2016年1月17日(日)「シーズンズ 2万年の地球旅行」

LES SAISONS・2015・仏/独・1時間37分

日本語ナレーション:笑福亭鶴瓶、木村文乃/シネスコ・サイズ(デジタル?、Panavision、ARRI)/ドルビーATMOS


公式サイト
http://gaga.ne.jp/seasons/
(音に注意。全国の劇場リストもあり)

1万年前、地球の氷河期が終わり、温暖化して行く中、寒さに対応した生物は寒い北へ向かった。やがて木が生い茂り、森ができると多様な生物が生まれて行く。そんな中、人間が登場し、森を平原に変え、次々と木を伐採していった。生物は生存場所を失い、犬や猫のように人間と共に生きようとするものも現れる。しかし自然破壊は進み、いつしかこのツケを払わなければならない日がやって来る。

70点

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 ネイチャー・ドキュメンタリーとは言いながら、かなり主張に沿ったストーリー構成となっているので、とても教訓的で大自然素晴らしさや、野生動物の生態などがあまり入ってこない。ストーリー性があり過ぎのような気がする。せっかく高画質で、驚異的な映像がたくさん盛り込まれているのに、もったいない。半分くらいは眠くて、気を失いそうになった。

 とにかく絵は素晴らしい。美しく、雄大で、なかなか見られないような貴重なものばかりという感じ。とても高画質でシズル感もたっぷり。作った音なのか生音なのかわからないが、音響効果も立体的で、高音質。

 大自然の素晴らしさがあまり伝わってこないのは、主張が強すぎるからではないだろうか。だから、直前にTVでやっていた宣伝用のメーキングの方がおもしろい。こんなに苦労して撮っていたんだと。そして、できるだけ自然な姿を捕らえるため、お金と時間をかけ、丁寧に撮影したのだと。そっちの方が感動的。つまり、それは撮影の様子を捕らえた本当のドキュメンタリーだから。「人間が自然を破壊した」という主張はよく理解できるが、ストーリーのないのがドキュメンタリーで、自然なのではないだろうか。

 フランス版はどうなのかわからないが、日本語のナレーションでは「しかし共存、共栄の道はある」と結んでいたが、1つもその道は示されない。本作を見ると、道はないように思える。温暖化を止めるとか、飢餓を止めるとかそういう話ではない。それを超えたレベルの話。この説で行くと、人間は地球の癌のようなもので、取り除くしか手はないように思える。人間が絶滅しなければ、多くの野生生物、植物は復活できない。そういう話のように思える。だから見終わった後、感動もないし、重い気持ちになってしまう。

 期間限定で子供(小学生以下)は500円ということだが、この重くて難しいテーマの作品は子供には難しいと思う。たぶんこの作品を見ても、自然への興味は湧かないと思うし、楽しめるとも思えない。大人でもそうなのだから。

【ただいま執筆中。少々お待ちください】


 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、たまったポイントで鑑賞予約。当日は16〜17分前に開場。観客層は中高年がメインで、最初、男性が8人の女性が2人。そのあと小学生くらいの女の子を連れた母親や父親など2-3組来たが、最終的に122席の3割ほどしか埋まらなかった。この作品は子供には楽しめないだろうし、この先も観客が増えるとは思えない。良い映像なのに構成が……もったいない。

 気になった予告編は…… 子供が多く来ることを予測したのか、子供向けのアニメ作品の予告が多かった。「コナン」「クレヨンしんちゃん」「ドラえもん」などなど。残念ながら観客ほとんど大人ばかり。

 四角の枠付き「ズートピア」はディズニーの3D-CGアニメ。大人も楽しめそうだったが、新予告になったら、ちょっと子供向けかも。微妙。4/23公開。

 枠付き「アーロと少年」も同じくディズニーの3D-CGアニメ。こちらはキャラから子供向けの感じ。新予告に。3/12公開。

 枠付き「ビューティー・インサイド」は大人向けの韓国映画。目覚めるたびに外見が変わる男性のラブ・ストーリーらしい。1役123人とか。1/22公開。

 そのまま暗くなって本編へ。


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