2020年12月26日(土)「新感染半島 ファイナル・ステージ」

PENINSULA・2020・韓国・1時間56分

日本語字幕:丸ゴシック体下、根本理恵/シネスコ・サイズ、IMAX、ScreenX(IMDbでは2.39、デジタル、Arri Alexa)/ドルビーATMOS(IMDbではIMAX6-Trackも)

(韓15指定)(IMAX版、スクリーンX版、4D上映もあり)

監督・脚本:ヨン・サンホ
撮影:イ・ヒョンドク
   (allcinemaではチョン・ギウォンも)
出演:カン・ドンウォン、
   イ・ジョンヒョン、
   キム・ドユン、ほか

公式サイト
https://gaga.ne.jp/shin-kansen-hantou/
(全国の劇場リストもあり)

謎のウイルスによる感染爆発で人々がゾンビ化し、朝鮮半島がほとんど廃墟と化してから4年。どうにか香港に逃れていた元軍人のジョンソク(カン・ドンウォン)は、香港ギャングの会長に呼び出され、感染爆発後の韓国から現金2,000万ドルを持ち出そうとしていた組織のトラックと連絡が取れなくなったため、韓国にもどってトラックを奪還してくるように依頼される。報酬は運んできた現金の半額。それを潜入するメンバー4人で分けるので1人当たり250万ドル。簡単な半日仕事と高をくくって潜入すると、謎の一団から攻撃を受け、大群の感染者たちに追いかけられる羽目になる。


75点

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 いやあ、怒濤のホラー・アクション。製作者の並々ならぬこの映画に掛ける意気込みが伝わってくるような映画。熱量が半端ない。つまりアツイ映画。さすが韓国映画。物語も良くできている。そして主人公ではないが、戦う女性が頑張っている。ただ、言ってしまえばゾンビ映画で、「ゾンビランド」(Zombieland・2009・米)的であり、「ニューヨーク1997」(Escape from New York・1981・米)の要素もあって、「エイリアン2」(Aliens・1986・米)の雰囲気で、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(Mad Max: Fury Road・2015・豪/南ア/米)も入っているようで、ごった煮感はある。それをうまくまとめたなあと。

 感染者はほとんどゾンビだが、どうも一度死んでいるわけではないようで、銃弾で殺せる。普通の人間が死ぬ部分を撃てば倒せる。ただ、暗いところは見えず、音と光に敏感という設定で、その点ではウィル・スミスの「アイ・アム・レジェンド」(I Am Legend・2007・米)に近いかも。前作?の「新感染 ファイナル・エクスプレス」(Busanhaeng・2016・韓)は見ていないので、説得力はないけど。それにしても、感染者はどうやって生きているんだろう。人間を食っているのか。本作では余計な説明は一切省いている。そこが潔くてわかりやすいのだけれど。ただ死んでいないとなると、殺すことに後ろめたさが出てくる気はするが……。

出演者は、韓国映画をあまり見ないボクにはあまり馴染みがなく、何となく日本のタレントに似ている気がした。主人公のカン・ドンウォンはどことなくアンジャッシュの渡部に似ている感じ。日本映画のリメイクというか日本の小説の映画化「ゴールデンスランバー」(Goldeun seulleombeo・2018・韓)の主役をやっていた人。役柄が違うからか、全く印象が違ってわからなかった。その意味でもすごいなあ。631部隊の隊長ソ大尉を演じたク・ギョンファンはロンドンブーツ1号2号の淳似。まだあまりメジャーな作品には出ていないようだが、俳優賞を受賞している演技派らしい。

 ヒロインとなるコンジョンを演じたイ・ジョンヒョンは見ていないが「ラブ・アゲイン 2度目のプロポーズ」(Shall We Do It Again・2019・韓)というラブ・コメに出ていたらしいのに、本作では堂々とアクションを見事にこなしているし、631部隊の鬼軍曹ファンを演じたキム・ミンジェは狂気あふれる感じで怖い。傑作キムチ・ウェスタン「グッド・バッド・ウィアード」(Joheunnom nabbeunnom isanghannom・2008・韓)に出ていたらしい。

 監督・脚本はヨン・サンホ。前作「新感染 ファイナル・エクスプレス」(Busanhaeng・2016・韓)の監督。アニメ作品も手がけているようで、公式サイトにあるようにマルチ・プレーヤーと言うことになるのだろう。韓国はエンターテインメントの世界に才能ある人が多いようだ。

 銃は、韓国軍がK2アサルト・ライフル、P226を使用。半島に潜入する4人にはサプレッサー付きのM4、MP5。テープでつないだダブル・マガジンで使用。主人公は結構、マガジン・チェンジもやっていた。半島の631部隊はK2のほか、K1A1カービン、ソ大尉が1911オート。

 英語タイトルのペニンシュラは、英語で半島のことだそう。つい高級ホテルを思い浮かべてしまったが。

 先行公開で1週間早いが、1/1に見たい作品が集中するよりはと選択。ただ気付いたのが遅く1日前にネットで確保。混むかと思ったら意外と余裕。当日は17〜18分前に開場。最初は男性が多かったが、やがて典型的韓国映画らしくオバサンが増えてきて、結局は男女半々くらいに。年齢的には若い人から中年層が多かった。高齢者は女性という感じ。プレミアム席(P席)8席を含む257席フルに、だいたい7割くらいの入り。P席も3席埋まった。

 シネマ・チャンネルのあと半暗になり、CM・予告と続いて、マナーのあと映写機のマスクか左右に広がってシネスコ・サイズになり、まぶしい足元注意のフル・サイズの映画泥棒から映倫で本編へ。


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