSUかと思ったらガリルらしいショーティなど。アメリカ大使館では護衛の軍がM2、M4カービンを使用。ちなみに父の車はトヨタ。

 リーアム・ニーソン、ファムケ・ヤンセン、マギー・グレイスの3人は前作から引き続きの出演。傭兵仲間らしいリーランド・オーサー演じるサムたちも続投。

 ギャングのボスの父親、今回のグループのボス、ムラドを演じたのはラデ・シェルベッシア。なかなか怖い感じの人で、痛快狙撃アクション「ザ・シューター/極大射程」(Shooter・2007・米)で、車いすのスナイパーを演じていた人。最近だと「ザ・エッグ〜ロマノフの秘宝を狙え」(Thick as Tieves・2009・米/独)にも出ていた。

 ボスの右腕らしい男スーコーは、スタント・コーディネーターでもあるアラン・フィグラルツ。日本は劇場未公開だが、フランスの軍の特殊部隊の活躍を描いたブノワ・マジメルの「スペシャル・フォース」(Forces speciales・2011・仏)や、実話をヒントに作られたフィルム・ノワール「あるいは裏切りという名の犬」(36 Quai des Ofevres・2004・仏)などに役者として出ている。スタント関係ではリュック・ベッソン脚本・プロデュースの「コロンビアーナ」(Colombiana・2011・仏)も手掛けている。

 脚本は、書き過ぎのリュック・ベッソン&ロバート・マーク・ケイメンの2人。ロバート・マーク・ケイメンはフィフス・エレメント」(The Fifth Element・1997・仏)以降、リュック・ベッソンと組んで脚本を書いている人で、あの信じられないような土田舎の沖縄を描いた「ベスト・キッド」(The Karate Kid・1984・米)シリーズを書いた人。うむむ。

 監督は「トランスポーター3アンリミテッド」(Transporter 3・2008・仏/英/米)や「コロンビアーナ」を手掛けたオリヴィエ・メガトン。いずれも今1つの印象。そういえば「コロンビアーナ」も素早いカットでごまかしていたっけ。リュック・ベッソンのお気に入りということか。

 公開2日目の初回、六本木の劇場は全席指定で、ムビチケで予約。30分前くらいに着いてvit専用機で入場券を発行し、コーヒーを飲みに。15分くらい前に戻るとすでに開場済み。ほぼ中高年で、男女比は6対4くらいで男性の方が多い。前作を見た人たちだろうか。場内が明るいうちにTOHOニュースが始まり、良く見えなかった。もったいない。せめて半暗にすれば良いのに。もしCMでお金を出していたら、即クレームだろうなあ。

 最終的に180席に6.5割くらいの入りはままあか。ただ、これから増えるとは思えない。それにしても、字幕、大きくない?

 スクリーンはシネスコで開いており、そのまま始まった予告編で気になったのは……新作ニュースでの「スター・トレック イントゥー・ダークネス」はJ.J.エイブラムス監督のインタビュー映像。前作が良かったので、期待したい。2013年9月公開。

 スティーブン・スピルバーグが監督する最新作「リンカーン」も明るいまま。ああ、暗くしてくれ。とにかく凄そうな感じはわかった。またダニエル・デイ=ルイスが本物に似ていること。4/19公開。

 やっと半暗になったら、こんどは若いばかカップルが携帯を懐中電灯代わりに入ってくる。入口でチケットをチェックするだけじゃなく、携帯の電源を切ってくださいと言ったらどうだろう。

 シネスコで開いているのになぜかわく付きのシネスコでTVアニメの実写化「図書館戦争」。岡田准一と榮倉奈々のコンビ。監督は佐藤信。かなりアクション満載のようだ。4/27公開。

 東野圭吾原作のミステリー、わく付きのシネスコの「プラチナデータ」は国によるDNAデータ管理を描くものらしい。PPKが出ていた。3/16公開。

 左右マスクの「脳男」は生田斗真の主演。ティーザーなので内容はわからないが面白そう。チーフスが出ていた。2/9公開。

 わく付きのシネスコの「ストロベリーナイト」はフジテレビのTVドラマの劇場版。またか。でも面白そう。

 わく付きのシネスコの「王になった男」はイ・ビョンホン主演の時代物。暴君とそっくりの影武者の男がなり代わろうとする物語。なんかよくある話のようで、「王になろうとした男」という映画もあったっけ。なかなか面白そうだけど。2/16公開。

 わく付きのシネスコの「ゼロ・ダーク・サーティ」は女性を主人公にしたビンラディン殺害計画を描いたもの。さすが「ハート・ロッカー」(The Hurt Locker・2008・日)のキャスリン・ビゲロー監督作品。これは面白そう。予告だけでもスゴイ迫力。見たい。2/15公開。

 左右マスクの「ダイ・ハード ラスト・デイ」。公開は2/14だが、まだティーザーで、内容はあまりわからない。でも、たぶん面白いだろう。そんな雰囲気がある。

 左右マスクの「テッド」はかなり面白そう。子供の時のクマのぬいぐるみがそのまま大きくなったらオヤジになってしまったというコメディ。これはかなり面白そう。なのに、なぜこんなに限定公開的なんだろう。腰を振っているクマのカットの後にR15+と出たら笑いが起こっていた。

 ロバート・デ・ニーロ主演、左右マスクの「レッド・ライト」は超能力をテーマとした映画。嘘なのか、本当なのか。かなり怖そうな感じが。2/15公開。


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