ノシロナオコ「そこにある身体シリーズ」vol.6 シリーズ最終回!!!

来島友幸(美術)×ノシロナオコ(ダンス)
ま&ま


 「そこにある身体シリーズ」は、ダンサー・振付家のノシロナオコが、様々なジャンルのアーティストと共同作業を行う企画です。全六回の企画で、今回がシリーズの最終回です。ぜひお見逃しないように!!! vol.6のコラボレーターは美術家・来島友幸さんです。

[ コラボメモ ]
 このコラボレーションは、来島の“Form is Rhythm”によるノシロのポートレートの記録から始まります。このポートレートは肖像という形(造形)ではなく、むしろ身体は環境の一部となり、そこから受ける絶えず変化する感覚を描くことに相当します。
 過去のある時ある場所(RAFT)で派生した感覚。さらに時間と空間を操作することで様々な状況が新たに生まれます。そしてそこに立ち会う観客それぞれの視線の動きもまた新たな状況を生み出すことになるでしょう。変容する環境と、その環境要素による相乗効果が、一期一会の感覚を刺激するのです。そして何気ない日常に戻った時、「そこに居る」だけで振れるアンテナに気付くかも知れません。


[ 来島友幸の“Form is Rhythm” ]
 “Form is Rhythm”という作品は、ある時ある場所にとどまり自分の五感を通して感じるその環境での時間感覚=リズムを刻もうという試みです。リズムを実際に刻むのはリレーといわれる電子部品で、電気信号を切替えるスイッチの役割をするモノです。リレーに電気が流れるとスイッチがつながりカチッという音がします。リズムはこのリレーから出る動作音でつくられます。それはカチッと音がする、しないという2つの要素だけであり、その音のタイミングを自分の五感でコントロールし、積み重ねていくとリズムが出来上がります。リレーから出る音はごくごく小さく、自分の近くでしか聞こえないので、サウンドパフォーマンスというよりスケッチに近いモノです。
 必要なのは時と場所だけです。あとはその環境にどっぷり浸り自分の身体で感じた時間をリズムに表します。日々変わっていく場所の環境や自分の感覚、そんな変化していく瞬間を1コマの絵ではなく、ある幅を持った時間の感覚でとり出してみたいのです。


2008年3月7日(金)〜9日(日)

7日(金)20:00
8日(土)20:00
9日(日)17:00
開場は開演の30分前


◎ノシロナオコプロフィール


振付家/ダンサー。主宰ユニット<NOsense>でのパフォーマンス創作を経て、2002年に福原哲郎の<東京スペースダンス>に参加。同年よりインディペンデントの振付家/ダンサーとして始動、国内外で活動中。『主体と客観を行き来する身体』と『環
境と身体のインタラクション』を追求。ソロ作品“trans-mission”は「イスタンブール・ダンス・フェスティバル2007」で好評を得る。http://www.ne.jp/asahi/no/sense/

◎来島友幸プロフィール


美術家。2000年より環境と自身の時間感覚をテーマとしたフィールドワークによるインスタレーション作品”Form is Rhythm”を開始する。最近は場の環境のみならず人物を対象としたインスタレーション作品に展開することを模索中。
主な展覧会 スキマプロジェクト(コマンドN)、中島望・来島友幸二人展(金沢21世紀美術館)など。


VOICES

徹底的に実験的・挑戦的な結果を期待                             飯名尚人(Dance and Media Japan)
 「そもそもコラボレーションとは何か?」という僕の質問に、ノシロナオコは「作品を客観視するためのひとつの方法」と答えた。映像作家、音楽家、建築家、彫刻家など、ダンスの周辺を取り囲むメディアとの1対1のコラボレーションは勇気のいる作業だ。彫刻家は彫刻の言葉で話し、ダンサーはダンスの言葉で話す。お互いが共通の言葉の意味を見出し、あるいはあえて見出さず、自分を客観視できたときに、きっとコラボレーションの答えが見えてくるのかもしれない。1対1、なにがなんでも全6回実施する、というこの企画は、シンプルだが逃げ場がない。僕は、このコラボシリーズに、出来上がった作品のエンタテインメント的面白さやお客さんの数ではなく、徹底的に実験的・挑戦的な結果を期待している。

とんでもない“ダンス”を黙々とつくるノシロナオコさんとは何者か?       塚田美紀(世田谷美術館学芸員)
 よつんばいの変な生き物がのっそり袖から出てきた。それがそのままのそのそと、舞台を対角線上に進む。2年ほど前に初めて観たノシロさんは、何とも妙な存在感を漂わせるミニマリストだった。気になり続け、縁あって今夏、世田谷美術館の身体表現ワークショップ・シリーズにゲスト講師としてお招きした。参加者に「いいね」「素敵だね」との言葉を一切かけず、大人も子どももただ各自が各自の身体に耳を傾けるよう、ノシロさんは淡々とワークショップを進める。あまりの潔さに唖然、だが流れる時間の静けさと濃密さはすばらしいものだった。その数週間後のコラボ企画。ノシロさんは音楽家のつくった譜面をダンス言語に翻訳したという。どんなものかと思えば、音をひとつひとつ、手で作るサインにひとつひとつ変換し続けているビデオ映像。真っ暗な空間に白い両の手が開いたり閉じたり閉じたり開いたり閉じたり。魔術的なまでの催眠効果、なのだがなぜか深い眠りに落ちることは許さない、脳の奥に深々と刻印される映像。こんなとんでもない“ダンス” を黙々とつくるノシロナオコさんとは何者か?目撃者になることをお勧めします。


TICKET (全席自由席)お席に限りがございます。あらかじめのご予約をおすすめします。
【各回】前売・予約¥2,300/当日¥2,500/らふと会員¥2,000


会場 オルタナティブスペースRAFT(中野区中野1-4-4 1F)

◎JR線・大江戸線 「東中野駅」下車西口・徒歩13分
◎丸の内線・大江戸線 「中野坂上駅」下車A2出口・徒歩10分
◎JR線「中野駅」からバスの場合 南口下車、京王バス(2番のり場)渋谷駅行き(渋64)「中野一丁目」にて下車(バス乗車時間約5分)
◎JR線「新宿駅」からバスの場合 西口出口、京王バスターミナル(15番のり場)野方行き「中野一丁目」にて下車(バス乗車時間約15分)徒歩スグ・東中野駅から約1.0km・中野坂上駅から約0.8km


主催・お問い合わせ NPO法人らふと
TEL/FAX 03-3365-0307 〒164-0001 東京都中野区中野1-4-4 1F
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