2020年1月5日(日)「マニカルニカ ジャーンシーの女王」

MANIKARNIKA: THE QUEEN OF JHANSI・2019・印・2時間28分

日本語字幕:丸ゴシック体下、藤井美佳/シネスコ・サイズ(表記なし、IMDbでは2.35、ビスタにマスクで上映)/表記なし(IMDbではドルビーATMOS。公式サイトではDCP 5.1ch)
(印カット版UA指定、日PG12指定)(2週間限定ロードショー公開)

監督:ラーダ・クリシュナ・ジャガルラームディ
脚本:K.V.ヴィジャエーンドラ・プラサード
撮影:キラン・デオハンス、
   サーチン・クリシュナ、
   グナナシェカールV.S.
出演:カンガナー・ラーナーウト、
   ジーシュ・セーングプタ、
   ダニー・デンゾンパ、ほか

公式サイト
http://manikarnika-movie.com
(全国の劇場リストもあり)

1828年、インドのヴァラナシで僧侶に娘が生まれマニカルニカと名付けられると、宰相によって息子たちと一緒に育てられる。マニカルニカ(ンガナー・ラーナーウト)は読書好きで、しかも剣や弓、乗馬などでめきめきと頭角を現す。そんな頃イギリス軍を擁する東インド会社がジャーンシー国を併合しようとしていたことから、跡継ぎのなかった藩王(ジーシュ・セーングプタ)は、1842年、マニカルニカを妃として迎えることにする。


72点

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 最近よく作られているインド史劇の1本という感じ。実話に基づき、ちょっと過剰なまでの演出を加えたというところか。基本の歌と踊りを取り込み、ちょっとミュージカルのようになりつつも、「パドマーワト女神誕生」(Padmaavat・2018・印)や「KESARI/ケサリ21人の勇者たち」(Kesari・2019・印)などと同じ印象。公式サイトによると、2部作「バーフバリ 伝説誕生」(Bahubali: The Beginning・2015・印)の脚本家が本作も書いているという。

 ほかのインド史劇同様、最初に、史実を基に脚色したもので、他者を中傷する意図はなく、動物はCGで傷つけられていないと出る。

 前半は大げさでわざとらしく、いかにも作り話というか伝説とか昔話的な内容、演出で、付いていけなかった。東インド会社とイギリス軍は、ただただ徹底的に悪い。人じゃないくらいの扱い。そして、トラのエピソードは「パドマーワト」でもやってなかった? 王宮の豪華な衣装とセットは素晴らしかったけど、ほかでもやってるからなあ。そんなわけで、せっかく歴史的大事件を描いていながら、あまり入って来なかった。

 イギリスとの対立や、王位継承問題、裏切り者などの政治的なドロドロが描かれて、ラストは「民衆を導く自由の女神」というか、ジャンヌ・ダルク的になって延々と続く血まみれの戦い。子供を帯で背負って戦うとは、子連れ狼か(ちょっと違うけど)!

 とにかく長い。何度か気を失いそうになった。そして新しいことはないような感じ。舞台設定が違うだけ。インドの歴史は血まみれの戦いの歴史か。ラストの1857年の戦いは、ボクらの時代は「セポイの反乱」と習ったが(セポイはインド人傭兵のことなんだとか)、今では「インド大反乱」というらしい。

 まあ女優さんは美人。エキストラは普通の人たちという感じだが、セリフがあるような女優さんはとにかくきれい。こんな美女が血まみれになるとはねえ。

 銃は、時代背景からいくと、イギリス軍はフリントロックのブラウン・ベスも一部1857年の「インド大反乱」の時使われたらしいが、スクリーンではパーカッションで、紙薬莢の弾薬だった。とすると1853年式エンフィールド銃か。短銃もあった。劇中、一説には「インド大反乱」の原因になったというイギリス軍が紙薬包に獣脂を塗っているというセリフがあり、実際のエピソードに添っていたようだ。ヒンドゥー教徒はこれを口にくわえ食いちぎって装填することができないと。

 公開2日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は10分前に開場。観客層は中高年がメインで、若い人が少し、老人多め。女性は若い人が多かった。男女比は4対6くらいで女性のほうが多く、最終的には127席に6割くらいの入り。

 スクリーンはビスタで開いており、CM・予告の途中で半暗になり、映画泥棒をはさんで予告が続き、暗くなってマナーから、映写機の上下マスクで小さいスクリーンのまま本編へ。おいおい。

 たくさんのロゴで出て、TV局のロゴも多かったが、一番大きかったのはアマゾンか。最近増えてきたなあ。


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