監督・脚本・製作:エドワード・ノートン 原作:ジョナサン・レセム「マザーレス・ブルックリン」 撮影:ディック・ポープ 出演:エドワード・ノートン、 ググ・ンバータ=ロー、 アレック・ボールドウィン、 ウィレム・デフォー、 ブルース・ウィリス、ほか |
ニューヨーク、L&Lエージェンシーの探偵、驚異的な記憶力を持つライオネル(エドワード・ノートン)。ある日、ライオネルがボスのフランク(ブルース・ウィリス)の手伝いをしていると、何者かにフランクが拉致され射殺されてしまう。孤児で、しかも持病のチック症に悩むライオネルを引き取り、仕事まで与えてくれたのがフランクだったこともあり、ライオネルは犯人を捜すためフランクが担当していた案件を再調査してみることにする。
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面白かった。タイトルはどういう意味なのか、予告の時からずっと考えていたんだけれど、あだ名だったとは。ブルックリンで暮らす孤児か。見終わると染みるなあ。 とても良くできた探偵もの、ハードボイルドもの、そして謎解きのミステリー。主人公がチック症で、ときどきあられもないことを叫ぶというのは、かわいそうでもあると同時に、コメディのネタとしても使われていて、かなり笑える。たぶん英語がわかったら、もっと笑えたはず。1950年代らしい時代感も良く出ていて、ノスタルジックな雰囲気があふれ、悪党も、怖いが今ほどの理由がわからないような悪ではない。そして素敵なジャズがたっぷり。 扱われている問題は現代でも通用しそうなものだし、トランプ大統領を思わせる発言もある。社会正義とか、誰にもある悲しい身の上と、美女との恋まで描いて、銃撃もあって、大盛りの144分。ボクはハマってしまった。予告からギャングものかと思ったのだが違った。見て良かった。 舞台となるニューヨーク市は河口にあって、それぞれの区が島になっているので、それぞれをつなぐ橋が良く出て来る。その意味は後半に明かされる。まだ人種差別があって(それほど酷く描かれていないが)、ジャズがあって、第二次世界大戦の戦争帰りの人たちがバリバリ活躍していて、日本軍と戦ったなんて言っている。そして出てくる銃もたぶん軍用仕様のM1911A1で、これを古いハードボイルドらしく革のショルダーで吊っている。こういった設定が、すべてストーリー展開に活かされている。うまいなあ。 監督・脚本・製作・主演のエドワード・ノートンは、よほど原作が気に入ったのだろう。そして本当に才能がある。名門イェール大卒は伊達じゃない。また、政治家のモーゼスを演じたアレック・ボールドウィンがいい。無言でも威圧するような雰囲気を放っているのが凄い。それがまたしゃべると、一層威圧感を増す。見事な存在感。 公開5日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、前日にネットで確保。当日は15分前くらいに開場。さすがに平日の初回は人が少ない。大学生らしい若い人と、定年になったくらいの高齢者がメインという感じ。最初は男2人の女性3人だったが、最終的には157席に男性が12〜13人。女性5〜6人。 スクリーンはシネスコ・サイズで開いており、マナーと予告から、半暗になって映画泥棒、ドルビー・シネマのCM、予告が続いて、暗くなって再びマナーから左右マスクで本編へ。 |