2001年1月20日(土)「ファイナル・デスティネーション」

FINAL DESTINATION・2000・米・1時間37分

日本語字幕翻訳:森泉佳世子/ビスタ・サイズ/dts・ドルビーデジタル・SDDS


高校生のアレックス(デヴォン・サワ)は、パリへの修学旅行の出発直前、機体が爆発する夢を見て降りると騒ぎ出してしまった。この騒ぎに巻き込まれ、女性教師を含むクラスメイト7人が機を降ろされた。しかし、その機体は彼の予言どおり、離陸後まもなく爆発して墜落してしまった。そして、事故を逃れた7人は、それから順番に奇怪な事故死を迎える……。

70点

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 うーん、惜しい、と言えばいいのか。最初の雰囲気のまま最後まで行ってくれたら、きっと傑作ホラー映画になっていたことだと思う。それが……。

 多くのホラー映画がはまるパターンにまんまとはまってしまっている。つまり……

 主人公が深夜の物音に気付いたら、怯えていても1人で確認に外へ出る。人に何も話さず、誤解を得ても自分だけで行動する。できるだけ夜に行動する。謎を解こうとかえって怪しい行動をとってしまう。簡単な方法を使わず、わざわざ遠回りをする……etc、etc。

 本作でも、飛行機事故が起きて、親友が事故死した後あたりからおかしくなってくる。むやみに現場へ近づいたり、疑われてもしようがないことばかり始める。極めつけは証拠となる刃物を素手でつかんで犠牲者から抜いてしまうことだろう。これは二重に悪い。何もなかったところに自分の指紋を付けて事件をややこしくするし、刃物を抜くと刃物で栓をされていた傷口が開いて大量出血してしまうことだ。なぜホラー映画の登場人物はほとんど皆これをやるのか。ご都合主義としか考えられない。

 修学旅行に出かける導入から、空港での不思議なビジョン、飛行機を降りて、最初の犠牲者が出るまでは実に素晴らしい。どんなに素晴らしい物語が展開されるのかとワクワクする。ああそれなのに。

 監督は「Xファイル」1993年に第4シーズンの第1話「紫煙(Musings Of A Cigarette Smoking Man)」を監督しエミー賞にノミネートされたジェームズ・ウォン。彼は「Xファイル」では、コンサルタントとエグゼクティブ・プロデューサーも務めていた。そして「Xファイル」のプロデューサーが本作でもプロデュースをしているらしい。

 日本版の公式サイトによると、原案となったジェフリー・レディックの最初の脚本では、飛行機から降りた登場人物たちはお互いのことを知らず、探し合うことになっていたという。うーん、そっちの方が面白そう。でも、本作の最終脚本を書いたのはエミー賞を受賞したジェームズ・ウォンだしなあ。

 画作りは素晴らしいと思う。何か起きそうで怖い。前半も良い。穿った見方だが、TVの1時間という枠に慣れてしまっていたのではないだろうか。1時間枠だと、不思議な事件が起きて、あとはそれを解決するだけ。あまり展開のヒネリは付けられない。本作も、飛行機事故の後、7人の事故が起きていくわけだが、それぞれの事故は工夫が凝らされていて恐ろしいが、パターンといえばパターン。防ごうとする工夫や努力が不足しすぎている。後半1時間がパターンの繰り返しでは……。

 拾いものは、ヒロインとなるクレアを演じたアリ・ラーター。なかなかの美形、きれいです。どこかで見たなあと思ったら、「TATARI タタリ(House on Haunted Hill・1999・米)」に出ていたらしい。ボク自身そこで『ジェニファーを演じたアリ・ラーターが今後注目かも』なんて書いている。

 公開初日の初回、60分前に着いたら5〜6人の人が。50分前に10人ほどに増えた。男女比はほぼ半々で、老若比7:3というところ。年輩が多い。

 寒い、雪が降りそうな日だったので、若い人が来て列をビルの中に作るように支持してくれた。ところが45分前になったら年輩の人が現れて、まっすぐに列を作り直せという。これではビルの中にいられるのは4〜5人だけ。あとはクソ寒い外に並んで待たなければならない。たいした列じゃないんだから、堅いことを言わずにビルの中に並ばせればいいのに……。30分前に開場したから15分も寒空の下に並ばされていた人が15人くらいいたことになる。風邪を引かなければいいのだが。

 15分前くらいから増えだして、最終的に756席の5.5割ほどが埋まった。男女比は4:6で女性がやや多く、老若比は3:7で若い人の方が多くなった。やはりホラーもののパターンというわけか。ただ、席が空いているのに最後列の手すりの後ろに一列にズラッとならんでいる怪しげな一団が気になった。配給会社の人達か。一般公開日にこんなに大挙してこないで欲しい。


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