2019年9月15日(日)「プーライベート・ウォー」

A PRIVATE WAR・2018・英/米・1時間50分

日本語字幕:丸ゴシック体下、松岡葉子/シネスコ・サイズ(2.39、デジタル、IMDbではArri Alexa)/音響表記無し(公式サイトでは5.1ch)

(英15指定、米R指定)

監督:マシュー・ハイネマン
原作:マリー・ブレナーの『ヴァニティ・フェア』誌の記事に基づく
脚本:アラッシュ・アメル
撮影:ロバート・リチャードソン
出演:ロザムンド・パイク、
   ジェイミー・ドーナン、
   トム・ホランダー、
   スタンリー・トゥッチ、ほか

公式サイト
http://privatewar.jp
(全国の劇場リストもあり)

イギリス『サンデー・タイムズ』紙の記者、メリー・コルヴィン(ロザムンド・パイク)は、世界中の戦場を取材したベテラン。2001年、上司のショーン・ライアン(トム・ホランダー)が制止するのも聞かず、次の取材先としてジャーナリストの入国が禁じられているスリランカに潜入する。そして銃撃戦に巻き込まれ、左目の視力を失う。それから隻眼のジャーナリストとして、アイ・パッチをして活動を続け、2003年、イラクに入ると、フリー・カメラマンのポール・コンロイ(ジェイミー・ドーナン)を雇い、12年前のサダム・フセインによる大量殺戮の証拠を見つけ、大スクープをものにする。


74点

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 女性戦場記者の実話の映画化。ショッキングで、強烈で、居心地が悪かった。決して楽しい映画ではない。落ち込む。ドキュメンタリーな感じで悪くないが、カップルで見に行ったら、このあと会話が弾むということはないだろう。テーマはシリアスで、あまりにも重く、大きい。そして主演のロザムンド・パイクがうまい。たばこ吸いまくりで、全裸でがんばっている。でも、最近出まくりだなあ。

 戦場記者や戦場カメラマンの話はよく映画化されていて、どれも悲惨なものばかり。
「アンダー・ファイアー」(Under Fire・1983・米/メキシコ)、「キリング・フィールド」(The Killing Fields・1984・英)、「地雷を踏んだらサヨウナラ」(1999・日)、TV「輝ける瞬間」(1999・日)……などなど。他にもあるが、とにかく命がけの仕事。自己責任という話もあるが、本作を見ると、記者が戦場へ行く心境がよくわかる。紛争の当事者同士は自分に都合の良いことしか言わない。実際に現場を見て、現場で起きていることを誰かが伝えないと…… それにより、たくさんの悲惨な死を目にし、自らも死にそうになったり、殺されそうになったり……そしてPTSDのようになって、タバコを吸いまくり、アルコールにハマる。うむむ。

 現実の話として、日本でも2012年、シリアで取材中の日本人女性記者が銃撃され亡くなっている。まさにアサド政権下の現地取材中だった。

 銃は、ほぼAK47。アメリカ軍はM4。マシンガンはPK/PKM/PKPあたりか。

 銃声は、銃種ごとに違ったのか気付かなかったが、リアルな感じではあった。とくに弾着は見事で、カツン、カツンと当たる音はサラウンドになっていたようで、よりリアル。ただ、いかんせん音は良くても大きさがいまひとつ。小さすぎ。砲弾の爆発も同様。突然の驚きや怖さがない。もっと禍々しくて恐ろしくないと。

 ラスト、エンド・クレジットで本物のインタビュー、写真、記事が出る。うむむ。あらためて実話だったんだと思い知らされる。

 公開3日目、日比谷の劇場は全席指定ながら、昭和の趣を残す少ない劇場の1つで、今回は運が悪く、前席がデカいヤツ。普通、背もたれから頭しか上に出ないのに(背もたれも昭和式で低い)、肩が軽く出るくらいの巨漢が! しかも中央の席だったので左右に逃げられない。終わった。字幕がほぼ見えない。ああ、字幕をスクリーンの上に出してくれ。せめて昭和式にタテに出れば読めるのだが。いまだに東京でこういう劇場が残っているなんて! ずっと背伸びする感じで見たので疲れた。ストレスもたまりほうだい。

 20分前くらいにエレベーターに乗れるようになり、場内へ。観客層は、若い人から中高年までいたが、メインは高齢者。白髪がたくさん。男女比は7対3くらいで、男性が多かった。最終的には224席に9割くらいの入り。こんなに入るとは意外。外国人のカップルも1組。

 スクリーンはビスタで開いており、シネマ・チャンネルのあとほぼ暗くなってCM・予告、マナーから暗くなって、スクリーンが左右に広がってシネスコになり、足元注意、映画泥棒で本編へ。


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