2001年1月13日(土)「追撃者」

get carter・2000・米・1時間43分

日本語字幕翻訳:岡田壮平/シネスコ・サイズ(マスク)/dts・ドルビーデジタル・SDDS


ラスベガスでギャングの取り立て屋をしているジャック・カーター(シルベスター・スタローン)は、田舎で家庭を持っている弟が交通事故で死んだと聞いて、ボスの許可も得ずに駆けつける。葬式で、酔っぱらったあげくの事故だったことを聞き、ジャックは殺人事件だったのではないかと疑い、独自に聞き込みを始めるが……。

68点

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 もうスタローンはダメかもしれない。こんなにつまらない映画ばかりに出ていては。しかも演技が一本調子。どの映画でも彼は、口をゆがめてモゴモゴと口の中で言葉を転がすようなしゃべり方をしているが、いいかげん止めようよ。あやうく途中で寝てしまうところだった。メリハリのない構成だこと。

 しかも暴力満載。銃も持っているが、それより殴る殴る。そこまでの必要がなくても殴る。暴力を振るう。こういう映画こそ国会で問題にすべきだろう。過剰な暴力だと。見ていると腹が立つ。やたらタバコを吸うし。

 全体にも暗い調子で、明るいキャラは1人も登場しない。敵役は日本でボクシングの試合をやったミッキー・ローク。どうも最近は悪役ばかりだ。今回もなんだか「ダブル・チーム(Double Team・1997・米)」と似たようなステレオ・タイプの悪役。名優マイケル・ケインにしても、なんで出たんだろうって感じだし。愛人役には「13F(The Thirteenth Floor・1999・独/米)」や「ラウンダーズ(Rounders・1998・米)」のグレッチェン・モルが出ているが、これまたチョイ役。配役だけはスゴイ。

 もちろん弟の娘を演じる「シーズ・オール・ザット(She's All That・1999・米)」のレイチェル・リー・クックは、かわいいし前作と180度ちがった役柄でいいと思う。でも一番光っていたのは、コンピューターおたくを演じる「プランケット・&マクレーン(Plunkett & Macleane・1999・英/チェコ)」や「タイタス(Titus・2000・米)」のアラン・カミング。かつてマイケル・ケインが「探偵〈スルース〉(Sleuth・1972・米)」で演じたと同じ雰囲気で、涙と鼻水を流しながら命乞いするあたり、素晴らしい演技を見せてくれる。

 なんでも本作はリメイクなんだそうで、元は「狙撃者(Get Carter・1971・英)」だとか。実はこれの主演がマイケル・ケインで、だからこそ逆の役で出演していたのだ、きっと。

 タイトル・デザインはザ・ピクチャー・ミルとかいうところで、文字の出し方がカッコ良く印象に残る。

 ちなみに銃は定番のベレッタM92やグロック、スターム・ルガーのKP93DC(たぶん)も登場するが、ガバメントも使うあたりがこだわりなんだろう。ただし、スタローンさん、M92を実弾が入ったままクルクル回すのはいかがなものか。自殺したいなら別だけど……。しかもプロなんだから。

 冒頭「誰でも悪になりうる」というような言葉が出るが、もちろんそれを描きたかったのだろう。しかし、それがちゃんと描けていたかどうか、それこそが問題だ。

 公開初日の2回目、35分前に着いたらロビーで30人くらいの人が次の回を待っていた。30分前に列を作ることには40人くらいに増えた。やっぱりここも白髪とハゲが目立ち、若い人はごく僅かしかいない。男が多く、男女比はだいたい7:3といったところ。まあ当然か。スタローンで若い女性は呼べないでしょ。

 指定席は10席×6列あって、なんと5人座っていた。最終的に648席の座席はどうにか4.5割が埋まった。


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