監督:谷垣健治 共同監督:アマン・チェン 脚本:ウォン・ジン、 ルイ・クーナン、 ロナルド・チャン 撮影:石坂拓郎、 フォン・ユンマン 出演:ドニー・イェン、 ニキ・チョウ、 ウォン・ジン、 丞威、竹中直人、ほか |
香港の熱血刑事チュウ・フクロン(ドニー・イェン)は検挙率は高いが、ついやりすぎて車やオフィスを壊し大きな被害を出してしまうことから署長の怒りを買い、証拠品保管係に飛ばされる。婚約者の女優ソン・ホーイ(ニキ・チョウ)との結婚も、約束をすっぽかし破談。そして、証拠品保管室で1日中座ってお菓子を食べてばかりの生活で6カ月後には体重120キロ超えのおデブに。そんな時、香港の病院に入院していた日本人のAV監督、山本勇二(葉山 豪)が日本の事件に関わっていたということで、日本へ護送する任務を命じられる。簡単な任務のはずが、日本に着いてすぐ犯人に逃げられ、自体はとんでもない方向へ展開していく。
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たぶんブルース・リーの「ドラゴンへの道」(The Way of the Dragon・1972・香)に敬意を表した、痛快カンフー・アクション&コメディ。とにかく主演のドニー・イェンがいい。おデブになった特殊メイクも素晴らしいが、それでのキレの良いアクションを見せるのがいい。素晴らしい。 ドルビー・サラウンド7.1の割には音響にあまり立体感を感じなかったが、コメディなのでそのへんはこだわっていないのだろう。そしてデブゴンといえばサモ・ハン・キンポーの「燃えよデブゴン」(肥龍過江・1980・香)だと思うが、ボクは見ていないので、何とも……。 素晴らしいアクションながら、コメディはいわゆるドタバタで、笑えるけれど最初から飛ばし過ぎで、観客はややおいてきぼり状態。これはあえて昔の香港映画を再現したということだろうか。コテコテのコメディという感じで、日本人的にはちょっと厳しいかも。特に日本人刑事を演じる竹中直人はコントみたいで……。 いい感じだったのは、海外で中華レストランを経営する美女という、シングル・マザーながら「ドラゴンへの道」のマドンナ的キャラクター、フォンワーを演じたテレサ・モー。1960年生まれと言うから60歳なのだろうが、美人だなあ。見たことあるなあと思っていたら「ハード・ボイルド/新・男たちの挽歌」(Hard-Boiled・1992・香)に出ていたらしい。通訳役のマギーを演じたジェシカ・ジャンもかわいかったけど。 ドニー・イェンの特殊メイクは驚異的で、最新の技術ではこんなにも自然に体重120キロ超えのおデブにできるんだなあ、と。デジタルかとも思ったが、ラストのメイキングを見ると特殊メイクのよう。あんなに動いてはがれないのだろうか。境目は修正しているかなあ。でもほぼ全編に出ているし、そんなに手間のかかること……。 監督は谷垣健治。アクションに素晴らしい手腕を発揮する人で、驚異的なチャンバラ・スタイルを見せてくれた「るろうに剣心」(2012・日)シリーズは有名。ボク的にはドニー・イェンと組んだ「修羅雪姫」(2001・日)が衝撃的だった。釈由美子を完璧なアクション女優に見せた。 銃は主にグロックが使われている。ほかの武器はやっぱり日本刀。致死率で言う、割と多めに出ていたタバコの方が上か。 公開2日目の初回、日比谷の劇場は全席指定で、2日前にネットで確保。当日は12〜13分前に開場となり、場内へ。若い人も少しいたがやはり中年以上というか、高齢者が多かった印象。最終的には151席に30〜40人くらいの入り。女性は中年層がメインで10〜12人というところ。 シネマ・チャンネルのあと半暗になって、CM・予告からマナー、映写機のマスクが左右に広がって暗くなり、足元注意の、フル・サイズの映画泥棒、映倫と続いて、フル・サイズの本編へ。 ラスト、エンド・ロールでメイキング&NG集が流れるので、席を立たずに最後まで見て欲しい。 |