The Hunger Games: Catching Fire


2013年12月28日(土)「ハンガーゲーム2」

THE HUNGER GAMES: CATCHING FIRE・2013・米・2時間27分(IMDbでは146分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、石田泰子/シネスコ・サイズ(with Panavision、一部デジタル、一部レンズ、一部IMAX)/ドルビー・デジタル、DATASAT(IMDbではドルビーAtmosも)

(米PG-13指定)(一部ドルビーAtmosで上映)

公式サイト
http://hungergames.jp
(音に注意、全国の劇場リストもあり)

前回の「ハンガー・ゲーム」が終り、愛しあっているということで特例としてカットニス・エバディーン(ジェニファー・ローレンス)とピーター・メラークー(ジョシュ・ハッチャーソン)の2人が勝者となり、凱旋ツアーに出る。しかし2人が本当の恋人同士ではないとスノー大統領(ドナルド・サザーランド)にバレており、私にもそれを信じさせろと要求される。そこで結婚を発表するが、スノー大統領は次回の第75回「ハンガー・ゲーム」を記念大会とし、これまでの生き残りの者たちを集めたチャンピオン大会にすると宣言する。新たにプルターク(フィリップ・シーモア・ホフマン)がゲーム・メーカーとして雇われ、カットニスを陥れる舞台を用意する。そしてこれまでの生き残りが集められ、ゲームが始まる。

70点

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 なんだ、これは。つなぎかよ。「3」を作るんだ。「1」が酷い出来だったのに3作も作るなんて。しかも、長い、眠い。きっと原作が大ヒット作なので、映画化を決めた時から「3部作」とか決めていたんだろう。契約だったら作らなければならない。ただ不思議なのはIMDbで低評価だった「1」の続編の本作は8.3点(先日見たら8.1に下がっていたが、それでも高い)と高評価だったこと。どうも最近は信用できなくなってきたようだ。組織票とか入っているんだろうか。「47 RONIN」もIMDbでは割と高評価だったが、どうもアメリカでは公開されていないらしい。まだ日本くらいしか公開されていないとすると、投票しているのは誰だろう。とても日本での一般評価が高いとは思えない。そして日本公開前から評価が高かったのだから。

 監督が代わったとか、IMDbでの評価が高いとか、辛口評価の「eiga.com」でも評価が高いとか……すっかりやられた。特に3部作のつなぎの「2」は残念なことが多い。だめでもどうでも「1」から「3」に破綻なくつながなければならないため、制約が多く、冒険もできないから、つまらなくなってしまうことが多い。評価の高い「スター・ウォーズ」の最初の3部作でさえ、「2」の「スター・ウォーズ/帝国の逆襲」(The Empire Strikes Back・1980・米)は、3本の中ではいまひとつだった。そもそも「2」には解決がない。「1」は「起」だから多少めちゃくちゃができる。期待させて終わればいいのだ。「3」は「結」だからめちゃくちゃになった物語を快刀乱麻のごとく解決してみせるから面白い。ところが「2」は「承」だ。つなぎ。せいぜい「転」が精一杯。「I'm your father」くらいしかできない。

 その「2」である本作は、監督が代わったにも関わらず、世界観を変えるわけにはいかないから、気持ちを逆なでするような変なファションも変えるわけにはいかない。それらの世界観を継承しつつ、なぜか「1」をなぞる構成とはどういうことか。違うのは、冒頭に前回のゲームの結果を受けての凱旋ツアーがあるだけ。だから上映時間が132分と長いのか。志願があって、訓練があって、プレゼンがあって、グループ作りがあって、ゲームが始まると。「1」とおんなじじゃん。これでやる必要あるかなあ。ラストのラスト、そこだけが「2」らしい部分で、見て意味があったところ。ほかはどうでもいいか。

 キャストは「1」とほとんど同じ。新しいキャラは、ちょっとツンデレ的な美女ジョアンナ・メイソンとゲーム・メーカーくらい。もう1人若い男グロスもいるが、なんだかピンとこなかった。普通。

 そのジョアンナ・メイソンはジェナ・マローン。子役として活躍しているのでキャリアは長いらしい。最近では「エンジェルウォーズ」(Sucker Punch・2011・米/加)に出てアクション・シーンをこなしていた。本作ではあまり活躍していないが、この感じだと「3」では活躍するのだろう。

