2019年9月16日(月)「記憶にございません!」

2017・フジテレビ/東宝・2時間07分

シネスコ・サイズ(表記無し)/音響表記無し

(一部、日本語字幕付き上映もあり)

監督・脚本:三谷幸喜
撮影:山本英夫
出演:中井貴一、
   ディーン・フジオカ、
   小池栄子、
   草刈正雄、ほか

公式サイト
https://kiokunashi-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

歴代もっとも人気のない総理大臣、黒田啓介(くろだけいすけ、中井貴一)は、演説中に石を投げつけられ、頭部に命中、入院する。気付くと政治家になってからの記憶がすっかり抜け落ちてしまい、妻や子供の名前もわからない始末。それを知った3人の秘書官、井坂(いさか、ディーン・フジオカ)馬場(ばば、小池栄子)、野々宮(ののみや、迫田孝也)らは、医師たちに口止めをすると、この機会を利用して、自分たちのやりたいことをやろうとする。黒田は何もわからず、話し方もていねいになり、普通の人として振る舞い記憶喪失を知られないようにしているうち、フリーライターにゆすられ、自身不倫をしていて、妻は浮気、息子は非行に走ろうとしていることを知る。


75点

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 笑った。面白かった。そして感動した。意外にも心に刺さって、涙がこぼれそうになった。まっすぐな心って、通じるんだなあと。シンプルで、幼稚かもしれないけれど、ピュアで一生懸命な思いは、理屈抜きにストレートに伝わってくると。中井貴一がイイ!、そして悪役の草刈正雄がイイ! 草刈正雄はベストかも。木村佳乃、英語うまっ!

 ひょっとして、これは三谷幸喜の「スミス都へ行く」(Mr. Smith Goes to Washington・1939・米)なのではないだろうか。現代の日本に置き換えたら、こうなるのでは。「スミス……」の感動と通じるものがあったような。監督のフランク・キャプラのことはよく三谷作品に登場する。「ステキな金縛り」(2010・日)でも言っていた。「ステキな……」は「天国は待ってくれる」(Heaven Can Wait・1943・米)的だったが。

 画質は良くなかった。狙いなのか、なんだか古い映画を見ているみたい。解像度が低く、色もモヤっとした感じ。フィルムで撮っているのだろうか。ファンタジーだとしても現在の話であり、もっと高画質にできたのでは? もったいない。シズル感も全くなし。セットや化粧がばれるから?

 音は聞き取りやすく、音質も悪くなかった。ちゃんと回っていたのでサラウンド。日本だとドルビー・デジタルではないかと思うが、表記はなかった。

 総理に社会科を教える元小学校教師が気になった。誰だか、さっぱりわからなかったのだが、クレジットで山口崇とあった。まだベルが鳴らなかったが、公式サイトを見たらNHKの『天下御免』で平賀源内をやっていた人だった。三谷幸喜監督が『天下御免』のファンで、出演してもらったんだとか。

 公開4日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は12〜13分前に開場。観客層は若い人から中高年まで幅広く、男女比は4対6くらいで女性の方が多かった。三谷作品ならではか。最終的に499席の9割ほどが埋まった。9席×2列のプレミアム席はすべて埋まった。すごい。

 CM・予告のあと、暗くなってTCXデモ、まぶしい足元注意があって、映画泥棒からフル・スクリーンの本編へ。

 それにしても、隣がIMAXスクリーンで、下がMX4Dスクリーンだからか、予告の時点から振動が伝わってきて、不快だった。どうしても地震を想像してしまい、なかなか慣れない。場内も一瞬だがザワザワしていた。


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