2017年12月24日(日)「カンフー・ヨガ」

功夫瑜伽・2017・中/印・1時間47分

日本語字幕:丸ゴシック体下、アンゼたかし/シネスコ・サイズ(デジタル、Red)/ドルビー・サラウンド5.1


監督・脚本:スタンリー・トン
製作総指揮:ジャッキー・チェン
撮影:ホーレス・ウォン
出演:ジャッキー・チェン、アーリフ・リー、
 レイ、ソーヌー・スード、ディシャ・パタニ、ほか

公式サイト
http://kungfuyoga.jp/
(全国の劇場リストもあり)

古代の遺物を損なうことなく表面の分析が可能な試薬を開発した考古学の大学教授ジャック(ジャッキー・チェン)の元を、インドの博物館のアミスタ博士(ディシャ・パタニ)が訪れ、インドの古代マガダ国の宝物の場所を記した地図があるが、何が書かれているかまったくわからないので、教授の技術で解読してくれないかという。すると、その場所は高地にある氷河の下だと判明。ロボット技術を持つトレジャー・ハンターのジョーンズ(アーリフ・リー)にも声をかけ、助手のシャングァン(レイ)とヌゥオミン(ムチミヤ)らと共に探索チームを組む。しかし失われた財宝を手に入れようとするランドル(ソーヌー・スード)率いるインドのギャングたちが跡を追って来ていた。


71点

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 コテコテのジャッキー映画。たぶんジャッキー・ファンにはたまらないだろう。美男、美女、悪党、世界を股にかけた大冒険、宝探し、格闘技、カーチェイス(それもスーパーカーで、ドバイの王族から借りて撮影中に壊したらしい)、笑い…… お約束の要素、パターンがてんこ盛り。水着シーンはスローになる。ストーリーはもちろん、ギャグまで定番通りの展開。安心して見られる。そういう意味では、年末に家族で一緒に笑いながら見るのには最適かも。ボクはちょっと眠かったが……。

 まあ、数年前の「ライジング・ドラゴン」(Sap ji sang ciu・2012・香/中)とほとんど同じ内容。主人公がトレジャー・ハンターから大学の考古学教授になり、絡んでくるのが日本人のグループからインド人のグループに変わっただけという感じ。また本編中でもジャッキーが言っているが、ほとんどこれは「レイダース/失われたアーク《聖櫃》」(Raiders of the Lost Ark・1981・米)。冒頭の大学での授業シーンからしてソックリ。

 それでも今回はインドということで、ラストはインド映画お約束のダンス・シーンで締めている。センターで踊るジャッキーが楽しそう。ただ、ちょっと違うのは、中国のおかげで世界の宝が戻ったとか、「一帯一路」などのスローガンまで取り込んでいること。そしてジャッキー映画といえば、いつもは三菱自動車なのに、今回は日産のインフィニティになっていることかな。

 ジャッキーのアクションはまだまだキレキレで、格闘シーンも多い。さすがにラストのNGシーン集はなかったけど。体を張ったアクションは素晴らしいが、やはりCG、3D-CGは使い過ぎという感じ。冒頭の古代インド軍と中国軍の戦いのシーンは、将軍がジャッキーに似ていたり、象や馬がかなり写実的でリアルだったが、なんだかゲームのデモ・シーンみたいで鼻についた。そして本編のライオンやハイエナ、コブラなどもリアルなのだがCGっぽくて、カー・チェイスを含めてはや回しもあったし…… だが、そういうところも楽しむ映画なのだ、たぶん。これだけのアクションで、だれも死ぬところは出ないし、血も流れない。ファミリー・ムービーだから。

 銃は、インドのギャング達が、氷河のシーンではベレッタM92を、ドバイのカー・チェイスではグロック風の銃を使う。ノートPCはMacBook。カメラはキヤノン。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前に確保。当日は15分前くらいに開場。10分前くらいからシネマチャンネルを上映。観客層は下は中学生くらいから、上は中高年まで幅広かった。さすがジャッキー映画。男女比は6対4くらいで男性の方がちょっと多い感じ。最終的には88席の小さなスクリーンに8.5割くらいの入り。キャパが小さいからなあ……。


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