 ゲーム・メーカー、プルタークはフィリップ・シーモア・ホフマン。「カポーティ」(Capote・2005・米/加)でアカデミー主演男優賞に輝く名優。なのに、なぜこの作品に?。やはりこの人も「3」では活躍するのだろう。本作はつなぎの「2」だ。

 脚本は前作から替わってサイモン・ボーフォイとマイケル・アーントの2人。サイモン・ボーフォイはイギリスの人で、大ヒット作「フル・モンティ」(The Full Monty・1997・英/米)、「スラムドッグ$ミリオネア」(Slumdog Millionaire・2008・英)などを書き、最近では「砂漠でサーモン・フィッシング」(Salmon Fishing in the Yemen・2011・英)を書いている。ちょっとコメディ系の人だと思うが、前のものはともかく、最近作はどうなんだろう。

 マイケル・アーントは「リトル・ミス・サンシャイン」(Little Miss Sunshine・2006・米)でアカデミー脚本賞を受賞し、「トイ・ストーリー3」(Toy Story 3・2010・米)でもアカデミー脚本賞にノミネートされた人。

 この2人が脚本を書いているのがスゴイが、結局つなぎだからどうにもならなかったということではないだろうか。

 監督も交代し、本作はオーストリア出身のフランシス・ローレンス。キアヌー・リーヴスのオカルティックなファンタジー・アクション「コンスタンティン」(Constantine・2005・米/独)を撮った人。そのあとSFアクションの「アイ・アム・レジェンド」(I Am Legend・2007・米)も撮っている。なんと、本作の続編「3」も撮影中で、前後編になるらしい。「SPEC」か「トワイライト・サーガ」みたいではないか。

 公開2日目の初回、六本木の劇場は全席指定で、金曜にムビチケで確保。当日は12〜13分前に開場となり場内へ。観客層は若い人が多く、小学生も中高年もいたが、中学生くらいから高校生くらいが中心という感じ。特に外国の人が多かった気がする。やっぱりそういう作品なのだ。日本人にはピンと来ない感じの。まあ、とにかく外国の若い子たちはうるさい。アメリカなどではこんな感じなのだろう。最終的に男女比は半々くらい。それでも180席の6割くらいが埋まった。「3」なんか見るかなあ……。

 気になった予告編は……上下マスクの「ローン・サバイバー」はアフガンでの特殊部隊の戦闘を描くらしい。主演はマーク・ウォールバーグ。3/21公開。

 BBCの「ネイチャー」は「ディフー・ブルー」とか「アース」に続くドキュメンタリーらしい。GW公開。3D?

 「猿の惑星」の新作は、どうにかちょっとだけ動画が公開された。内容は全くわからない。

 トム・クルーズ主演、ダク・リーマン監督の新作はタイトルが良くわからなかった。……これは「オール・ユー・ニード・イズ・キル」なのか「エル・プレシデンテ」なのか、日本のライト・ノベルが原作で、トム・クルーズがジャック・ニコルソンに共演を望んだとか何とか。夏公開。

 上下マスクの「マレフィセント」はアンジェリーナ・ジョリーの実写版「眠れる森の美女」らしい。7/5公開だと。公式サイトはまだない模様。

 「ノア 約束の船」は聖書の物語。凄いスペクタクルになりそうだが、監督はダーレン・アロノフスキーだからストレートなものではないだろう。ラッセル・クロウとジェニファー・コネリー共演。6月公開。

 めいぐるみのクマが大活躍する「テッド」の監督セス・マクファーレンの新作「ア・ミリオン・ウェイズ・トゥ・ダイ・イン・ザ・ウエスト」は西部劇らしい。主演はシャーリーズ・セロン? 一体どんな映画になるのか。「テッド」が出ただけで若い人たちから歓声が上がっていた。

 矢口史靖監督の新作「ウッジョブ」は林業の話のようだった。5/10公開。上下マスクの「クローズ」はシリーズ最新作ということらしく、まだやるのかと。4/12公開。酪農の実写版「銀の匙」は3/7公開。

 上下マスクの「アナと雪の女王」は歌が1コーラス入っている新予告に。これだけで圧倒されてしまうところがまたスゴイ。3/14公開。

 上下マスクの「アメリカン・ハッスル」はFBIと天才詐欺師が組む話らしい。しかも実話? おもしろそう。1/31公開。渡辺謙が出ている「GODZILLA」は7/25公開。

 スクリーンが左右に広がって本編へ。


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