Big Hero 6


2014年12月21日(日)「ベイマックス」

BIG HERO 6・米・1時間48分(IMDbでは102分)

日本語字幕:手書き風書体下、藤澤睦実/シネスコ・サイズ(デジタル)/ドルビーAtmos(IMDbではドルビー・デジタルとDATASATも)

(米PG指定)(日本語吹替版、3D上映もあり)

同時上映「愛犬とごちそう」(短編)
FEAST・2014・米・6分

日本語字幕:手書き風書体下、翻訳者名表記無し/シネスコ・サイズ(デジタル)/ドルビーAtmos

(米G指定)(日本語吹替版、3D上映もあり)

公式サイト
http://www.disney.co.jp/movie/baymax.html
(全国の劇場リストもあり)

14歳の少年ヒロ・ハマダ(声:ライアン・ポッター)は、3歳の時に両親を亡くし、大学生の兄タダシ(声:ダニエル・ヘニー)とともに、叔母さんのキャス(声:マーヤ・ルドルフ)と暮らしていた。そしてヒロはロボット工学の天才的な才能を使って、ストリートのロボット・ファイトで小遣い稼ぎをやっていたが、それを知ったタダシは自分の大学の研究室を見せ、その才能があれば工科大学への特進も可能だと、大学関係者も訪れる年に1回のショーケースで発明品を発表してアピールするように勧める。奮起したヒロは画期的な「マイクロボッツ」を開発し、大学ばかりかロボット産業界からも注目されることになる。


83点

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 評判どおりの出来映え。泣かすなあ。クライマックスで、あちこちからクシュクシュという音が聞こえていた。ボクも危うく涙がこぼれそうに。それまでは、逆にあちこちから笑い声が起っていた。アニメらしく笑える。だいたいベイマックス自身、楽しげな外見だ。この心温まる笑いから、感動の涙へのスムーズなつながりがうまい。ラストのAIの歌も歌詞がストーリーと連動していて、泣かせる。劇場を出る時、「泣いたわー」の声があちこち。エンド・クレジットの途中で出る人は少なかった。まあ、ラストにオマケ映像があるのだが、皆知っていたのか。それとも泣いたからすぐ立てなかったのか。

 未来のファンタジーSFアドベンチャー。本当に冒険山盛りで、ラストにはとんでもない大スケールの決闘までが用意されている。絵に描いたような(描いてるけど)冒険映画。ディズニーらしいというか、ピクサーのような映画。まあ、製作総指揮のジョン・ラセターはピクサーのトップで、ピクサーがディズニーに買収されてディズニー・アニメの重役になったわけで、似てくるのは当たり前か。

 世界観も独特で、完成されている。サンフランシスコ+東京。若干、中国っぽい気がしないでもないが、それはしようがないのだろう。ラストのヒロ(ヒーローのヒロ?)たちは、ベイマックスを除けば5人のヒーローたちはまさに5レンジャーではないか。確か壁な掛けてあったお面のようなものも5レンジャーだった気がする。そして雰囲気は「Mr.インクレディブル」(The Incredibles・2004・米)と似ている。ちゃんとキャラが立っていて、「Mr.インクレディブル」ほど現実離れしたコミック調ではなく、ありそうなところをちょっと超えたくらいで、それぞれに魅力的というのがいい。

 ベイマックスのキャラはオリジナルで親しみやすいが、どことなく「ドラえもん」に似ている気はする。ベイマックスの顔は鈴から取っているそうだが、ドラも鈴をつけているし、のび太くんを守るロボットで、彼を幸せにするためがんばるわけだ。ロケット・パンチは「マジンガーZ」っぽいけど。

 ベイマックスの声はスコット・アツィット。TVで活躍していた人で、マット・デイモンとスティーヴン・ソダーバーグの「インフォーマント!」(The Informant!・2009・米)に出ていたらしい。

 ロバート・キャラハン教授の声は、ちょっと最近、悪役が多くなってきた名優のジェームズ・クロムウェル。最近「リーガル・マインド〜裏切りの法廷〜」(The Trials of Cate McCall・2013・米)に出ていたらしいが、小劇場での公開で見ていない。そのまえはTVシリーズのレギュラーがあって、その前にアカデミー賞を受賞した「アーティスト」(The Artist・2011・仏/ベルギー/米)に出ている。まさか声優をやるとは。

