2001年4月21日(土)「ザ・メキシカン」

THE MEXICAN・2001・米・2時間3分

日本語字幕翻訳:松浦美奈/シネスコ・サイズ(レンズ)/ドルビーデジタル・dts・SDDS

組織の運び屋ジェリー(ブラッド・ピット)は、彼女のサマンサ(ジュリア・ロバーツ)からカタギに戻らないなら別れると迫られていた。しかし、最後の仕事にメキシコへ行って伝説のピストル「メキシカン」を受け取ってこないと殺すと脅され、渋々メキシコへ行くことになる。

77点

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 先ず、片田舎らしい何もないのどかな交差点が映る。やがてカメラは真ん中にある信号にズームしていく……。緑、黄色、赤。緑、黄色、赤……と信号が代わり、赤ランプが画面一杯になったとき、ガシャーンとオフ・カメラで衝突音がする。事故だ、と画面は変わって、1つのベットで眠っている2人の男女が映し出される。うまいなあ、この導入。しかもラストは、やっぱり信号のアップで終わる。この監督、かなりの映画オタクなんではないだろうか。

 おもしろい。笑える。ほとんどの観客は笑っていなかったけど、これってかなりのコメディだと思うんだけど。ボクにはもうハマるところばっかりで、おかしくて声を出して笑ってしまった。違うのかなあ。

 ベースのテイストはコメディ。そしてテーマは「愛」。なんかこっぱずかしいけど、間違いなくそれは「Love」。そして手法はハードボイルド・アクション。先の読めない展開に、笑わされながら、ほろりとさせられる。

 最初、詳細が語られず、ストーリーが展開して行くに従って次第にいろんなことが明らかになってきて、なるほどと納得させられる作りになっていて、それがまたおもしろい。ただ、これは両刃の剣でもあって、ヘタをすれば観客が理解できないうちにストーリーだけ先に行ってノレないままおわるということにもなりかなない。それをみごとに成功させているから、この監督ゴア・ヴァービンスキーはただ者ではない。CM界の出身で、CM界のアカデミー賞、クリオ賞を4つも、そしてカンヌの広告賞も取っているらしい。これまでには「マウス・ハント(Mouse Hunt・1997・米)」などを撮っている。あれではパッとしなかったんだけど、たっぷり4年もの時間を掛けて練ってきただけのことはある。


【ただいま執筆中。少々お待ちください】



 初日の初回、開演60分前、前売り券を持っている人の列が8人ほど、当日券を買うのに待っている人が1人。ブラピ(ピッくんでしたっけ)とジュリア・ロバーツ競演の話題作にしては少ない人の数。なんでだろ。

 男女比はほぼ半々で、ほとんどは20代前半のカップル。まあ、そういう映画という感じもする。

 45分前になって前売り30人の、当日20人ほどになり、30分前に開場したときには、オヤジというよりもうちょっと年齢が上の層が増えていた。といっても1割程度だが。あとはほとんど20代〜30代の若さ。

 初回のみ全席自由。12席×8列ある指定席から埋まっていった。最終的には1,044席の4割ほどしか埋まらなかった。

 それにしても新宿のこの大劇場のスクリーンがこんなにも暗いのはなぜ? くすんでしまっているのか。いまどきこんな暗いスクリーンでは勝負できないと思うが。ピンが甘いのも大問題。映写技師の、そして劇場のプライドを疑う。しかも、いつの間にかドリンク類の持ち込みお断りになったし。

 冒頭にドルビーデジタルの「洞窟」デモあり。


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