2016年1月9日(土)「ブリッジ・オブ・スパイ」

BRIDGE OF SPIES・2015・米・2時間22分(IMDbでは141分)

日本語字幕:丸ゴシック体下、松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ、Arri 、Hawk)/ドルビー・デジタル(IMDbではDATASATも)

(米PG-13指定)

公式サイト
http://www.foxmovies-jp.com/bridgeofspy/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1959年、米ソ冷戦下のニューヨークで、保険専門の弁護士ジェームズ・ドノヴァン(トム・ハンクス)は、スパイ容疑で逮捕されたルドルフ・アベル(マーク・ライランス)の弁護を任される。専門外の仕事だったが、しぶしぶ受けると、どうにか死刑を免れることができる。その結果、周囲からは白い目で見られ、何者かに家族が銃撃される事件まで起きる。そんなとき、アメリカ空軍のフランシス・ゲイリー・パワーズ(オースティン・ストウェル)が乗ったU2偵察機がソ連領内で撃墜され、捕虜となってしまう。ソ連から人質交換の話が持ちかけられ、CIAから交渉役としてドノヴァンが選ばれる。

82点

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 実話に基づいた物語。良い話。心が温かくなった。主人公は素晴らしい人物で、こういう人もアメリカにはいて、それを許すのがアメリカだという賛歌のような気もしたが、感動した。もちろん一方で、ソ連をスパイしろと若者を送り込むアメリカもあって、捕まりそうな時は機体と共に散れと、特攻隊のようなことをさせる面も描かれている。敵国スパイを死刑にしろと銃を手にとって過激な行動に出る人もいる。そこも描いているところはさすが世界を相手にしているハリウッド作品。

 スピルバーグ監督は、1950年代から1960年代にかけての話であり、たぶんかなり予算をつぎ込んで、当時の町並みや車、人々のファッション、喫煙習慣などもしっかり描きながら、わざとフェード・インやフェード・アウト、人々が話していると1人の人にカメラを動かして寄ったりと、古い手法を使いながら雰囲気を作って行ったような気がする。しかも、あえてフィルムで撮影し、色調も古そうな感じにしているようだ。さすがスピルバーグ。

 ちょっと気になったのは、主演のトム・ハンクスが出てくるといつも、眉間に深いしわを刻んでいること。しかめっ面。ちょっと度が過ぎるかなと。

 決して楽しい話ではない。どこかずっとヒヤヒヤしているような感じがずっと漂っている。恐ろしい国に取り残されてしまうような恐怖感。だからこそラスト、ほっと息がつけるのだろう。そこはうまいなあ。ただ、本当にアベルがどうなったのかはわからないが。

【ただいま執筆中。少々お待ちください】

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、ムビチケカードで確保。当日は12〜13分前に開場。観客層は意外と若い人もいたが、メインは高齢寄り。実話に基づく冷戦時代の話なので、当然だろう。最初は男女半々くらいだったが、最終的には4.5対5.5くらいで女性が多くなった。なぜなんだろう。若いハリウッド・スターは出ていないが…… トム・ハンクスか。そういえば前作「ウォルト・ディズニーの約束」(Saving Mr. Banks・2013・英/豪/米)でも若い女性が多かった。しかも287席の8割くらいが埋まった。

 スクリーンはシネスコで開いていて、気になった予告編は…… 愛の助の新作情報で、多部未華子の「あやしい彼女」は韓国映画であったような。73歳なのに20歳に見える女の子のコメディらしいが。4/1公開。

 1枚の絵だけの「殿、利息でごさる!」はまったく内容不明。ただ主演が阿部サダヲらしいことがわかっただけ。5/14公開。

 ほぼ暗くなっての予告では…… 四角の枠付き「オートマタ」は「アイ、ロボット」(I, Robot・2004・米/独)っぽいアンドロイドが登場するロボット社会を描くSFらしい。アントニオ・デンデラスというのがお久しぶりという感じだが、どうか。3/5公開。

 内容はわからないが、左右マスクの「クリーピー」は、西島秀俊と香川照之の「劇場版MOZU」(2015・日)コンビに、「ソロモンの偽証」(2015・日)の藤野涼子という顔合わせ。ホラーっぽかったが…… 6/18公開。

 枠付き「ザ・ブリザード」は新予告。実話の映画化で、32名を定員12名の救出艇で救助に行く沿岸警備隊の話らしい。しかも制限時間が3時間。強烈。2/27公開。

 枠付きの「ヘイトフル・エイト」はクエンティン・タランティーノの新作。冬が舞台の西部劇かと思ったら、その設定の密室ミステリーらしい。2/27公開。

 枠付き「ブラック・スキャンダル」は実話の映画化らしく、かなりダークなギャングものの雰囲気。ベネディクト・カンバーバッチも出ているが、何よりジョニー・デップのハゲ・メイクが凄くて、それしか印象に残らない。すごく悪そう。1/30公開。

 そしてついに枠付きの「インデペンデンス・デイ:リサージェンス」はあのSF大作の続編。今度は敵宇宙船団はもっと巨大らしい。監督は誰なんだろう。気になるところ。夏公開。

 枠付きの「レヴェナント:蘇えりし者」は新予告。猟に出て熊に襲われて重傷を負い、仲間から足手まといになるからと土に埋めて殺されそうになり、息子も殺されてしまった男の復讐劇。実話だというのが恐ろしい。4月公開。

 映写機のマスクが左右に広がって本編へ。


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