 タダシの友達のお金持ちの息子のオタク、フレッドの声はT・J・ミラー。残念な「トランスフォーマー/ロストエイジ」(Transformers: Age of Extinction・2014・米/中)に確かオタッーな役で出ていた。

 黒髪のちょっと斜に構えた女の子ゴーゴーの声はジェイミー・チャン。ガールズ・アクションの「エンジェル・ウォーズ」(Sucker Punch・2011・米/加)に出ていた人。

 ハニー・レモンの声はジェネシス・ロドリゲス。「ラストスタンド」(The Last Stand・2013・米)にFBIエージェントで出ていた人。

 巨大企業クインテック社の社長アリスティア・クレイの声はアラン・テュディック。最近「42 〜世界を変えた男〜」(42・2013・米)に出ていた。どちらかというと悪役の多い人で、「トランスフォーマー/ロストエイジ」や「3時10分、決断のとき」(3:10 to Yuma・2007・米)にも出ていた。意外と声優もやっているようで、「アナと雪の女王」(Frozen・2013・米)ではウェーゼルトン公爵の声をやっている。

 脚本は、クレジットされているのが、ストーリーを考える人が2人、さらにキャラクターを考える人も2人いて、脚本に起こした人が3人。書いた3人はジョーダン・ロバーツ、ダニエル・ガーソン、ロバート・L・ベアード。

 ジョーダン・ロバーツはアニメの人ではないようで、監督もやっているが日本で劇場公開されていない模様。ダニエル・ガーソンは「モンスターズ・インク」(Monsters, Inc.・2001・米)からアニメに関わるようになったらしい。ロバート・L・ベアードはダニエル・ガーソンとよく一緒に仕事をしているようで、「チキン・リトル」(Chicken Little・2005・米)や「カーズ」(Cars・2006・米)追加脚本や、最新作は「モンスターズ・ユニバーシティ」(Monsters University・2013・米)。

 監督はドン・ホールとクリス・ウィリアムズの2人。ドン・ホールはアニメのストーリー担当から始まって、「ルイスと未来泥棒」(Meet the Robinsons・2007・米)の脚本を担当し、「くまのプーさん」(Winnie the Pooh・2011・米)で監督へ。クリス・ウィリアムズのもアニメのストーリー担当から脚本も手掛けるようになり、ドン・ホールとともに「チキン・リトル」に関わっている。最近では「アナと雪の女王」のストーリーにも関わっている。監督としては「ボルト」(Bolt・2008・米)についで3本目。

 公開2日目の字幕版初回はお昼ころのスタートで、10分前くらいに開場。下は小学校1年生くらいから、上は中高年まで。しかし小学校低学年で字幕は読めるのか。全体に若い人が多い感じ。老若比は3.5対6.5くらいで若い人の方が倍くらい多かった。男女比は4対6で女性。つまり若い女性が多かったと。外国人もチラホラ。最終的には287席がほぼすべて埋まった。

 やはりスクリーンはシネスコ・サイズで開いていて、気になった予告編は……四角の枠で「ミュータント・タートルズ」は、絵がすごそうなんだけど、なんだか全部CGに見えてしまうのが気になる。それにしても、忍者なのになんで全員ラテン系というか、イタリア系の名前ばっかりなんだろう。2/7公開。

 ピクサーのCGアニメ新作は、左右マスクの「インサイド・ヘッド」。どうも少女の頭のなかのお話らしいが、これで面白くなるんだろうか。まだよくわからない。7/18公開。

 四角枠で「シンデレラ」は新予告に。ティーザーではガラスのヒールのみだったのが、ついに登場人物がそろって、ドラマの形が見えてきた。この時点ではヒロインと王子さまはあまり日本人好みじゃないかも。4/25公開。

 新しい絵はなかったが「アナと雪の女王」の続編となる短編、「フローズン・フィーバー」が春に公開されるらしい。公式サイトはまだない模様。

 マスクが左右に広がって本編へ。


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