2020年12月20日(日)「約束のネバーランド」

2020・フジテレビジョン、集英社、東宝・1時間58分(IMDbでは119分)

シネスコ・サイズ(表記なし、IMDbでは2.35、デジタル、Red Ranger Monstro)/音響表記なし(IMDbではドルビー・デジタル)

(『HELLO! MOVIE』方式に対応した視覚障害者用音声ガイド、聴覚障害者用日本語字幕付き、一部日本語字幕付き上映もあり)

監督:平井雄一朗
原作:『約束のネバーランド』
   (「週刊少年ジャンプ」集英社)
   白井カイウ(原作)、出水ぽすか(作画)
脚本:後藤法子
撮影:今村圭佑
出演:浜辺美波、板垣李光人、
   城 桧吏、渡辺直美、
   北川景子、松坂桃李、三田佳子、ほか

公式サイト
https://the-promised-neverland-movie.jp
(全国の劇場リストもあり)

グレイス=フィールドハウス孤児院のコニー(浅田芭路)の里親が見つかり、外の世界に出ることになる。しかし当日、コニーが大好きなぬいぐるみを忘れていったことに気付いたエマ(浜辺美波)とノーマン(板垣李光人)は、禁じられた門のところまで追っていく。そして孤児が鬼用の食肉として出荷されるところを目撃してしまう。2人は戻ると成績優秀なレイ(城 桧吏)にも見たことを話し、脱獄計画をスタートさせる。それも3人だけではなく、孤児全員での脱獄を。


75点

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 感動した。家族という名の仲間を思う気持ちと、行動、そして力強い言葉は感動的で、あやうく泣きそうになってしまった。うーん、よくできたお話。ラストには衝撃的真実も明らかになって…… 原作があるとは言え、見事な構成。そして、ロケーションも素晴らしい。一体どこなんだろう。白亜の建物も美しくて立派だった。そして、まあ浜辺美波がきれい。

 漫画からアニメーション化され、そして実写化というパターン。ボクは漫画もアニメも見ていないので何とも言えないが、実写版が残念なものになるケースが多い中、本作は成功した部類になるのではないだろうか。雰囲気的には「進撃の巨人」とか「メイズ・ランナー」(The Maze Runner・2014・米/英)的ではあるけど。

 1つだけ気になったのは、言葉。セリフがいかにも書いたような言葉で、堅苦しく、普通は使わないような言葉回し。舞台のお芝居みたいでもあり、文語的でもあり、戦前くらいでもあるような感じ。上級階級っぽい孤児院なので、子どもたちにもそういう言葉遣いを指導していたということなのかもしれないが。漫画では無理はないとしても、メイン・キャストは外国人の名前の日本人で、全員が日本語を話すわけで、モンスターのオニまでもが流暢な日本語を話すという違和感。実写版ならではなのかも。金髪のアジア人というヤツか。なのに、海外販売を考えてか、出てくる文字などは全て英語だし。

 主人公の年齢が15歳ということになっているが、原作漫画では11歳らしい。これをリアル・ドラマでやるのはやっぱり厳しい。学芸会になりかねない。しかも演じている浜辺美波は20歳。若く見えるけど。これはしようがないだろうなあ。

 監督は、傑作「僕だけがいない街」(2016・日)で同じ脚本家の後藤法子と組んだ平井雄一朗。ちょっと子供によった視点がうまいのかもしれない。近作は「記憶屋 あなたを忘れない」(2020・日)だが、残念ながら見ていない。

 公開3日目の初回、新宿の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は30分前にビルが開き、22〜23分前に開場。最初は中高年が7人いて、女性は1人。その感じで次第に増えていって、最終的には407席に4割くらいの入り。朝早い初回としてはなかなかか。下は父に連れられた小学生くらいの女の子からいた。10席×2列あったプレミアム席は6席が埋まった。それにしても、なぜ女性に人気がないんだろうか。不思議。

 10分前くらいから曲が流れ、6〜7分前からシネマ・チャンネル。半暗になって、CM・予告から暗くなって、まぶしい足元注意の、フル・サイズ映画泥棒、映倫と続いてフル・サイズで本編へ。

 エンド・クレジットの最後に「ロープにハンガー……うんぬん……危険です」の表記が。TVか。


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