2001年3月20日(火)「キング・イズ・アライブ」

THE KING IS ALIVE・2000・デンマーク/スウェーデン/米・1時間48分

日本語字幕翻訳:松浦美奈/スタンダード・サイズ(1.37)/ドルビーサラウンド


飛行機が故障したため乗り込んだ長距離バス。砂漠を横断するそのバスは、なんのランドマークもなくてもコンパスを頼りに夜も走り続ける。ところが、そのコンパスが故障していたために、コースから800kmもはずれ、給油もできないままついにガス欠で止まってしまった。ゴーストタウンにたどりついた12人の乗客は、1人が助けを呼びに行っている間にシャークス・ピアの「リア王」をやることにするが……。

63点

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 寝た。寝たくはなかったが、寝てしまった。つまらん。リアルさがない。つまりドラマのためのドラマ作りなのだ。チラシなどではキャッチコピーが「生き残れ」「映像新世紀の到来を告げる次世代のサバイバル・サスペンス」というもので、ご丁寧に砂漠を生き抜くための5つのルールまで書き込まれている。

 これで想像したのは、乗客たちが砂漠の中を出口を求めてさすらいながら、次第に本性が出て一大ドラマを演ずるというもの。だって「生き残れ」ってはっぱかけるなら、誰だってサバイバル・ムービーだと思うでしょ。

 ところが、実際は全く違った。誰一人として生き残ろうという真剣な努力をしない。これは助けを待つだけの映画なのだ。1人が助けを呼びに行くと言って出てしまうと、残りは全員、のんきにシェークスピアの「リア王」などをおっぱじめてしまう。そんな場合か? そして反対するヤツは「それはJAPがシナトラやエルビスの真似をするのと一緒だ」ときた。なんて失礼な映画なんだろ。当たってるけど。

 挙げ句の果てには、セックスだ。水や食料が無くなるってのに、やけになってるわけでもなくて、そんなこと考えるか。あまりにも展開に無理がある。そういう問題を描きたかったんだろうが、だったら別な設定にすればいいわけで、砂漠でサバイバルする必要はまったくないのだ。やれやれ、こんなのにお金を払ってしまった。それより、貴重な時間を1時間48分もムダにしたことの方がショックか。

 公開2週目の2回目、1時間前に付いたら誰も待っていない。前回終了の10分前くらいから混みだして、列を作らされた。ほとんどは20代前半の若い人ばかり。オヤジは10%程度。カップルが目立つものの男女比は6:4でやや男の方が多かった。サバイバルってあったからなあ……。サスペンスもないし……。

 なぜか2F席は使用禁止で、1F席のみ。ここはかなりスクリーンが高く見上げる形になるので、2F席から見たかったのに。最終的に1F席の5.5割ほどがうまったが、これは多いと見るべきか、少ないと見るべきか。この内容からするとボクは多いと思うが。

 この映画でわかったことは、ボクはまったくゲージツ作品は向いていないということだな。

 でも、スタンダード・サイズってことは、これってTV番組かVシネ?

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