2016年1月23日(土)「エージェント・ウルトラ」

AMERICAN ULTRA・2015・米/スイス・1時間36分

日本語字幕:縁付き丸ゴシック体下、稲田嵯裕里/ビスタ・サイズ(デジタル、Alexa)/ドルビー・デジタル(IMDbではAuro 11.1も)

(米R指定、日R15+指定)
公式サイト
http://agent-ultra.jp
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

マイク・パウエル(ジェシー・アイゼンバーグ)はコンビニのレジ係で、恋人のフィービー・ラーソン(クリステン・スチュワート)と同棲中だが、そろそろプロポーズしようと思っている。しかし、2人とも薬物常習者で警察から目をつけられており、さらにマイクは町を出ようとするとパニックに襲われるため、2人で旅行に行くことも出来ない有り様。そんなある日、マイクの店にCIAのエージェント、ヴィクトリア・ラセター(コニー・ブリットン)が現れ、謎の呪文のような言葉を告げる。するとマイクの中で何かが反応し、駐車場にいた「タフガイ」と呼ばれるプロの刺客2人を、卓越したテクニックであっという間に倒してしまう。実は、CIA内でラセターと対立するエイドリアン・イェーツ(トファー・グレイス)が、極秘計画を隠ぺいするため「ワイズマン」ことマイクを、「タフガイ」たちを使って葬り去ろうとしていたのだ。

72点

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 なかなか面白いアクション。たぶんコメディ・テイストなのだろうが、ドラマ部分がリアルで重く、暴力表現もリアルでどぎついため、とてもバランスが悪く、笑えない。そこが問題。この微妙なバランスさえ取れていれば、傑作になったのでは。惜しい。

 冒頭のドラマ部分は、ジャンキーという設定にしてしまったため(映画の中では大麻で、軽犯罪と言っているが)同情できない。大麻なんか買う金があるなら、専門学校とか職業訓練所とか行けよという感じ。みずから「バカップル」とか言ってんだから、どうしようもない。ともにバカにしか見えない。しかもシリアスに撮っていて、名優たちが演じるから、それがリアルで説得力がある。どうしようもない行き詰まり感。冒頭から乗れない。それどころか、落ち込む。これで笑えるはずがない。

 設定はアメコミのスーパー・ヒーローもの的で、荒唐無稽。超人エージェント化とか、1人を葬るために、いちエージェンとごときが陸軍を動かし、空軍のドローンにミサイルまで搭載して、田舎の町を1つ吹っ飛ばそうとするなんて。そして、小さなところでは、フライパンを投げ上げて、銃弾を反射させて敵を倒すとか…… 反射しないで貫通するって。漫画かコメディでしかあり得ない世界観を、リアルに、真剣に、バイオレンスたっぷりに、グロく描いている。そして、ラスト、リスタートでホテルのロビーのようなところでマイクとフィービーがキスをするのだが、それがセックスを想像させるような濃厚なキス。バランス、悪いなあ。ラストなんだし、そこまで必要ないだろ。

 銃撃戦はスゴイ。格闘技も見事。ただ一部、撃たないシーンで銃は、いわゆるプロップが使われていたようで、真ん中にパーティング・ラインが見えたり、レグイザモのM92を奪うとき途中で一瞬グロック(かと思ったらIMDbではS&Wと)になったり、注意が行き届いていない感じも。

【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開初日の初回、新宿の劇場は全席指定で、金曜にムビチケカードで確保。当日は15分前くらいに開場となった。若いカップルの話だが、観客層はほぼ中高年。若い人はほんの少し。女性は1/5くらい。最終的には157席に5.5割くらいの入り。まあ、しようがないか。関係者が5〜6人もいて、多すぎるって。

 スクリーンはビスタ・サイズで開いており、気になった予告編は…… 上下マスクの「オートマタ」はなぜ画質が良くないのだろう。TV画質なのか。色もあまり良くないような。予告で気合いを入れてなければ、見たい気にさせられないと思うけど。3/5公開。

 上下マスクの「ボーダーライン」は麻薬取り締まり官の特殊部隊の物語らしい。どうも主人公は女性で、エミリー・ブラントが演じている。ほかにベニチオ・デル・トロ、マッシュ・ブロヘーリンも出演。4/9公開。

 「ザ・ブリザード」は新予告に。だけど、なぜかこの映画、前売り券がなくて、オンライン券しかないらしい。出来が良くないのだろうか。予告では面白そうなんだけど。2/27公開。


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