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トム・ジョンソン Tom Johnson
1939年コロラド生まれ。モートン・フェルドマンに作曲を学ぶ。1983年よりパリ在住。ミニマリズムの作曲家とみなされるが、数学の公式や順列組み合わせを用いた、きわめて論理的な作品が多いところにその特徴はある。論理性と演劇性が同居した「4音オペラ」、「ナーラーヤナの牛」、「失敗〜ソロ・コントラバスのための大変難しい曲」は世界各国で繰り返し上演されている。また1970年代からヴィレッジ・ヴォイス誌に連載された"The Voice of New Music"によって評論家としても著名。
http://www.tom.johnson.org/ ●演奏曲目と演奏者 (文責:福永綾子)
TILEWORK FOR DOUBLE BASS (2003)
演奏:KEIZO=溝入敬三/コントラバス
ジョンソンが近年取り組んでいるシリーズ。すべての拍子を満たしつつ、2つのパターンが同時に起こることなく複数のリズムパターンを結合するには? という課題に、数学者たちとともに取り組んだ成果。数学的なミニマルミュージックを特徴とするジョンソン作品群の真骨頂。
FAILING, A VERY DIFFICULT PIECE FOR SOLO STRING BASS (1975)
演奏:KEIZO/コントラバス
ジョンソン初期の作品で、恐らく世界中で最も演奏されている作品。「間違い」というタイトルどおり、「間違わないと正確な演奏にならない」というジレンマにコントラバス奏者が悩む、というユニークで楽しい作品。
RATIONAL MELODIES (1982) から 1, 2, 3, 5, 16, 8, 17, 15(演奏順)
演奏:菊地秀夫/クラリネット
21種類のシステマティックなメロディー。現在の「Tileworks」シリーズにいたる、 代表的な数学的作品。
MUSIC AND QUESTIONS (1988)
演奏:足立智美
5つの音符の120通りの組み合わせを奏でつつ、1つの組み合わせに1つの質問が観客に向けて発せられる。
SELF-PORTRAIT (1983)
演奏:teamSZK (鈴木悦久、遠藤真治、三浦咲、南真一、伊藤佐智子)
8つの段ボールにそれぞれ1つづつ書かれた音符。一人の男が、その箱を動かしたり、ひっくり返したり、積み上げたり。背後に立った演奏者がその音符をその場で読みながら音を出す。男は作曲者の分身であり、発される音は作曲者の中に鳴る音である。
123Part III (2002)
演奏:123合唱団 池田拓実、伊藤佐智子、
今井友貴、
遠藤真治、
小出稚子、
三枝伸太郎、鈴木治行、
鈴木悦久、
田中智子、
田中維子、
鶴見幸代、
難波益美、
西本真子、
野口幸太、
羽山進一、
福永綾子、
藤井健介、
三浦咲、
南真一、
安野太郎
ジョンソンには、音程をともなわない声による合唱曲がいくつかある。1、2、3の数字の発語のリズミカルな組み合わせ。3曲ずつ3部に分かれており、今回はPart3のみを演奏。
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